規模の拡大を追うな⑤
売上○○○○億を目指す!
店舗数○○○○店舗を目指す!
等など、経営規模の拡大を目指す掛け声を、
多くの場面で見かけます。
しかし、経営の形はさまざまです。
経営は、規模が大きいから良い、というものではありません。
倒れたら元も子もないのです。
⑤環境変化に適応しづらい
経営は長期戦です。
20年、30年を経過してゆくなかで、
取り巻く環境は大きく変わってゆきます。
環境が変われば、経営のやり方にも変化が必要になります。
売り方を変える。売り先を変える。売りモノを変える。
経営が変わることで環境変化に適応し、
事業を継続できるのです。
この、変化に適応する、ということが、
事業規模が大きくなるほど、難しくなります。
フットワークが重くなってゆくのです。
今から約30年前、
ドコモなどの携帯ショップができ始めました。
その後、
“これからは一人1台、携帯電話を持つ時代に突入する!”
と、携帯ショップがどんどんできました。
運営会社も最初の10年~20年、
携帯電話が子供から高齢者まで普及する過程で、大いに儲かりました。
しかし、今となっては人口減少もあり、
普及台数が増える環境にはありません。
あれだけたくさんあった携帯ショップも、減ってきました。
加えて、たまに携帯ショップへ行くと、
まったく関係のない商品などを進められることもあります。
「あなたたちも大変ですね。」と声をかけてしまいます。
路面の携帯ショップへ行かなくとも、
インターネットで完結する、という売り方も出てきました。
そうなってきたときに、
店舗数が多く従業員数も多い、
店舗の土地の多くを自前で持っている、
等となると、それだけで変化への適応が遅くなります。
加えて、携帯ショップ以外に事業の柱がないとなると、
なおのこと適応しづらいです。
稼ぐ柱が複数あり、ひとつの規模がそう大きくない会社は、
携帯ショップはもうやめて、まずは別の柱に注力しよう、
人材もそちらへ移行してもらおう、等と手を打っておられます。
今はスペシャリティでも、30年後にはコモディティ化する、
というものは、いくらでもあります。
今は売り物になるサービスが全く不要になる、ということもあります。
稼ぐメシの種は、将来の環境変化を見据え、
事業内容を変えることを前提に考えておいてほしいのです。
そうなればなるほど、
ひとつの事業での売上規模を、追いすぎないでほしいのです。
(古山喜章)
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