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2025年3月

2025年3月31日 (月)

在庫注意①

世の中、モノの値段があがっています。

 

数量は伸びずとも、

単価が増えますので、

売上高は、増収になります。

 

利益もその分、価格転嫁が進めば、

増益となります。

 

「増収増益」

 

顧問先でも、増収増益の会社がありますが、

実は、これは手放しでは喜べません。

 

実は、増収増益となっても、

キャッシュは、増えていないのです。

それどころが、キャッシュが苦しくなる、

そんな状況になるところも少なくありません。

 

それが、ブログのタイトルにもつけましたが、

在庫の存在です。

 

こういう環境では、

注意しないと、在庫がどんどんふくらみます。

そうすると、当たり前ですが、

資金が在庫に食われてしまいます。

 

在庫というのは、

実にやっかいなもので、

あっても誰も困りません。

 

いや、むしろ、あったほうが

現場としては、望ましいのです。

 

財務、経理部門を除いては。

 

在庫は罪子と言われますが、

この在庫について、

少し詳しく見ていきます。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月28日 (金)

役員賞与も損金計上できます⑤

「役員(取締役・監査役)への賞与は損金にできない。」

そう思い込んでおられる経営者が、まだおられます。

確かに、かつてはそうだったのです。

しかし、新会社法が誕生したころから、変わりました。

『事前確定届出給与』という制度を使えば、

役員への賞与は損金計上できるのです。

 

⑤社会保険料を下げることに活用する

 

社長の役員報酬を確認すると、

毎月の報酬は15万円か20万円程度にして、

賞与で1500万円とか2000万円の金額で

支給を受けている、というケースがあります。

 

「社会保険料を下げるためですか?」

とお尋ねすると、

「そうなんです。」と返答されます。

 

社会保険料は毎月の報酬を元に算定します。

なので、毎月15万円だと社会保険料は低く収まります。

一方、賞与に関しても社会保険料はかかります。

が、賞与の算定額は上限があるので、

その上限を超えた賞与に関しては、社会保険料は一定額です。

全額を毎月の給与で支給を受けるより、

毎月は少額で支給を受けて、賞与で大きく支給を受ける、

ということによって、トータルの社会保険料を低く抑えれるのです。

 

しかし、気を付けてほしいのは、

役員退職金の支給を受ける時期が見えてきている取締役です。

役員報酬の月額が15万円だと、それが計算の基準になります。

「賞与も含めて12で割ったら、もっと大きいです。」

という理屈は通りづらいです。

 

役員退職金の支給は概ね、月額報酬を元に算出する方式をとります。

役員退職金規程にも、そう記載しているケースがほとんどです。

特に高額退職金の支給を受ける時などは、

月額報酬をもとに計算することになります。

そのほうが、世間で通例使用されている計算式であり、

税務署の印象を悪くすることがないからです。

 

少なくとも、役員退職金を受ける前の3年間は、

月額報酬を大きく受ける形にしておいてほしいのです。

月額は少なく、賞与で大きく、という発想を捨ててほしいのです。

「そんなことしたら、社会保険料が上がるじゃないですか?」

とおっしゃる方がいます。

「社会保険料が少し安くなるのと、

 退職金で数億円もらうのと、どっちがいいですか?」

と尋ねると、

「わかりました。」となります。

 

社会保険料を抑えるために、

事前確定届出給与に賞与を大きく記載する方法はあります。

しかし、役員退職金が迫ってきているのなら、

その方法を見直してほしいのです。

 

最後にもうひとつ、

役員賞与は特別損失で計上してください。

出すか出さないか、わからないものなので、

特別損失で構わないのです。

そのほうが、営業利益が大きく見えて、

銀行格付け(スコアリング)には有利に働きますので。

 

(古山喜章)

2025年3月27日 (木)

役員賞与も損金計上できます④

「役員(取締役・監査役)への賞与は損金にできない。」

そう思い込んでおられる経営者が、まだおられます。

確かに、かつてはそうだったのです。

しかし、新会社法が誕生したころから、変わりました。

『事前確定届出給与』という制度を使えば、

役員への賞与は損金計上できるのです。

 

④支給する人と支給しない人がいてもよい

 

