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2025年4月 8日 (火)

労務への考え方が変わってきた②

今やどの業種においても、“人が足りない”

との嘆きが聞こえる時代となりました。

少子高齢化による労働人口減少もありますが、

デフレ期が終わり、

労務への考え方を見直す時代になってきました。

 

②世間相場の賃上げはしなさい

 

中小企業は数年前まで、

賃上げは最低限度にとどめてきました。

よく上げたとしても、2%~3%程度だったのです。

それがこの2年ほどは、

中小企業でも5%前後の賃上げが続いています。

 

2年前は、「基本給を上げるのは避けたい。」

との思いからか、多くの中小企業が

“インフレ手当”として賃上げをしました。

しかし、一時的なインフレではなさそうだ、となり、

昨年はインフレ手当としていた部分を月例給与に組み込み、

さらに賃上げもする、という中小企業が多かったです。

 

しかし、中小企業の経営者には基本、

給料は上げたくない、という思いがあります。

「2年続けて4%~5%、給与を上げているのに、

今年も上げる必要ありますでしょうか?」

という社長がいました。

その社長に言いました。

「2年続けて上がっているから、今年は上がらなくてもいい、

 なんて、従業員は誰も思っていないですよ。

 今年も給料は平均で5~6%上がっている、

 というニュースを見て、自分の会社もそうであってほしい、

 としか思っていないですよ。」

結局、その会社もやはり、

世間相場並みの賃上げはすることとなりました。

 

どこの会社もそうですが、今大変なのは、

戦力となっている従業員が退職することです。

人数に余裕がある中小企業は多くありません。

退職したあとの採用・育成のほうが、

賃上げよりも高くつくのです。組織力も低下します。

ヒトは今、不足しているのです。売り手市場なのです。

それであれば、

せめて世間相場並みの賃上げは、してほしいのです。

その変わり、人がやらなくてもいい部分は、

機械やシステムを活用してほしいのです。

 

不足している経営資源を確保するには、

それなりのお金を出すことです。

今年も平均で5%~6%の賃上げとなっています。

値上や生産性向上によって粗利益を上乗せしつつ、

もったいない退職が起こらないよう、

賃上げへの配慮も行ってほしいのです。

今はもうデフレ期ではない、

ということを忘れないでほしいのです。

 

(古山喜章)

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