銀行が強気になってきても屈しない⑤
「銀行が借り換え時に金利を上げてきました!」
という声をよく聞くようになってきました。
『主要銀行の業績が向上してきた。』
『金融関連の株価が上がってきた。』
という記事も見かけます。
銀行を取り巻く環境がやや変わってきたのです。
⑤銀行交渉はやはり、財務体質ありきです。
銀行交渉に必要なのは、これまでのおつきあいや、
借入額の多さなどでは、決してありません。
財務体質であり、決算書の内容ありき、なのです。
事実、自己資本比率が30%を軽く越えている、
という盤石な財務体質の中小企業への融資条件は、
日銀が公表している平均金利値よりも、ずっと低いのです。
9月の新規融資における平均金利値は、
メガバンク0.86%、地方銀行0.935%、です。
しかし、同時期に新規融資を受けた顧問先では、
タイボ+スプレッド(0.15%)で0.5%程度という条件が、
メガバンクでも、地方銀行でもあったのです。
タイボ(TIBOR)は東京の銀行間における、
お金を融通しあう金利で、毎日公表されています。
現状、よく使われる1ケ月タイボの数値が、0.36%です。
0.36%+0.15%=0.51% となります。
同時期の平均値0.9%程度から比べると、かなり低いです。
それは結局、財務体質が強く、
銀行における格付(スコアリング)の順位が高く、
複数銀行での交渉に及んでいるので、この結果になるのです。
何も努力をせずに、このような提案を受けているのではないのです。
銀行は今後、金利を下げてでも貸したい会社と、
高い金利でなければ貸さない会社を、
はっきりとわけてくる局面に入るかと思われます。
そうなればなるほど、決算書の内容が重視されます。
だからやはり、特に資金調達需要がある会社ほど、
財務体質の強い会社にしておいてほしいのです。
(古山喜章)
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