役員への賞与を損金計上するには、

『事前確定届出給与』に必要事項を記載して、

所轄の税務署に提出します。

〇月〇日に、誰にいくらの賞与を支給するのかを、

届出書に記載します。

記載した日付に支給をするのは、

記載金額の全額か、まったく支給しないか、のいずれかです。

 

ここでよく質問をいただくのが、

「取締役が3人いたら、役員賞与を支給する場合、

3人全員に支給しないとダメなんでしょうか?」

というものです。

要は、3人のうち2人は届出書に記載したとおりに

役員賞与を支払いたい。

でも、3人のうち1人には、支払いたくない、というケースです。

 

結論から言えば、

役員賞与を支給する取締役と、支給しない取締役がいても、

構いません。

必要なことは、

支給する取締役には全額を支給し、

支給しない取締役にはまったく支給しない、

ということです。

 

事前確定届出給与のフォーマットには、

誰に、いつ、いくらの賞与を出すか、を記載します。

1人につき1枚のフォーマットです。

3人の取締役がいれば、届出書の明細は3枚になります。

そのうちの2人には記載した通りの役員賞与を支給する、

あとの1人には記載したものの、役員賞与の支給は無し、

ということになるのです。

 

事前確定届出給与に賞与金額の記載をした場合、

業績に大きく貢献した取締役には役員賞与を支給し、

貢献度が低い取締役には支給無し、

という考え方で構わないのです。

 

(古山喜章)

2025年3月26日 (水)

役員賞与も損金計上できます➂

「役員(取締役・監査役)への賞与は損金にできない。」

そう思い込んでおられる経営者が、まだおられます。

確かに、かつてはそうだったのです。

しかし、新会社法が誕生したころから、変わりました。

『事前確定届出給与』という制度を使えば、

役員への賞与は損金計上できるのです。

 

➂全額支給するか、全く支給しないかのどちらか

 

役員への賞与を損金計上するには、

『事前確定届出給与』に必要事項を記載して、

所轄の税務署に提出します。

〇月〇日に、誰にいくらの賞与を支給するのかを、

届出書に記載します。

 

その時に経営者の皆さんが気にされるのは、

「年度末の月に支給すると届出書を提出していて、

 災害とかでもし、会社として払える状況でなかったら、

 どうなるんでしょうか?」

といったことです。

届出書を提出した以上、何があっても支給すべきなのか、

期中に不測の事態が発生したとして、

減額とかできるのか、ということが気になるのです。

 

結論から言えば、

届出書に記載したとおりの金額を支給するか、

まったく支給しないか、のどちらかです。

減額もできなければ、増額もできません。

仮に支給額を200万円と記載していれば、

金額どおりに200万円を支給するのか、

まったく支給しないのか、のどちらかなのです。

 

なので、ある程度の業績予測は必要になるのです。

高すぎる金額を記載してもハードルが高いし、

金額が低すぎると、

せっかく役員賞与を損金計上できるのに、

効果が薄れるのです。

役員というのは、取締役と監査役です。

それぞれに支給額を決めて、

支給時の資金繰りに無理のない役員賞与としてほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年3月25日 (火)

役員賞与も損金計上できます②

「役員(取締役・監査役)への賞与は損金にできない。」

そう思い込んでおられる経営者が、まだおられます。

確かに、かつてはそうだったのです。

しかし、新会社法が誕生したころから、変わりました。

『事前確定届出給与』という制度を使えば、

役員への賞与は損金計上できるのです。

 

②役員賞与の支給時期はいつでもよい

 

役員への賞与を損金計上するには、

『事前確定届出給与』に必要事項を記載して、

所轄の税務署に提出します。

いつ、誰に、いくらの賞与を支給するのか、

を事前確定届出給与に記載します。

 

“いつ”というのは、〇月〇日という日付記入欄が

あるので、そこに賞与を支給する日付を記入します。

この日付は、いつでも構いません。

年度末に近い日付でなくとも、

比較的直近の日付でも、届出することができます。

ただ、〇月〇日という日付を明確にすることが必要なだけです。

 

