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2025年11月

2025年11月28日 (金)

即時償却 VS 税額控除③

「税額控除」か「即時償却」か?

 

昨日の例では、

経常利益が1億円という会社で・・・

 

・即時償却を使うと、今期の法人税はゼロ

 

・税額控除を使うと、今期の法人税は2800万円

 

ということでした。

 

つまり、どちらを使うか?で、

2800万円もの差が出てくる、

ということです。

 

目先のおカネは、即時償却の方が多く残ります。

これは、間違いない事実です。

 

そして、言葉は違えど、

経営者はこのように考えています。

 

「経営は何があるか分からない」

「これまではたまたま良かっただけ」

「一寸先は闇」

 

だからこそ、目先のお金がより多く残る、

即時償却のほうが、経営者はありがたいのです。

 

財務体質が非常に堅調、

今後5年10年商売は堅調そのもの

という会社の経営者は、確かに、税額控除を考えます。

 

しかし、私たち中小企業では、

そういう会社は、ないに等しいです。

目先少しでもお金を残して、

それをまた、来年の成長のために使っていく、

・人材投資

・設備投資

にまわしていくこと。

 

これがカネ回りをよくする秘訣だと思うのです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月27日 (木)

即時償却 VS 税額控除②

現在検討されている税制改正の案では、

 

投資の規模や収益性に応じて投資額の8%を

法人税額から差し引く「税額控除」か「即時償却」、

いずれかが検討されています。

 

まず、即時償却ですが、

これは、このブログでも幾度もご紹介しています。

 

投資した金額を、初年度に全て

経費として処理できる、という制度です。

 

仮に、経常利益が1億円という会社で、

1億円の設備投資をした場合に、

即時償却を使うと、1億円がまるまる経費になります。

 

すると、税引前利益は、

1億円(経常利益)△1億円(即時償却)

=0となります。

 

よって、今期の法人税はゼロとなるのです。

 

私たちは、この即時償却をお勧めしています。

 

対して、税額控除とは何でしょうか?

 

こちらは、

 

・投資した初年度に「法人税そのものをマイナスできる」

・減価償却は、通常どおり行う

 

という制度です。

 

例えば、先の例でいくと、

減価償却費は、毎年1000万円ずつ計上します。

したがって、経常利益1億円△1000万円

=税引前利益 9000万円です。

 

これに40%の法人税がかかります。

9000万円×40%=3600万円です。

 

本来、これが法人税で当期の税金ですが、

税額控除があります。

 

もし、税額控除割合が8%とすると、

投資額1億円×8%=800万円が法人税から引けます。

 

つまり、当期の法人税は、

3600万円△800万円=2800万円になる、

ということです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月26日 (水)

即時償却 VS 税額控除①

今朝の日経新聞から一部抜粋します。

 

==================================

経済産業省は2026年度の税制改正で要望している

大規模な設備投資減税の原案をまとめた。

 

投資の規模や収益性に応じて投資額の8%

法人税額から差し引く税額控除を設ける。

 

米国の関税措置の影響で対米輸出が減少する場合は

税優遇を15%に広げる。国内投資を喚起して成長を後押しする。

 

税額控除の対象は生産設備や建屋、ソフトウエアなどを想定する。

一定規模の投資額に加え、投資利益率15%超の投資計画が対象になる。

 

企業は会計士など専門家の意見を踏まえた投資計画を策定し、

各地の経済産業局に提出する。

 

設備投資にかかる費用の全額を初年度に減価償却費として計上する「即時償却」の導入も求める。

 

投資額や投資の収益性を満たせば、

企業が税額控除の適用と即時償却のどちらかを選択できるようにする。

 

企業が設備投資する場合、工場の建設などにかかった費用を

減価償却費として耐用年数に応じて複数年にわたり定期的に計上する。

 

減価償却費は課税対象の利益から差し引ける。

初年度に即時償却できれば手元資金に余裕が生まれる。

==================================

 

詳細は、まだわかりませんが、

私たち中小企業にとっては、

非常に素晴らしい税制改正になりそうな雰囲気です。

 

なぜなら、税制優遇の対象として、

「建屋」が入りそうだからです。

 

これまでの制度では、

「建屋」は入っていなかったのです。

 

工場、店舗を新たに建設するとき、

総工費のうち、7割程度は「建屋」で、

3割程度が、「附属設備」と呼ばれるものです。

 

附属設備は、これまで税制優遇の対象でしたが、

建屋(躯体)は対象外だったのです。

 

そして、この記事にもありますが、

「税額控除」という文字が目に入ります。

 

こちらについては、明日以降ご説明します。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月24日 (月)

社長の賢い節税セミナー 開催します

セミナーのおしらせです。

 

「社長の賢い節税」

↓以下をクリックしてください。

【速報版】2026年税制改正対応 社長の賢い節税セミナー | 経営セミナー・本・講演音声・動画ダウンロード【日本経営合理化協会】

 

来年も、節税をテーマにセミナーを開催いたします。

 

2026年

・2月25日(水)大阪 帝国ホテル

・3月4日(火)東京 ホテルメトロポリタン

 

