子会社を活用しなさい①
「子会社はありますか?」
とお聞きした際、
「いえ、ありません。」
と返事をいただくことがあります。
本業の1社のみで経営をされているのです。
しかし、様々な経営課題を解決してゆくうえで、
子会社があると何かと便利、という側面があるのです。
①各種制度を複数の会社で活用できる
コロナ禍に入った2020年の当初、
各社とも、手元資金の確保に奔走しました。
「うちの資金はいつまで持つのか…」
という不安を、どの会社も抱えていたのです。
そのときに、
「うちは子会社含めて3社で倒産防止共済に入っていたので、
解約して2400万円を確保しました。」
という会社がありました。
お金が必要なのは本業の会社だけなので、大いに助かったのです。
倒産防止共済は中小企業が受けれる国の制度です。
最高800万円まで、積み立てることができます。
掛金は年額最高240万円で、全額損金計上できます。
このように、子会社があることで、
中小企業に与えられた各種制度や特典を、
複数の会社で有効に活用することができるのです。
交際接待費もそうです。
1社であれば、損金計上の限度額は800万円です。
これも中小企業だけが受けれる特例です。
しかし、2社あれば、2倍の1600万円となります。
「この交際費はA社、もうひとつはB社」と、
交際接待費をA社とB社の2社で使い分ければ、
損金計上枠を2倍に有効活用できるのです。
社員の目につきたくない交際費は、子会社を使えばよいのです。
さらに、
子会社があるからこそ有効に活用できるのが、
小規模企業共済の制度です。
人数の少ない小さな会社のみが受けれる制度です。
20人以下がひとつの目安となり、業種によって基準が異なります。
その会社に関わる役員であれば、個人で小規模企業共済に加入できます。
掛け金は、月額最大7万円、年間84万円です。
その掛金は全額、個人の所得から控除できるのです。
これも、
「子会社があるからできました!」
というケースが多いのです。
本業のみだと、受けれる制度が限られるところ、
子会社があることで、使える制度の幅が広がるのです。
小さな会社ほど、優遇されているのです。
その優遇制度を、有効に活用してゆきたいのです。
優遇制度の活用以外にも、
子会社を賢く使える側面はいくもあるのです。
(古山喜章)
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