規模の拡大を追うな②
売上○○○○億を目指す!
店舗数○○○○店舗を目指す!
等など、経営規模の拡大を目指す掛け声を、
多くの場面で見かけます。
しかし、経営の形はさまざまです。
経営は、規模が大きいから良い、というものではありません。
倒れたら元も子もないのです。
- 粗利益が下がりやすい
「売上を伸ばせ!」
「今年の売上目標○○億円を何としても達成せよ!」
と、売上規模を追い始めると、
幹部もスタッフも、とにかく売上を追うようになります。
目標を売上高にするのは、
社長にしても、幹部やスタッフにとっても、わかりやすいです。
しかし、この掛け声がきつくなればなるほど、
売上高は伸びるものの、儲けは減ってゆきます。
結局、売上ノルマを達成するために、
ライバルよりも安値で売ってしまう、
ということがじわじわ増えてくるのです。
最初は抵抗があるものの、
同じようなことを数軒経験してゆくうちに、
「まあいいだろう。」
「売上目標を達成するにはこうするしかない。」
などと、各担当者の中でも正当化されてゆくのです。
気が付けば、
売上高は伸びたものの、粗利益率は落ちて、
営業利益はそう大して増えていない、となるのです。
粗利益こそが、固定費をまかなう減資です。
売上高を伸ばすことにいくら掛け声をかけても、
粗利益が落ちていては、意味がないのです。
顧問先で、粗利益を目標としている会社があります。
決して規模拡大を追わず、とはいえ、
高騰する各種経費をまかなうための粗利益を明確にし、
新たな投資に必要なお金を確保するための粗利益を伝え、
全社で粗利益の目標を共有化されているのです。
なので、その会社では、安売りは起こりません。
「売上を追うだけでは粗利益は確保できない!」
「粗利益が確保できなければ、給与を上げることもできない!」
「経営指標のなかで、粗利益とはこういうものだ。」
といったことを、社長自らが講師となり、
社員への勉強会を定期的に行っておられるのです。
完全なる、粗利益主義の経営なのです。
規模を追うわけではなく、必要な粗利益を追う。
そうすれば、おのずと売上高も伸びてゆきます。
売上高は、
伸ばすものではなく、結果として伸びるものなのです。
(古山喜章)
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