※今回は、ZOOMライブは行わず、

セミナー後1週間以内の録画受講(アーカイブ)のご用意があります。

 

昨年も、私たちICOグループには、

たくさんのご相談が寄せられ、

全国のオーナー企業のお役に立つべく、

東奔西走いたしました。

 

毎年、色々な経験を重ねることで、

1年前に比べて、経験値が大きく増えています。

 

また、今回は、高市新総理のもと、

「期間限定で、即時償却が大幅拡充する」

という情報も聞こえております。

 

したがって、2月、3月のセミナーでは、

私たち中小企業にとって影響の大きい、

税制改正の内容をチェックして、

 

併せて、

 

■最新ケーススタディ生実務、税務調査実例

■株高と国策で急騰する株式承継コストへの対応

■高度にシステム化する税務調査への対応

■相続税ゼロの事業承継と少数株主トラブル対策

■争族を避けるための賢い財産承継

 

を具体的な事例をもとに、

解説いたします。

 

基本的な考え方、軸はブラさずに、

鮮度ある情報をお届けいたします。

 

当日、皆様にお会いできること、楽しみにしております。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月22日 (土)

中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?⑥

6.老いた社長は このように対処せよ 

 

 私の主宰する後継社長塾に、

雑誌「財界」の主幹の60歳近い三鬼陽之助氏と

35人抜きで社長になったパソナニックの山下俊彦氏

を招いて対談したことがありました。

三鬼氏 「山下さん 松下幸之助氏は、出社されてお会いになることがあるのですか?」

山下氏 「はい!月に1.2度 出社されて もちろん、会長室に参ります」

三鬼氏 「幸之助氏は いろいろと意見やアドバイスをなさるのですか?」

山下氏 「勿論、いろいろとご教示頂き,指示もいただきます」

三鬼氏 「幸之助氏の指示通り 動くのですか?」

山下氏 「一生懸命に心して聞きますが、その通りとは・・・」

三鬼氏 「真面目に聞いても、聞き流すのがいいかと」

三鬼陽之助氏の発言は、私にはびっくりでありました。

経営の神様の松下幸之助氏のアドバイスを真面目に聞いても実行するな!

自分の責任、利益を出すベストの道を進みなさいと仰るのである。

 

古い時代を歩み闘ってきた老経営者は、時に時代遅れになっています。

しかし、自分が造った会社、会社の行方が心配でならない。

どうしても口を挿みたくなるのです。

まわりの幹部たちも「ずれている」と感じている。

そんな時 すぐに反発・反論してはいけないのです。

Yes! Yes Yes!」でゆくのです。

しかし、実行はすぐには進めてはならないのです。

 

三鬼陽之助氏の言葉ではありませんが、

その時私は、功労者の老経営者との接し方としてまとめました。

・常に尊敬心を持って、

同じ言葉を繰り返しても修行の気持ちで辛抱して聞く。

・常に「はい」「わかりました」の是認から入り「NO!」は避ける。

時間が経てば言ったことを忘れてくれるのです。

・自分たちに「反感心」を持たれないように心掛け、

老人を自分の味方にする。「ジジ転がし術」を身につける。

・年を取ると独断に陥り、自分の意見と会わない人、

自分に敬意を払わない人は敵となり、会社相続にとって、

とんでもない事件が発生する。

・家族の者も前述したように尊敬言葉を使い、

あと10年もこの世にいない人なので、やさしく接する事。

 

(井上和弘)

2025年11月21日 (金)

中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?⑤

5.老害を発する元社長の原因は、家族・身内にある

 

古女房も今や70歳の古だぬき。

子供たちもこの間まで子供 子供!それが家族を持ち、孫たちも生まれてきて、あーだこーだと生意気に一人前の意見をはさんでくる。

 

老元社長の父親やお爺ちゃんに対する態度や言葉遣いはどうでしょうか。

老元社長には、どうか神として付き合いしてください。

神か、仏壇にある仏か、

老元社長を神として扱いなさいということです。

 

いわゆる話し言葉は、必ず尊敬語を使うこと。

そこに居る老元社長を友人でもなく、友達でもなく、

まして目下の部下でもなく、哀れな乞食でもないんです。

今あなた方が、生活水準を維持してくれる経済的基盤を作ったおじいちゃんなんです。

これは神なんです。

神としてその神もあと10年、生きた神として扱えるでしょうか。

やがて、いや、神じゃなくて仏としてあの世に行ってしまわれる方なんです。

そうであれば、その人を現実の人間じゃなく神様だと思ってお付き合いなさい。そうすれば、会社の存続はうまくゆきます。

 

今日のこの生活水準を維持できるのも、老元社長のおかげなのです。

しかし、日々の生活でその老元社長に接する姿は、

決して尊敬する方としての扱い方、言葉遣いじゃないんです。

必ず老元経営者は、昔はこうだった。

昔は何でも自分がトップに車に乗り、いつも一番贅沢されていたのです。

それが年を取っても、皆からいたわってほしい時、

いたわらず、特に言葉でいたわらず、

どんどん落としてしまうとどうなるでしょうか。

目の前にいてる老人は、

その人は本当に今日まで50年間、60年間、必死に経済環境と戦って,

そしてその中の勝者だったんです。

 

