支払いの美学③
支払いに関する社長の美学が
垣間見えるのは、他にもあります。
それが、株式の買い取りです。
つい最近も実際にこんなことがありました。
関西地方の鉄鋼商社で、
3代目の社長から相談を受けました。
その商社は、社長一族で60%くらいの
株式を保有しています。
ただし、元社長と元専務さんが、
株式を15%ずつくらい保有していました。
この方々は、今の社長とは血縁関係のない2人です。
元社長、元専務が役員をしていたのは、
もう10年以上前のこと。
いまは、隠居生活を送っているとのことでした。
この方々の持っている株式評価額は、
額面の5万円です。
ですから、理論上は、5万円で会社が買えば、
税務上は何も問題とはなりません。
ちなみにこの商社は、
売上30億円、経常利益2億円、
自己資本比率は80%を超える、
とても良い財務体質の会社です。
話を聞いていくと、
元社長、元専務のお子さんが、
それぞれ社内に在籍しているとのこと。
ただし、決して経営能力があるわけではなく、
また、現社長のいうことは素直に聞くタイプ、
とのことでした。
さぁ、この場面で、そもそも株式を買い取るべきか?
また、買い取るなら、すべて買い取るのか?
そして、買い取る場合、いくらで買い取るのか?
そういった少数株主への対応、
ということでご相談を受けたのでした。
(福岡雄吉郎)
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