銀行交渉 死語の世界②
顧問先での銀行交渉の話しを聞いていると、
「いまだにそんなこと言うの?」
という場面に出会うのです。とはいえ、
こちらが無知であれば、死語の世界ともいえる
銀行用語の言いなりになってしまうのです。
①個人保証
銀行交渉での死語のひとつに、個人保証があります。
現状、銀行融資時における代表者の個人保証は、
金融庁が厳しく禁止をしています。
「経営者保障に関するガイドライン」という文書で規制をかけているのです。
その背景には、個人保証が原因で、
経営破綻時に数億円の負債を経営者が抱えてしまい、
自殺者や一家離散に至る、ということが多発したからです。
その原因である個人保証をなくすべく、金融庁が動いたのです。
銀行業務を取り締まるのが、金融庁の役割です。
禁止事項に触れる行いがあれば、その銀行に業務改善命令を出します。
それは銀行にとっては、大失態なのです。
しかも、2024年4月以降、
銀行が経営者から個人保証を得る場合は、
その内容と理由を金融庁に報告することになりました。
それもあって、個人保証に関してはようやく激減したのです。
現状、個人保証を求めてもしかたがないとされているのは、
・債務超過
・2年続けて減価償却前の営業利益が赤字
の二つのケースです。
そのような財務状況でなければ、
個人保証をとってはいけないのです。
加えて、
過去に契約した個人保証も、依頼をすれば容易に外せるようになりました。
これが案外、知られていません。
過去の個人保証がそのままになっている、
というケースをいまだに見かけるのです。
こちらから申し入れない限り、銀行から
「個人保証を外しましょうか。」とは言ってきません。
今や死語となった個人保証が今も残っているのなら、
銀行に申し入れて、
「個人保証を外してください。」
といえば、外す手続きをすぐにしてくれます。
このことを知っている経営者だけが、
過去の個人保証を外してもらっているのです。
銀行交渉に関して、経営者は無知であってはならないのです。
(古山喜章)
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