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2024年12月23日 (月)

経営環境が大きく変わり始めた一年でした①

2024年度も、間もなく終わります。早いです。

しかしこの一年は、

これまでにはなかった大きな経営環境の変化が、

いくつもありました。

それを振り返りつつ、

今後の経営に生かしていただければ幸いです。

 

①マイナス金利の解除

 

2016年2月に導入された、

日本銀行によるマイナス金利が2024年3月、

約8年ぶりに解除されました。

この8年間、市中銀行が日銀にお金を預ける場合には、

日銀に金利を払う必要があったのです。

これが、マイナス金利です。

マイナス金利になる前は、日銀に預ければわずかながら、

銀行は日銀から金利をもらっていたのです。

それが、逆になったのです。

 

「金利を払って日銀に預けるくらいなら、どこかに貸して

わずかでも金利をもらうほうがよい!」

と市中銀行は考えるだろう、との政府の思惑で、

マイナス金利が導入されたのです。

しかし、

さほどの効果は無く、今もなお、カネ余りは続いています。

それも当然です。

マイナス金利導入時でもお金が余っていたのに、

コロナ禍でさらに莫大なお金が発行され、バラまかれたのです。

 

そして2024年7月には、日銀は政策金利を0.25%上げました。

アメリカでの4~5%の金利に比べたら微々たるものです。

とはいえ、マイナス金利解除から半年以上経過し、

市中銀行の融資金利もじわじわと上がってきました。

日銀が毎月公表している新規融資の返金金利は、

0.8%から0.9%くらいにまでなってきました。

東京の銀行間取引金利であるタイボ(TIBOR)も、

この最近は0.4%を越え続けています。

スプレッド(上乗せ金利)次第では、平均の0.8%か、

平均以上になってしまう、という状況になってきたのです。

 

それでも、

財務体質が盤石で銀行格付け(スコアリング)が高い

会社は、スプレッド(上乗せ金利)が0.1から0.2程度なので、

タイボ+スプレッドのほうが良い、といったところです。

となると、今後はますます、

銀行格付け(スコアリング)が重要になってくる、ということです。

そのためには、決算書の内容を磨くことです。

経営環境が大きく変わっても、少しでも有利な条件で

銀行からの資金調達ができるよう、

銀行交渉に強い決算書にしてほしいのです。

 

(古山喜章)

 

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