「金利ある世界」に踊らされてはいけない②
7月末、日銀の決定会合で金利を0.25%引き上げる、
ということが決定発表されました。
「金利ある世界」になった、とマスコミもネットも、
危機感をあおるように報道しています。
しかし、まだまだ慌てることはないのです。
②デフレ環境は終わっている
東京の銀行間での取引金利であるタイボ
(Tokyo InterBanking Offered Rateの略称)は、
過去15年、0.1%前後での低迷を続けました。
経営者は、この超低金利に慣れてしまい、
0.3%程度に上昇しただけで、慌ててしまうのです。
しかし、これまでの15年間は、完全にデフレ環境でした。
賃金は上がらず、物価も上がらず、
あらゆる価格は上がるどころか低価格競争が横行しました。
それがコロナ禍以降、変わってきたのです。
インフレとまではいいませんが、デフレは終わったのです。
取り巻く環境が変わった以上、
金利が若干上がるのは当然です。
あらゆる価格が上昇しているのですから、
融資の利息が上がるのは、無理からぬところです。
価格転嫁が遅れている会社ほど、
物価や金利の上昇という、環境変化に対応するのが
厳しくなります。
回収の遅れも響いてきます。
回収が遅くなるほど、運転資金が必要になります。
運転資金が必要になると、
短期借入金が発生し、その金利が上昇している分、
負担が思うくなってきます。
デフレの際に、
回収を早くするということを実行できた会社や、
物価高騰でも値上をうまくできている会社は、
慌てていません。
やはり、変化の波が襲ってくる前に、
何事も先行的に取り組んでおく必要があるのです。
(古山喜章)
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