経営トップの健康トラブル対応➂
経営トップの高齢化が進んでいます。
高齢化により気になることのひとつが、健康上のリスクです。
健康管理をしているつもりでも、
急に業務執行ができない状態に陥る、ということもあるのです。
困るのは、経営トップ以外の経営陣や親族です。
何かあった時のために、というのであれば、
高齢経営トップのリスク対応こそ、進めておいてほしいのです。
➂生命保険はどうなっているのか
現役社長の命がもう長くない。
ある日突然、そうなることがあります。
急に倒れてしまった、事故にあった。末期ガンが発覚した、等など。
その時に確認してほしいのが、
法人契約している、社長の死亡保険金がいくらなのか、です。
社内で即答できる人は、ほぼいません。
会社で使っている保険代理店などの業者を通じて確認してもらうのです。
調べてみたら、
8億円もの保険金が一気に会社に入ってくることがわかった、
という会社が過去にありました。
保険金が8億円入ると、特別利益となり課税対象です。
8億円入ってきても、40%の3.2億円は税金で消えます。
この時に知ったのが、
保険金を『年金受け取り払い』にすればいい、というものです。
1度に全額の保険金が入るのではなく、
複数年度に分けて会社に入る形に切り替えるのです。
5年、10年、15年、20年など、選択肢は広いです。
保険会社から申請用紙を入手し、押印して申し込むのです。
亡くなる前日までに、保険会社へ届けば受け付けてもらえます。
先ほどの8億円の保険金の時は、10年にわけて、
保険金を受け取ることにしました。
10年間、毎年8千万円の保険金が入るのです。
一気に8億円入るよりも、その方が税金対策はやりやすいです。
「じゃあ、最初から年金受け取り払いにすればいいのでは?」
と思うのですが、契約時にはない特約なのです。
保険契約後にのみ切り替えることができる、特約なのです。
そのため、法人保険に詳しくない保険屋だと、
『年金受け取り払い』のことを知らない場合があります。
「そんなのは聞いたことがない。」等と平気で言われます。
死亡時の生命保険の金額を確認して、
そう大した金額でなければ、死亡退職金にあてればいいのです。
ただ、非常時でなくとも、
契約済み保険の死亡保険金の額を確認して、
大きい金額のものは早めに『年金受け取り払い』に切り替えて
おいてほしいのです。
(古山喜章)
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