回収で資金繰りは大きく変わる①
さまざまな会社の決算書を拝見していると、
売上代金の回収は、会社によって異なることがよくわかります。
中小企業の経営にとって、
回収は早いほうが資金繰りは安定しやすいです。
なのに、早い回収もあれば、遅い回収もあるのです。
①前金回収
お代を前金でもらえると、資金繰りは大いに楽です。
「前金なんてムリですよ。」
とおっしゃる経営者がおられますが、前金の商売はいくらでもあります。
身近なところでは、自動販売機がそうです。
お金を払わないと出てきません。
映画館、スポーツ、観劇・ライブ、アトラクション施設、
などのエンタメ関連はほぼ、前金です。
鉄道、航空などの乗り物もそうです。
お金を払わなければ、サービスを受けられません。
家賃もそうです。
月末までに毎月定額で支払うのは、翌月分の家賃です。
前金回収することで、早期に未払いを発見できます。
他にも、保険関係、学校や塾も前金です。
セコムなどのセキュリティーもそうです。
脱毛サロンや美容エステ系も、前金が多いです。
このように、前金でお代を回収する商売は意外に多いのです。
これらの前金商売に対して、誰も文句を言いません。
当たり前のように支払っているのです。
なのに、自分の会社はできない、と思いこんでいるのです。
「前金なんてムリです!」
という会社の社長にこう言ったことがあります。
「ムリと言うけど、社長の会社は不動産収入があって、
それは前金じゃないですか。」と言うと、
「それとうちの本業は違いますよ。」とおっしゃるのです。
ICOも前金で料金をいただいています。
セミナーも経営相談も、前金です。
そのため、早めに請求書を出すことにしています。
それがイヤな方には、お断りをしています。
なので、決算書に売掛金はありませんし、資金繰りに困ることはないのです。
前金で資金繰りに困る会社があるのは、使い込んでしまうからです。
脱毛サロンや英会話塾などで破綻するのは、このパターンです。
前金だからと言って、お金の使い方が余りにもずさんであれば、
それはやはり、経営破綻に至るのです。
今一度、
さまざまな回収方法について再確認していきます。
(古山喜章)
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