事前確定届出給与における役員賞与はもともと、

前年度の業績やその貢献に報いて賞与を支給する、

という上場企業のケースを想定して、設けられた制度です。

前年度への貢献に対するインセンティブとしての賞与であれば、

支給を受ける役員のモチベーションを高めるのが目的です。

その目的からすれば、早めに支給したほうがよいのです。

 

だから、年度末であろうと、早い時期であろうと、

いつでも支給できるルールになっているのです。

ただし、

記載した日付どおりの日に支給することもルールです。

銀行振込で賞与の支給をするのであれば、

記載する日付が土日祝日など、

銀行振込ができない日付を避けて記載する必要があります。

 

定時株主総会で決議をして、

1ケ月以内に役員賞与を支給したいのであれば、

事前確定届出給与を、

定時株主総会後、速やかに提出すればよいのです。

 

定時株主総会で決議をして、

数か月後や年度末あたりに役員賞与を支給するのであれば、

総会決議後、1ケ月以内に提出すればよいのです。

 

そうすれば、

役員賞与は損金計上できるのです。

各社の都合に合わせて、制度を運用してほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年3月24日 (月)

役員賞与も損金計上できます①

「役員(取締役・監査役)への賞与は損金にできない。」

そう思い込んでおられる経営者が、まだおられます。

確かに、かつてはそうだったのです。

しかし、新会社法が誕生したころから、変わりました。

『事前確定届出給与』という制度を使えば、

役員への賞与は損金計上できるのです。

 

①事前確定届出給与の提出期限は4ケ月経過まで

 

役員への賞与を損金計上するには、

『事前確定届出給与』というフォーマットに

必要事項を記載して所轄の税務署に提出します。

ICOでも、顧問税理士を通じて毎年、提出しています。

記載する主な内容は、

役員の誰に、いつ、いくらの賞与を出すかです。

 

その提出期限は、

“定時株主総会の開催日から1ケ月以内”

となっています。

定時株主総会の実施は、会社の定款で各社が定めています。

多くの会社は、年度末から3ケ月以内、となっています。

3月末決算の会社であれば、6月末までに、

定時株主総会を実施することになります。

その1ケ月後までに、

『事前確定届出給与』の資料を所轄の税務署に

提出するのです。

 

定款を拝見するとたまに、

定時株主総会の開催が、年度末から2ケ月以内、

となっている会社があります。

その場合、

『事前確定届出給与』の提出期限は、

その1ケ月後までなので、

年度末から3ケ月以内、となります。

 

『事前確定届出給与』に記載する内容は、

定時株主総会で決議された内容です。

そのため、定時株主総会の議事録に、

新年度の役員賞与を決議した内容を記載します。

誰に、いつ、いくらを出すかです。

その決議内容を元に、

『事前確定届出給与』の資料は作成され、提出できるのです。

 

定時株主総会の開催期限が年度末から3ケ月以内の会社であれば、

決算後4ケ月以内の提出で、役員への賞与は損金に計上できるのです。

役員というのは、取締役と監査役です。

新年度が始まって3ケ月も経過すれば、

その年度の業績予測もある程度は可能なはずです。

 

この『事前確定届出給与』の制度には、

あまり知られていないことが他にもあります。

そのことについても、引き続き、

書かせていただきます。

 

(古山喜章)

 

2025年3月21日 (金)

オペレーティングリース取引④

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

決算対策について、色々とご紹介してきましたが、

なかでもオペレーティングリースについて、

少し補足して説明します。

 

オペリーティングリースが対象とするのは、

飛行機、船、コンテナ、タンカー、トラックなどですが、

この商品のリスクはあるのでしょうか?

 

考えられるリスクは、大きく2つです。

 

①借主の経営破綻

 

コロナ時のLCCがそうですが、

飛行機なら、機体を借りている航空会社(エアライン)が

経営破綻すると、ファンドには、リース料が入ってきません。

 

ファンドに入る収入がなくなるわけですから、

出資者である私たちへの分配金もなくなります。

下手すれば、元本丸ごと、回収不能、

これも実際にありえます。

 

事実、コロナのときには、LCCが経営破綻して、

オペリーティングリースの出資額が焦げ付いた、

という事例を聞きました。

 

ただし、船やタンカー、コンテナは、

こうしたリスクは極めて低く、

投資対象としては、安全度が高いです。

 

