金利について考える⑤
7月30日、日本銀行が金利の据え置きを発表しました。
これまでのまま、様子見で金利を上げなかったのです。
ちょうど一年前、植田総裁が金利を上げる発表をすると、
株価は歴史的な大暴落となりました。
そのせいか、「金利ある世界」になった、とはいうものの、
日本銀行はかなり慎重になっているように感じます。
それでも、金利はデフレ期よりも上がっているのです。
⑤スコアリング(銀行格付け)を知りなさい その2
銀行は融資先の会社をランク付けします。
それが、スコアリング(銀行格付け)です。
決算書の貸借対照表と損益計算書のデータを
もとに経営指標を算出し、点数化されます。
経営指標によって、点数のウェイトが異なります。
その配点表が、こちらです。
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なかでも配点ウェイトの大きい項目が、「4.返済能力」です。
お金を貸す銀行からすれば、返す力が大きいかどうかが、
一番大切なので、配点ウェイトが大きくなるのは当然なのです。
全部で129点のうち、返済能力の配点が55点です。
全体の43%です。
そして注目したいのが、
返済能力に示されている3つの経営指標の計算式です。
3つ全部に共通するのが、「営業利益」です。
「営業利益」は、いわば本業の利益です。
銀行は本業の利益がどれだけあるのかを一番重視している。
といってもよいくらいなのです。
であれば、借りる側は、
損益計算書の営業利益が最大化されるよう、
配慮した決算書にすればよいのです。
不正をするのではありません。たとえば、
雑収入にある家賃収入を売上高で「その他売上高」として計上する。
使わない棚卸資産は原価で計上せずに特別損失に
「棚卸資産除却損」として計上する。
災害による建物等の修繕は一般管理費の修繕費でなく、
特別損失に「特別修繕費」として計上する。
等々、損益計算書のどこに計上するか置によって、
営業利益を大きく見せることができるのです。
そうすれば、スコアリング(銀行格付け)に直結する
経営指標の点数が上がるのです。
点数が上がれば、格付けも上がるのです。
格付けが上がれば、お金を借りる銀行交渉時には、
優位に立てるのです。
これは、
経営者が銀行交渉に必要な知識を持っていなければ、
できないことです。
知っているか知らないか、実践するかしないかで、
稼いで流出するお金が大きく変わるのです。
できる限り、このブログで書かれていることを、実践してほしいのです。
(古山喜章)
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