経営環境が大きく変わり始めた一年でした①
2024年度も、間もなく終わります。早いです。
しかしこの一年は、
これまでにはなかった大きな経営環境の変化が、
いくつもありました。
それを振り返りつつ、
今後の経営に生かしていただければ幸いです。
①マイナス金利の解除
2016年2月に導入された、
日本銀行によるマイナス金利が2024年3月、
約8年ぶりに解除されました。
この8年間、市中銀行が日銀にお金を預ける場合には、
日銀に金利を払う必要があったのです。
これが、マイナス金利です。
マイナス金利になる前は、日銀に預ければわずかながら、
銀行は日銀から金利をもらっていたのです。
それが、逆になったのです。
「金利を払って日銀に預けるくらいなら、どこかに貸して
わずかでも金利をもらうほうがよい!」
と市中銀行は考えるだろう、との政府の思惑で、
マイナス金利が導入されたのです。
しかし、
さほどの効果は無く、今もなお、カネ余りは続いています。
それも当然です。
マイナス金利導入時でもお金が余っていたのに、
コロナ禍でさらに莫大なお金が発行され、バラまかれたのです。
そして2024年7月には、日銀は政策金利を0.25%上げました。
アメリカでの4~5%の金利に比べたら微々たるものです。
とはいえ、マイナス金利解除から半年以上経過し、
市中銀行の融資金利もじわじわと上がってきました。
日銀が毎月公表している新規融資の返金金利は、
0.8%から0.9%くらいにまでなってきました。
東京の銀行間取引金利であるタイボ(TIBOR)も、
この最近は0.4%を越え続けています。
スプレッド(上乗せ金利)次第では、平均の0.8%か、
平均以上になってしまう、という状況になってきたのです。
それでも、
財務体質が盤石で銀行格付け(スコアリング)が高い
会社は、スプレッド(上乗せ金利)が0.1から0.2程度なので、
タイボ+スプレッドのほうが良い、といったところです。
となると、今後はますます、
銀行格付け(スコアリング)が重要になってくる、ということです。
そのためには、決算書の内容を磨くことです。
経営環境が大きく変わっても、少しでも有利な条件で
銀行からの資金調達ができるよう、
銀行交渉に強い決算書にしてほしいのです。
(古山喜章)
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