 

②為替リスク

 

現実的にこのリスクが一番、

身近なものといえます。

 

オペリーティングリースへの出資は、

比較的中期(8年程度)のものが多く、

かつ、為替リスクを伴うものが多いです。

 

簡単にいえば、満期時(例えば、8年後)に、

為替が円高にふれれば、戻ってくる元本が目減りします。

商品にもよりますが、

例えば、出資時点1ドル150円

→満期時1ドル130円になると、

戻ってくる元本(円)が目減りします。

20%程度減ります。

 

逆に1ドル150円から円安になれば、

戻ってくる元本は、110%とか、120%になります。

 

ただし、いずれも円に転換しなければ、

実質的に為替リスクはありません。

 

また、戻ってくるときは、

それがまるまる利益になりますので、

その対策(役員退職金等)は必要となります。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月19日 (水)

オペレーティングリース取引③

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

決算対策について、色々とご紹介してきましたが、

なかでもオペレーティングリースについて、

少し補足して説明します。

 

改めてオペリーティングリースへ出資する場合を考えてみると、

今年、税引前利益で5000万円が出そうだという場合に、

5000万円をオペリーティングリースへ出資したとします。

 

そうすると、ものにもよりますが、

初年度は、例えば8割、つまり、4000万円が損金になります。

そして、2年目は、残り1000万円が損金になる、

という仕組みです。

 

当然ながら、お金は、初年度に5000万円投じていますので、

5000万円減ることになります。

 

そして、満期(8年後とします)までは、

一切、お金の増えた減ったはありません。

 

8年後、ファンドから、

元本±αが戻ってくる、ということです。

 

ここで着目すべきポイントは

お金が戻ってくるまでの期間と金額です。

 

期間は、短いものだと、

5年程度のものがあるようですが、

初年度の損金割合が小さい場合が多いです。

 

8年、9年、比較的中期にわたって、

資金が眠ってしまうのが、デメリットではあります。

中途解約はできません。

 

金額は、「元本±α」が戻ってきます。

元本を100%とすると、

110%にも、90%、80%にもなる、

ということです。

 

このあたりは、明日ご説明します。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月18日 (火)

オペレーティングリース取引②

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

決算対策について、色々とご紹介してきましたが、

なかでもオペレーティングリースについて、

少し補足して説明します。

 

オペリーティングリースの

スキームをつくるのは、

オリックスのような大企業もあれば、

CMでおなじみのリアライズ、

あるいは、中堅どころでFPG(エフピージー)という会社まで、

色々とあります。

 

いずれにせよ、こうした会社が、

特別目的会社(SPCといいます)という会社を

わざわざつくって、

このSPCが、飛行機、船、コンテナ、トラックなどを

取得するのです。

 

そして、この会社(SPC)は、

エアラインや船会社にこれをリースします。

なので、毎期リース料が入ってきます。

 

一方で、機体や船そのものは、

定率法で初年度から、

ドンっと大きく計上できますので、

当初は、大きな赤字になります。

 

これは、リースしている会社(SPC)の決算になるわけですが、

投資者(=私たち)は、この決算の状況を、

投資金額に取り込むような形になります。

 

この仕組みは割愛しますが、

特別にそのような制度になっているのです。

 

 

投資した初年度は、

大赤字が発生することとなるため、

出資する側も、赤字となり、

結果、損金として計上できる、というわけです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月17日 (月)

オペレーティングリース取引

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

決算対策について、色々とご紹介してきましたが、

なかでもオペレーティングリースについて、

少し補足して説明します。

 

ここで、ご説明するのは、節税策としての、

オペリーティングリースです。

 

これは、飛行機、船舶、コンテナ、トラックを

「ファンド」への出資という形で購入することです。

 

このファンドというのは、

飛行機、船舶、コンテナ、トラックを購入して、

リースするために特別につくられる会社のことをいいます。

 

私たち、中小企業で、

節税策を検討している会社は、

このファンドへ出資する形をとって

節税を図ることができるのです。

 

このファンドは、出資者からたくさんのお金を集めて、

現物を購入します。

そして、これ(現物)を、

船会社、海運会社などに、リースするのです

 

