2025年のうちに進めておきたいこと②
昨年は、マイナス金利解除、日経株価更新、
賃金・物価上昇、手形回収期間短縮など、
この30年間動かなかったものが動き始めた年でした。
この流れが新たな経営環境となり、
各企業はその変化に対応してゆかねばならないのです。
②回収期間を縮めなさい
昨年11月、手形の期限が最高60日間となりました。
それまでは120日だったので、半分にはなりました。
これはこれで、画期的な出来事です。それでも、60日です。
月末締めの翌月末に手形を受け取り、
そこから60日期限となれば、結局、締め日から90日です。
月初納品の売上なら、ほぼ120日後に代金を受け取る形です。
まだまだ長いのです。
手形を受け取り回収が長くなると、
そこには必ず、短期借入金がついてきます。
金利が発生します。
総資産が膨らみ、
自己資本比率や総資産経常利益率など、
重要な経営指標が悪化します。
もちろん、銀行格付け(スコアリング)にも、
悪い評価の方向へと向かいます。
手形で受け取るのではなく、売掛金で、
月末の締日後30日でいただけるようにはしたいのです。
上場会社はコンプライアンの観点から、
120日ではなくなってきました。
しかしそれでも、手形のまま期間が60日になっただけ、
というケースも見受けられます。
まずは、自社の回収状況の一覧表を作成し、
どこが長いのか、手形のままなのか、現状を把握するのです。
その後、金額が大きく、条件がよくない会社から順に、
社長自らが動いて回収条件の変更に動いてほしいのです。
社長が出向けば、先方も社長か取締役クラスが対応してくれます。
「わが社の方針としては、昨今の経営環境の変化に合わせて
手形から売掛金へと、代金受取方法の変更をお願いしております。」
と伝えてほしいのです。
すると、こんな会社がありました。
「えっ、まだうちは手形でお支払いしていましたか!
すみません、すぐに売掛金で翌月末支払いに変えさせてもらいます。」
となり、すぐに手形から売掛金に変ったのです。
取引先の社長や取締役は、支払方法のことまで知らない、
という場合も、往々にしてあるのです。
金利が上がり、賃金や物価が上昇するなか、
回収が遅ければ遅いほど、資金繰りには大きな打撃です。
まずは回収が遅い先を明確にして、
どの取引先から改善を進めてゆくのか、
明確にして取り組んでほしいのです。
(古山喜章)
« 2025年のうちに進めておきたいこと① | トップページ | 2025年のうちに進めておきたいこと➂ »
「経営」カテゴリの記事
- デフレンマインドから脱却しなさい④(2025.02.14)
- デフレンマインドから脱却しなさい➂(2025.02.13)
- デフレンマインドから脱却しなさい②(2025.02.12)
- デフレンマインドから脱却しなさい①(2025.02.10)
- 5年、10年経てば変わる⑤(2025.01.24)
コメント