労務への考え方が変わってきた②
今やどの業種においても、“人が足りない”
との嘆きが聞こえる時代となりました。
少子高齢化による労働人口減少もありますが、
デフレ期が終わり、
労務への考え方を見直す時代になってきました。
②世間相場の賃上げはしなさい
中小企業は数年前まで、
賃上げは最低限度にとどめてきました。
よく上げたとしても、2%~3%程度だったのです。
それがこの2年ほどは、
中小企業でも5%前後の賃上げが続いています。
2年前は、「基本給を上げるのは避けたい。」
との思いからか、多くの中小企業が
“インフレ手当”として賃上げをしました。
しかし、一時的なインフレではなさそうだ、となり、
昨年はインフレ手当としていた部分を月例給与に組み込み、
さらに賃上げもする、という中小企業が多かったです。
しかし、中小企業の経営者には基本、
給料は上げたくない、という思いがあります。
「2年続けて4%~5%、給与を上げているのに、
今年も上げる必要ありますでしょうか?」
という社長がいました。
その社長に言いました。
「2年続けて上がっているから、今年は上がらなくてもいい、
なんて、従業員は誰も思っていないですよ。
今年も給料は平均で5~6%上がっている、
というニュースを見て、自分の会社もそうであってほしい、
としか思っていないですよ。」
結局、その会社もやはり、
世間相場並みの賃上げはすることとなりました。
どこの会社もそうですが、今大変なのは、
戦力となっている従業員が退職することです。
人数に余裕がある中小企業は多くありません。
退職したあとの採用・育成のほうが、
賃上げよりも高くつくのです。組織力も低下します。
ヒトは今、不足しているのです。売り手市場なのです。
それであれば、
せめて世間相場並みの賃上げは、してほしいのです。
その変わり、人がやらなくてもいい部分は、
機械やシステムを活用してほしいのです。
不足している経営資源を確保するには、
それなりのお金を出すことです。
今年も平均で5%~6%の賃上げとなっています。
値上や生産性向上によって粗利益を上乗せしつつ、
もったいない退職が起こらないよう、
賃上げへの配慮も行ってほしいのです。
今はもうデフレ期ではない、
ということを忘れないでほしいのです。
(古山喜章)
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