少人数私募債を上手に使いなさい④
中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。
「少人数私募債」という方法もあるのです。
会社が発行する、社債の一種です。
経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。
少人数(49人以下)を対象に発行するので、
「少人数私募債」と言われています。
④金利は5%でもかまわない
「少人数私募債の金利は3%~5%でもかまわない。」
と言い続けてきました。
市中銀行の平均金利が0.5%にもいかない、
超低金利時代でもそうだったのです。
日銀が公表する平均金利が1.0%になる現状なら、
少人数私募債の金利5%でも、なんの問題もありません。
「銀行の金利に比べて高すぎる!」
という税理士が今もいます。
そんな声は無視して構いません。
銀行は預金を集めてお金を貸す「間接金融」です。
少人数私募債は手持ちのお金を貸す「直接金融」です。
金融の種類が違うのです。
それに、先の記事で書いたように、
少人数私募債は、経営危機時の弁済順位が低い、
「資本背借入金」なのです。
いわば、ハイリスク&ハイリターンの商品です。
だから、金利が高くても当然です。
高額退職金を受け取り、
そのお金を、少人数私募債を引き受ける形で会社へ貸す。
そして、5%の金利を受け取る。
2億円を会社に貸せば、5%で年間1,000万円です。
退職金を受けた後に役員報酬を下げていても、
その下がった分を金利で補填することもできるのです。
市中銀行の金利が上昇しつつある昨今なら、
6%や7%でも問題ありません。
日本の超長期国債の金利はすでに、3%を超えているのです。
ただし、会社が継続的にそれだけの金利を払えるだけの、
営業利益は必要になります。
金利は損金計上できるので、法人税を減らすこともできます。
少人数私募債を発行するなら、その金利をうまく活用し、
稼いだお金の社外流出をおさえる方向で考えてほしいのです。
(古山喜章)
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