2025年のうちに進めておきたいこと①
昨年は、マイナス金利解除、日経株価更新、
賃金・物価上昇、手形回収期間短縮など、
この30年間動かなかったものが動き始めた年でした。
この流れが新たな経営環境となり、
各企業はその変化に対応してゆかねばならないのです。
①過剰な現預金は返しておく
金利がじわじわと上昇しています。
日銀が公表している新規融資の平均金利が、
0.8%~0.9%になってきました。
4.0%~5.0%で推移しているアメリカに比べれば、
どうってことのない金利ですが、上昇傾向にはあります。
「タイボの金利が上がってきましたが、
タイボ+スプレッドの変動でよいのでしょうか?
固定に切り替えたほうがよいでしょうか?」
という質問が増えてきました。
タイボ(TIBOR)は、東京の銀行間での取引金利です。
スプレッドは加算する、上乗せ金利です。
ICOでは、
“タイボ+スプレッドで借りなさい。”と言い続けております。
これは、タイボという変動相場に合わせるので、変動金利です。
大事なのは、変動がいいか固定がいいか、よりも、
常に相場よりも低い金利となっているか、です。
今であれば、平均金利が0.8%~0.9%です。
タイボ(TIBOR)金利が上昇しても、
スプレッド(上乗せ)金利が小さければ、
相場よりも低い金利になります。
事実、スプレッドが0.3%以内の会社は、
金利相場が上昇している今も、平均よりも低金利です。
その決め手となるのはやはり、決算書の財務体質です。
銀行は決算書をもとに会社を格付け(スコアリング)します。
評価で重要なのは、返済能力と安全性です。
安全性とは、自己資本比率です。
だから、
「借入金があるなら、過剰な現預金は返しておきなさい!」
と申し上げるのです。
現預金が過剰にあればその分、総資産が膨らみ、
自己資本比率が下がります。
それに、銀行金利が上がってきているのです。
「何かあったときのために、持っていると安心です。」
とおっしゃる方が多いですが、
この局面では金利のお金がもったいなすぎます。
社員にコスト削減を言う前に、減らせる支払金利は減らすべきです。
決算書の貸借対照表は、年度末一日の財務状況を示す資料です。
せめて年度末の一日だけでも、
現預金をギリギリに減らす努力をしてほしいのです。
金利が上昇するこれからの経営環境においては、
格付け(スコアリング)による金利の差が、
これまで以上に大きくなることは間違いありません。
格付け(スコアリング)の良い悪いによる振れ幅が、大きくなるのです。
金利がさらに上昇する経営環境に備えて、
デフレ環境で慣れ切った、過剰な現預金を抱える財務体質に、
縁を切ってほしいのです。
(古山喜章)
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