転ばぬ先の杖⑤
顧問先の会議に出席していると、
トラブル、争いごとが耳に入ってきます。
(ケース2)
海外でビジネスをしたいオーナー燕三郎氏(仮名)は、
5年ほど前に、スリランカで飲食店を開きました。
オーナーとしては、あくまで出資者として関与し、
「運転資金不足については、責任をもって調達する」
という念書を、現地の経営者、あるいは、
サポートするコンサルタントらに署名させました。
とはいえ、経営陣の能力の問題と、
コロナ騒ぎが起きてしまったため、
燕三郎氏は、やむなく、追加出資を決断しました。
ところが、その後、出資者である三郎氏と
経営陣の間に、とある問題が発生します。
それから、両社の信頼関係は崩れ、
三郎氏、また、息子の賢二社長は、
出資金の損害賠償を求めて、
訴訟を提起することにしたのです。
細かい経過は割愛しますが、
結果を先に言うと、
三郎氏、賢二氏のお金は、
取り戻すことはできませんでした。
その過程で、私が感じたことは、
①能力ある弁護士を使うこと
今回、横から経過を見ていましたが、
弁護士も、ピンからキリまでです。
話のピントがぶれるタイプだと
争点もあいまいになり、勝てるものも勝てません、。
②最初に交わした覚書は、
自分たちで作成せず、
想定される事態、リスクを考えて、
弁護士のアドバイスを求めること
①②とも、時間的な制約があると、
ついつい「まぁ、これぐらいで・・・」
と適当になるものです。
ですが、「大丈夫かな?」と一抹の不安を抱く案件ほど、
この2点に気を付けなければいけません。
(福岡雄吉郎)
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