銀行が強気になってきても屈しない➂
「銀行が借り換え時に金利を上げてきました!」
という声をよく聞くようになってきました。
『主要銀行の業績が向上してきた。』
『金融関連の株価が上がってきた。』
という記事も見かけます。
銀行を取り巻く環境がやや変わってきたのです。
➂格付(スコアリング)を意識しなさい
銀行は融資先の会社を格付(スコアリング)します。
正常先、要注意先、破綻嫌煙先、実質破綻先、破綻先、
と大きく5段階に分けられます。
正常先と要注意先はさらに細かく分けられ、
全体で概ね10段階に格付(スコアリング)されます。
決算書の数字をもとに、銀行の審査部でデータ入力が行われ、
経営指標に配点を付けて点数化し、格付(スコアリング)します。
あくまでも決算書です。
支店長とのつきあいや、おつきあいでの借入金など、
何の関係もありません。
ましてや、
お金を借りている会社の方が借りやすい、
等というコンサルタントの声はウソです。
完全なるミスリードです。
使う決算書は、損益計算書と貸借対照表です。
その数値を使ってデータ化され、格付(スコアリング)されます。
だから、
決算書を確定させる際には、このことを意識してほしいのです。
なかでも、銀行が最も重視するのは、次の2点です。
・自己資本比率:純資産÷総資産
・債務償還年数:銀行借入金÷(営業利益+減価償却費)
自己資本比率は、財務体質の安定度を図る指標です。
この数字が30%以上あれば、不況の嵐が吹いても、
そう簡単には倒れません。
銀行は、倒れにくい会社に貸したいのです。
債務償還年数は、貸したお金を何年で返す力があるのかを
見る経営指標です。
10年を越えると黄色信号です。
この計算の分母で使う利益は、営業利益です。
純利益や経常利益ではないのです。
営業利益は本業の利益、と言われます。
本業でどれだけの利益を出しているのか、を重視しているのです。
銀行は、毎年の決算書を元に、
自己資本比率が下がり傾向にないか、
債務償還年数が長くなっていないか、をチェックしているのです。
だから、決算書を確定する際には、
できる限り営業利益が大きくなる工夫をしてほしいのです。
そして、自己資本比率は30%以上を確保してほしいのです。
(古山喜章)
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