ファンドをつくる会社は、

オリックスをはじめ様々な会社がありますが、

誰もかれもファンドをつくれるわけではありません。

 

ファンドにもよりますが、

最低出資額が3000万円から、

それ以上は、1口1000万円単位で、

上積みできます。

 

5000万円でも1億円でも出資可能です。

 

そして、出資した金額が、

初年度に結構な割合で損金に算入できるのです。

 

モノにもよりますが、

100%損金にできる商品もあります。

 

次回は、もう少し詳しく、

この仕組みをご説明します。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月14日 (金)

社員持株会を活用するなら内容を見直しなさい⑤

株主名簿を拝見すると、

株主名に「社員持株会」を見かけることがあります。

しかし、その規約を見ると、どこの会社も概ね同じ内容なのです。

おそらく一時期の流行で、同じ規約が流通したと思われます。

「社員持株会」は、うまく使えば事業承継対策にもなります。

ただしその為には、いくつかの備えが必要なのです。

 

⑤解散が必要なときへの規則が準備されていますか

 

持株会の規約を各社拝見させていただいて、気になるのは、

解散についてのことが何も書かれていない、

ということです。

 

例えば、

後継者不在で会社をM&Aでどこかへ売却したい、

あるいは吸収や合併を進めたい、

等ということも、今の時代では大いにあり得ることです。

または、

持株会といえども、今となってはほとんど会員はおらず、

2~3人のために会を運営している、

等というケースもみかけます。

 

このような時に、必要であれば、

会社の意向で持株会を解散することができるよう、

持株会の規約に条文を設けておいてほしいのです。

 

例えば以下のような条文です。

「(持株会の解散)

会社から特別な事情により、

会社の取締役会決議にて本会の解散請求を受けた場合は、

本会はその請求を速やかに容認するものとする。

その場合、本会は臨時総会を開催し解散決議の議事録を残すものとする。」

 

さらに、

もしも持株会に残余財産がある場合は、

会社が指定する会社の口座に振り込むものとする、

としておくことも必要です。

 

持株会を作った時は、解散など考えずに規約を作っているものです。

しかし、どんな場合も、出口をしっかりと押さえておいてほしいのです。

持株会は、うまく活用すれば、

社員のモチベーションアップや事業承継に、

大いに役立てることができるものです。

それだけに、規約の整備・見直しなど、

何事もないうちに、進めておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年3月13日 (木)

社員持株会を活用するなら内容を見直しなさい④

株主名簿を拝見すると、

株主名に「社員持株会」を見かけることがあります。

しかし、その規約を見ると、どこの会社も概ね同じ内容なのです。

おそらく一時期の流行で、同じ規約が流通したと思われます。

「社員持株会」は、うまく使えば事業承継対策にもなります。

ただしその為には、いくつかの備えが必要なのです。

 

④オーナーから持株会には、株式を額面で譲渡できます

 

株価が高すぎて、オーナー保有の株式を、

後継者が全部買い取るには高すぎる、

という時に、株式の一部を持株会へ譲渡することがあります。

なぜなら持株会へは、株式を額面で譲渡できるからです。

 

「えっ、そうなんですか!」

と驚かれることがあります。もっとひどいのは、

「うちの税理士は、

“たとえ持株会であっても額面で譲渡してはいけない!”

と言ってました。」

と、とんでもない嘘を教えられていることがあったのです。

 

結局、その嘘をついた税理士は、事業承継を扱ったこともなく、

株式の移動に関する知識はほぼなかったのです。

知らなければ「わからない」と言えばよいものを、

そうは言いたくないから、

“額面ではなく、時価評価額で譲渡すれば問題はないはず”

との思いで、そう言っていただけだったのです。

 

もう一度言います。

持株会へは、株式を額面で譲渡できるのです。

持株会は同族ではありません。

同族以外の者が株式を買う場合は、配当還元方式で買えるのです。

配当が10%以下なら、額面での譲渡が可能、というわけです。

 

「株数が30%以上だと、額面ではダメですよね。」

と言われることがあります。

その通りですが、正しくは、「議決権の30%以上の株式」です。

なので、

オーナーが保有する株式が、議決権の30%以上であっても、

昨日申し上げた、無議決権の種類株式に転換すれば、

議決権はゼロです。

そのすべてを同族以外の者へ、額面で譲渡することが可能なのです。

 

