平成・昭和時代に建てた工場や施設に、
必要時に増設しながらデフレ期をなんとか乗り越えてきた、
という中小企業が多いです。
しかし、
品質管理や安全性へのニーズの高まりや、生産性向上の観点から、
工場や施設そのものを新たに建て変えなければならない、
という大きな設備投資の検討期に入る中小企業が増えてきました。
④補助金の活用を考える
中小企業が大きな設備投資をする際に、
検討したい資金調達のひとつが、各種の補助金です。
今現在も、金額の大きな補助金がふたつあります。
そのひとつが、「大規模成長投資補助金」です。
補助金の額は、最大で50億円か投資総額の1/3まで、です。
最大補助金額が50億円と大きい分、
申し込みや採択率のハードルも高いです。
申し込みのハードルとしては、
投資総額10億円以上であるのと、全国平均以上の賃上げ要件、があります。
そもそも10億円未満の投資額では、申し込みさえできないのです。
申込社数からの採択率も、毎回15%~20%と、厳しいです。
それでも、この大きな補助金額は魅力的です。
投資総額が大きい会社にとっては、極めて強力な補助金なのです。
現状、第4次の申し込みを受け付けており、
今後も申し込み要件に若干の変更を持たせつつも、
継続募集が見込まれています。
もうひとつが、「中小企業成長加速化補助金」です。
補助金額は、最大で5億円か投資総額の1/2まで、です。
申し込みをできる要件は、投資総額が1億円以上であることと、
売上高100億円を目指すことを、
ホームページ等で公表して宣言すること、となっています。
加えて、賃上げ要件を満たす事業計画を提出することです。
売上高100億円を目指すといっても、
実際に補助金を申し込んでいる例を聞くと、
現在の年商が15億円程度、という会社もあります。
なので、売上100億を目指して宣言するのは形だけ、
といった感じです。
こちらはまだ、1回目の結果が発表されていませんので、
採択率はわかりませんが、補助金額が小さい分、
先の「大規模成長投資補助金」よりもハードルは低いと言われています。
他にも、数千万円程度を上限とした補助金もあります。
それらを複数受けることで、それなりの資金調達が可能です。
政府は設備投資を促しているのです。
だから補助金が投入されるのです。
しかもその恩恵は、中小企業のほうが受けやすいのです。
大きな設備等の際には、補助金を視野に入れて、
検討してほしいのです。
(古山喜章)
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