支払いの美学①
先日、このような質問がありました。
その方は、後継者で、3代目です。
会社は、業績堅調、
売上30億円、経常利益2億円、
自己資本比率は60%以上あり、
手元現金も豊富にあります。
「実は、今度、弊社の副社長が退任します。
この副社長というのは、
先代、つまり、父の代の番頭です。
会社に勤めて、30年くらいになります。
今度の定時株主総会で、
任期満了で退任いただくことになっていますが、
気持ちよく退任してくれるかどうか、
ちょっとよく分からないのです。」
「そうなんですね、それはどういう意味でしょうか?」
「はい、実は、その専務とは、
過去に色々とありまして・・・・
一緒の空気を吸いたくないくらい嫌いなのです。」
「そうなんですか?!色々とご苦労があったんですね~」
「はい」
「ちなみに、退職金はいくらお支払いになる予定でしょうか?」
「5000万円です」
「それは、どういう計算でしょうか?規程に基づく計算ですか?」
「はい、弊社の退職金規程に基づく計算です。」
「そうですか・・・・
私なら、その副社長に、7000万円支払いますね。」
このように伝えたところ、
その社長は、間髪入れずに、
「わかりました、そうします。質問してよかったです。」
ときどき、このような場面がありますが、
即断即決できる方は、そうそういません。
でも、この社長には、こちらの意図が伝わったのです。
(福岡雄吉郎)
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