つまり、持株会という存在は、

事業承継の株式対策において、有効活用できる手段のひとつ、

なのです。

株価が高すぎて後継者の経済的負荷が大きすぎる、

というのであれば、

大いに活用を検討してもよいアイテムなのです。

 

(古山喜章)

2025年3月12日 (水)

社員持株会を活用するなら内容を見直しなさい③

株主名簿を拝見すると、

株主名に「社員持株会」を見かけることがあります。

しかし、その規約を見ると、どこの会社も概ね同じ内容なのです。

おそらく一時期の流行で、同じ規約が流通したと思われます。

「社員持株会」は、うまく使えば事業承継対策にもなります。

ただしその為には、いくつかの備えが必要なのです。

 

③持株会の株式は種類株式にしたほうがよい

 

前回述べたとおり、

持株会メンバーが急死をされて裁判に発展した場合、

持株会の規約では法的効力がありません。

相続人に権利が移ってしまうことが、あり得るのです。

 

そうならないようにするには、

持株会で持つ株式を種類株式として、登記することです。

具体的には、

次の3つの要素を持つ種類株式として登記するのがベストです。

1)議決権無し

2)配当優先

3)取得条項付き

 

そもそも、議決権が欲しくて持株会に参加する、

という社員はいないと思われます。

であれば、議決権は無しでも問題ありません。

また、多くは配当を求めて、ということのはずです。

配当優先にしておけば、普通株式には配当を出さないけど、

持株会の配当優先株にだけは配当を出す、ということができます。

 

3)取得条項付きは、株式の分散を防止するものです。

いくつかの条件を設定し、その条件に触れることが生じたら、

会社がすぐにその株式を買い戻せるように、するものです。

例えば、

会社を退職したとき、死亡したとき、逮捕されたとき、等々です。

持株会の場合であれば、

「社員持株会を退会したとき」という条項を設けます。

 

このようにしておけば、持株会の社員が急死をした場合でも、

財産権を行使されることなく、法務局への登記事項に基づき、

その亡くなった社員の持ち分株式を、会社が買い戻すことができます。

種類株式として登記することで、

持株会が保有する株式に、法的効力を持たせることが可能となるのです。

 

ただし、既存の普通株式を種類株式に転換するには、

定款変更をするべく、株主総会の特別決議に加えて、

全株主の同意が必要になります。

そのため、

株主が多すぎたり、面倒な株主がいると、実現しにくくなります。

ちなみに持株会は、代表である会長が同意をすれば、それでOKです。

持株会メンバー全員の同意を得る必要はありません。

 

現状、

「社員持株会は全部、普通株式です」というのであれば、

大いに検討すべき事項なのです。

 

(古山喜章)

2025年3月11日 (火)

社員持株会を活用するなら内容を見直しなさい②

株主名簿を拝見すると、

株主名に「社員持株会」を見かけることがあります。

しかし、その規約を見ると、どこの会社も概ね同じ内容なのです。

おそらく一時期の流行で、同じ規約が流通したと思われます。

「社員持株会」は、うまく使えば事業承継対策にもなります。

ただしその為には、いくつかの備えが必要なのです。

 

②持株会規約に法的効力はありません

 

持株会制度や持株制度を運用する会社には必ず、

その規約が存在しています。

概ね、顧問の税理士や司法書士が用意したもので、

いわば、とおりいっぺんの規約です。

 

そこには、

会員の資格として、その会社の従業員であることや、

退職した場合や死亡した場合は会員の資格を失う、

といったことが記載されています。

そのように書かれているので、どの社長も、

「規約に書いてあるから、何かあっても大丈夫ですよ。」

という感覚でおられます。

 

しかし、大丈夫ではないのです。

例えばこんなことがありました。

持株会の社員が亡くなり、その奥様に、

「規約に従って、持株会から退会していただきます。」

と伝えたところ、

「私の主人が遺したものですから、私がそのまま受け継ぎます。」

となり、裁判に発展したものの、

相続人である奥さまの財産権は守られたのです。

持株会の規約とは外れるものの、その奥様は、

イレギュラーな会員として、その後、存続されたのです。

 

