銀行が強気になってきても屈しない④
「銀行が借り換え時に金利を上げてきました!」
という声をよく聞くようになってきました。
『主要銀行の業績が向上してきた。』
『金融関連の株価が上がってきた。』
という記事も見かけます。
銀行を取り巻く環境がやや変わってきたのです。
④交渉は絶対に複数の銀行でしなさい
銀行交渉も、仕入れ交渉と同じです。
1社との取引では、交渉しても条件が良くなることはありません。
なのに、銀行融資を1行に絞っている会社がたまにあります。
「どうしてこの銀行からしか借りていないんですか?」
とお聞きすると、返ってくる答えは概ね同じです。
「かつてこの銀行に大変お世話になったので…。」
という返答です。
「そうですか。それはいったいいつ頃のお話しでしょうか?」
「そうですね。バブルの頃ですかね。」
「ところで、その当時の銀行員は、今もおられるのでしょうか?」
「いや、皆さんすでに退職されました。」
このような会話が、本当にあるのです。
経営者はその地域に根差して留まりますが、
銀行員は異動もあれば、退職もあります。
ましてやバブル期のことなど、今の銀行員は、知る由もありません。
だから、そのような過去にとあらわれることなく、
複数の銀行と交渉をすることです。
その駆け引きがあるから、条件が徐々に良くなるのです。
特にこれからの時代、銀行はますます、
財務体質の強い会社に多くのお金を貸したい、と考えます。
安全な会社に多く貸し、やや危険な会社には金利を上げて貸す。
この流れが鮮明になってきます。
中小企業であれば、
メガ1行、地銀1行、政府系1行、あるいは、
地銀2行、政府系1行 の3行での交渉をしてほしいです。
そのなかから、脱落してゆく、抜けてゆく銀行が出てきます。
そうなると、2行での交渉に絞ってゆけばよいです。
最初から2行だと、どちらかが手を引いた時に、
困ってしまうケースがあるからです。
「うちはここ数年、今の2行で交渉しています。」
というケースがあります。
そのような場合でも、
新たな銀行が飛び込み営業などに来る場合があれば、
「ちょうそいいところに来た!」
と、声がけして交渉の土俵に上げればよいのです。
銀行がやや強気になってきている昨今だからこそ、
複数銀行との交渉を欠かさないでほしいのです。
(古山喜章)
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