銀行の様子が変わってきた④
遅まきながら、
日銀がじわじわと金利を上げてきました。
と同時に市中銀行の金利も上がり始めました。
そのせいか、
銀行の様子がこれまでとは違う、
と感じる機会が増えてきたのです。
④格付(スコアリング)をますます意識せよ
借入金利はまだまだ上がりそうです。
これまでは、財務状況がよくない会社でも、
比較的、低金利で借りることができていました。
しかし、もはやそのような状況ではなくなりました。
加えて、銀行交渉の知識がない会社も同様です。
“この社長はあまり銀行のことをご存じないな”
と見たら、銀行員は高い金利を提示してくるはずです。
「金利も上がってきていますので、
これでもなんとか抑えた数字で書かせていただいてます。」
などと言って、高金利で貸そうとしてきます。
「タイボ(TIBOR)+スプレッドでお願いします。」
「日銀が公表している平均金利よりも高いのはおかしい。」
「金融庁は個人保証をとるな、と指導しているはずです。」
などと返答してくる社長・財務担当なら、銀行員も身構えます。
“これはうかつに高い金利を提示できないな。”
となります。
銀行融資について無知では、いいようにされるだけです。
と同時に、やはり格付(スコアリング)を意識した
決算書にしておくことです。
銀行は決算書の数字をもとに経営指標の数値を出し、
その点数で概ね9段階に格付け(スコアリング)するのです。
なかでも、
営業利益をできるだけ大きく見せる工夫をすることです。
銀行が格付け(スコアリング)で重視するのは、
本業の利益である、営業利益だからです。
特別損失に回せる費用は、特別損失に振り替える。
売上高に回せる賃貸料は、売上高に振り替える。
など。
格付け(スコアリング)を高くし、
銀行に関する知識を蓄える。
このふたつの武器をもって条件交渉することです。
金利が上昇傾向にある今後、このふたつの武器の有無で、
金利は大きく変わってきます。
平均金利が上がるということは、
高い金利と低い金利の差が今以上に広がるのです。
どうせならムダな金利を少しでも減らせれるよう、
格付け(スコアリング)を意識した
決算書になるよう、ますます注力してほしいのです。
(古山喜章)

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