結局、持株会の規約といえども、

所詮は任意組合内の運営ルールです。

裁判等の法定争いに発展した場合、法的な効力は、ないのです。

 

ほとんどの場合は、

「持株会のルールに従って対応します。」

と会社側から伝えれば、「わかりました。」となります。

しかし、ごくまれに、

その通りにはいかないケースも、あり得るのです。

 

「じゃあ、持株会は無いほうがいいんですか?」

と言われれば、そんなことはないのです。

争いごとに発展しないような、備えをすればよいのです。

それは、種類株式の活用ですが、次回に書かせていただきます。

 

(古山喜章)

 

2025年3月10日 (月)

社員持株会を活用するなら内容を見直しなさい①

株主名簿を拝見すると、

株主名に「社員持株会」を見かけることがあります。

しかし、その規約を見ると、どこの会社も概ね同じ内容なのです。

おそらく一時期の流行で、同じ規約が流通したと思われます。

「社員持株会」は、うまく使えば事業承継対策にもなります。

ただしその為には、いくつかの備えが必要なのです。

 

  • 社員持株制度と社員持株会制度は、違います

 

「社員持株会制度」とは別に、「社員持株制度」もあります。

この違いを知る人が、意外と少ないです。

「うちの会社には社員持株会があります。」

と言われて、その規約をよく見ると、

「これは持株会ではなく、単なる持株制度ですね。」

となることがあるのです。

 

「社員持株制度」は、社員が個々に株主となる制度です。

議決権がある株式なら、その議決権は株主である社員が、

個々に行使することとなります。

メンバーが増えるほど、株主は増えることとなります。

一方、

「社員持株会制度」は、あくまでも、持株会が株主となります。

従業員である個人が持株会にお金を差し入れて、

そのお金で持株会が株式を買うことになります。

持株会の参加メンバーが増えても、株主は持株会のみ、なのです。

議決権がある株式なら、その議決権は、

持株会の理事長が代表で行使することになっています。

 

株主を分散させたくない、という観点からすれば、

「社員持株会制度」のほうが助かります。

なぜなら、

個々人が株主となる「社員持株制度」の場合、

その株式を買い戻したい、という事態が訪れると、

該当する持株制度メンバーとの買取交渉が必要になります。

そうなると、

会社のことをよく思っていない社員が株主に存在すると、

スムーズに運ばないことが、往々にしてあるのです。

 

「しかし、会社のことをよく思っていない社員が、

 株主になんかなりますか?」

という経営者がいます。

株主になったときはそうでもなかったが、

時間の経過とともに、その株主の思いが変わってくる、

ということは、大いにあるのです。

 

「持株会」であれば、個々の社員との交渉はありません。

あくまでも、「会」の代表である、理事長との交渉になります。

理事長は管理部門の者が担当していることが多いです。

なので、どちらかというと、

経営陣の意図を汲んだ意思決定となりやすく、事がスムーズに運びます。

また、そのような社員を理事長にしておくべきです。

 

「社員持株制度」と「社員持株会制度」は、

「会」という1文字が付くかつかないかで、大違いなのです。

まずは、その違いを理解し、

事業承継時への活用に、備えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年3月 7日 (金)

決算対策⑩

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

これから、改めて決算対策について、

色々とご紹介していきます。

 

34.分社化することで、節税枠を広げる

 

(補足)

例えば、以下のような優遇策が、会社の数だけ

使えることになる。

・中小企業の優遇税率(800万円まで)

・セーフティー共済(年240万円、計800万円まで)

・交際費(年800万円まで)

・少額減価償却資産の枠拡大(年300万円まで)

 

 

35.赤字会社を合併する(特に子会社合併)

 

(補足)

一定の条件を満たす適格合併の場合は、

繰越欠損金が引き継げる。

 

 

36.賃上げ税制

 

(補足)

給与総額の増加額の15%25%に相当する

金額が、法人税から差し引ける。

ただし、法人税額の20%が限度。

 

 

37.研究開発税制を使う

 

(補足)

試験研究費の12%17%に相当する金額が、

法人税から差し引ける。

ただし、法人税額の35%が限度。

 

 

