労務コストを削減せよ➂
最大の固定費である労務コストが高騰しています。
従業員の賃上げ、法定福利費のアップ、最低賃金アップなど、
コストアップは今後も留まるところがありません。
採用費も上り、定着にもお金がかかります。
現状のまま全てのコストを賄うことなど、
中小企業ではできないのです。
➂正社員を派遣社員に変える
管理部門の正社員の8割を、
派遣社員に切り替えた会社がありました。
切り替えに1年半かかりました。
・退職した正社員の穴埋めを派遣社員にする
・正社員が退職した他部署に異動してもらい、派遣社員にする。
・本人の希望を受けて、契約を派遣に借り換える。
いくつかのパターンで対応しながら、
時間をかけて切り替えたのです。
少しでも労務コストを減らしたい、ということと、
マサカの坂がきた時に、
労務コストを変動費化できるようにしておきたい、
とのことから、正社員を派遣社員に切り替えていったのです。
その切り替えが完了した1年後に、
その地域に大震災がやってきました。
派遣の方々には一時出勤を停止していただき、
その分の賃金は発生しませんでした。
派遣社員の人たちは、派遣元から別の職場へと派遣されたのです。
そして業務が平穏に戻る段階で、
またじわじわと以前の派遣の方々に戻ってきてもらったのです。
その会社の社長は言いました。
「労務費を変動費化していたおかげで、
最小限の労務コストでマサカの坂を乗り切れました。
ありがとうございました。」
その会社はその後、事務作業のデジタル化も進め、
必要な派遣人材を減らしました。
このようなことも、正社員のような、
期限のない契約ではできないのです。
正社員にこだわらず、派遣社員を活用することで、
労務コストは固定費から変動費化させることができるのです。
全社員でなくても、特定部門の社員でも、効果があるのです。
コストが高くつく正社員をどうにかして減らせないか、
常に考えておいてほしいのです。
(古山喜章)
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