38.決算期を変更する

 

(補足)

決算月は、自由に決めることができる。

・翌期に大型売上が見込まれる場合

・大赤字を計上し、前期に支払った法人税の還付を 狙う場合

 

 

39.売上計上する時期をずらす

 

(補足)

住宅など、大型の受注販売に向く。

(引渡の時期を決算期をまたがせるなど)

売上計上基準を変えることも一つの方法

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月 6日 (木)

決算対策⑨

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

これから、改めて決算対策について、

色々とご紹介していきます。

 

30.毎月同額支払っている費用を、

1年間前払いし、前払分を損金にする。

(土地や建物の賃借料、保険料、器具や機械の保守料)

 

(補足)

・契約書を変更する必要がある

・家賃交渉等では、不利になる可能性がある

(「お金に余裕がある」と思われる)

・税理士等の顧問料は、該当しない。

 

 

31.倒産防止共済に加入する。

 

(補足)

得意先の倒産による売掛金の貸倒に備えた

保険。契約先は、中小企業基盤整備機構。

金融機関が窓口となり、最大で月20万円。

1年間前払して、損金に計上できる。

5年経過すれば、100%戻ってくる。

 

 

32.グループ会社に含み損を抱えた固定資産を売却する

 

(補足)

100%の支配関係がある場合は、

グループ法人税制に該当するため、注意する

(本書参照)。対象は、不動産、美術品など。

 

 

33.グループ間の取引価格を見直す

 

(補足)

グループ会社との間で発生している家賃、

仕入販売などの取引価格を見直してみる。

中核会社が、管理業務を行っている場合、

「業務委託料」を発生させる。

また、中核会社が、経営指導業務を行っている

場合は、「経営指導料」を発生させる。

ただし、いずれも実態が伴う必要がある。

 

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月 4日 (火)

決算対策⑦

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

これから、改めて決算対策について、

色々とご紹介していきます。

 

22.交際費ではなく会議費で計上する

 

(補足)

会議議事録を作成する。1人あたりが、

10,000円以上でも会議の実態があれば、

会議費として認められる。

手土産代=「打合せ茶菓子代」なら、会議費。

 

 

23.広告宣伝費として落とす

 

(補足)

ホームページ、SNSYoutubeなどのIT投資。

優秀なデザイナーに外注し、

付加価値を高めるための投資をしてゆくべき。

 

 

24.家族に給与を支給する

 

(補足)

家族を役員にして、所得を分散させる。

所得税は、累進課税のため、分散させたほうが

トータルの税金は安く済む。

ただし、役員として関与している証は必要。

 

 

25.事前確定届出給与を使って賞与を出す

 

(補足)

期首から概ね3カ月以内に提出する。

届出通り出すか、全く出さないかのいずれか。

役員賞与的な意味合いで使う。

 

(福岡雄吉郎)

2025年3月 3日 (月)

決算対策⑥

3月決算の会社は、まもなく決算期末を迎えます。

これから、改めて決算対策について、

色々とご紹介していきます。

 

18.修繕費で落とす

 

(補足)

「原状回復、維持管理」に該当すれば修繕費。

見積書、請求書等をそのようにしてもらう。

ただし、全くのでっち上げは当然NG

部分取替は修繕費、全面取替は新規取得で、即時償却する

 

 

19.定率法を採用する

 

(補足)

減価償却の方法は、主に定額法か定率法。

定率法を採用したほうが、取得当初の

減価償却費を大きく計上できる。ちなみに、

建物、建物附属設備、構築物は定額法である。

 

 

20.複数の資産を一括で取得した場合に、耐用年数の短い資産の割合を増やす

 

(補足)

例えば、土地付建物であれば、減価償却が

できない土地の割合を減らし、建物を増やす。

建物より、耐用年数が短い建物附属設備、

機械、備品などの割合を増やすことを考える。

 

出精値引きは、建物から減額し、

一方で、共通経費は、附属設備に加える

 

21.新規で取得した固定資産の耐用年数が適切に(短く)設定されているか確認する

 

(補足)

税理士事務所に任せると、耐用年数が長く

設定されることがあるため、注意が必要。

前期以前のものを修正することは不可。

 

(福岡雄吉郎)

 

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