今は一人の人間としてガタガタになってる。

そのガタガタを見るからいけないんです。

その人はかつて仏であり神であったんです。

私はそういう接し方、尊敬語で接したら、

決して老人が変化して急に方針を変更して、

会社で波風を立てることはないでしょう。

 

円満な家庭は、毎日神棚に手を合わせ、食事するときは、

「いただきます。」誰に向かって言ってるんです。

みんな神や仏に向かって

「いただきます」、「ごちそうさま」と言ってますけども、

あれはそうじゃなくて老元社長に対して、

「いただきます」、「ごちそうさま」、

「今日も一日ありがとうございます」、

こういう気持ちであれば決して一経営者が老害だと

言われるような人間にはならないはずです。

年寄りを馬鹿にすな!

どうか若い方々、目の前の老元社長は近々あの世に旅立たれる仏様と思って接して頂きたい。

(井上和弘)

2025年11月20日 (木)

中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?④

4.孫は可愛い。しかし一時間も付き合えない。

 

75歳を過ぎると、いわゆる老境に入ると、体力が弱っていくのです。

よく昔言われました。

70歳、75歳、80歳、85歳、90歳。

この5年ごとに自分の体力は、ガク、ガク、ガクと音を立てて弱っていくのが自分でもわかるんです。

 

昔、ゴルフでドライバーはここまで飛んだなー。

220は飛んでたのに、今は情けない。150しか飛ばない。

みんなよく泣いています。当たり前ですよね、考えたら。

自分の肉体。野球の選手でもそうですよね。

70歳を過ぎた名プロ野球選手でも走れないし、投げれない、

あの姿を見てても年を取れば体力的に劣るのはわかるんです。

 

その中でも年取って楽しいのは、孫と遊ぶ時ですね。

ピチピチした柔らかい肌が、おじいちゃんと言って老元社長の肌に触れてくるわけです。

本当に孫は可愛いと言います。可愛いんです。

ところが、あの,2歳や3歳児の活動量、行動量、あれに付き合えないんです。

30分は付き合えても物の一時間もしたら疲れが出てくるんです。

又、話が合わないんです。

その疲れは、もう2時間が限界なんです。

ですから、イメージとしては遊びに付き合えると思っても、椅子に座れば、「はぁ」とがっくりとなり、立ち上がれなくなるのです。

 

孫の母親は自分の娘だとしても、喋っている会話の中に入っていけない。

話も30分で会話ができなくなるわけです。

ですから、幼児という孫とはうるさくてうるさくて付き合えなくなるのです。

そんな孫でも、高校生になると、これは男も女も、ああ、いい青年になったな。

いい少女になった娘、孫娘と一緒に歩いていると。

老人の腕の中に、腕を差し入れ、腕を組んで歩いてくれる。

若い命が、生命が、なんか伝わってくるような嬉しさがある。

「おい、なんで、腕なんか組んでくれるんだ?」

「だって、おじいちゃん、歩く方が危ないじゃない。

私が腕組んでたら大丈夫でしょう」

嬉しいことを言ってくれます。

「いい娘だ!」こうなっちまうわけですね。

 

ですから数ある孫の中で気が利く孫がいれば、可愛くて可愛くてしょうがないんです。

こいつだけは気が利いて,他の孫も気がつかない。

「はい、お小遣い」となるのです。

息子の嫁は気が利かない。

実の娘はもっと気が利かないし、口が悪い。

自分の一族の中でも、好きなやつと嫌いなやつ、こんな感情が出てくるんですね。

私は経営というものは必ず「理」。理性の理。

理で考えるもんだと言っておりますし、大概の成功経営者は、皆、「理」、損か得か、理屈、足し算、引き算、割り算、掛け算で生活してきたのです。

会社生活は「理」で判断。

 

ところが、一日中家に居て、家族との生活は「情」が入ってくるのです。

価値観は「理」じゃなくて年とってからの老境は「情」、すなわち好きか嫌いかになってしまうのですから、今までこいつにたくさん残してやろうと会社のためなんて思っててもいざとなったら、もうこの老境時代になってくると,好きか嫌いか、この価値観に変わっていくのです。

怖いですね、情で判断すると相続問題はこじれにこじれます。

 

(井上和弘)

2025年11月19日 (水)

中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?➂

3.元会長に発する言葉遣いが尊敬語・丁寧語になっていない

 

毎年老いていく元社長と長年生活を共にしてきた元気のよい奥様から見れば、いや奥様だけでなく長男長女から見れば、

功労者の夫や父ではなく、ただただ老いぼれた近所のじいさんと同じであるようになっている。

 

「さあ行くわよ!帽子どこに置いたの?

忘れた!いい加減にしてよ!」

「足を上げて歩きなさいよ!またつまずいて」

「切符どこに入れたの、財布、財布には入っていないよ!」

「さっき伝えたでしょ!何!聞こえない?もー」

 

老社長は、かつては俊敏で、体力もあり、

元気で全力で疾走してこられた人間です。

社員間でも体力を誇っていた社長なのです。

 

今は8590歳のおじいちゃんはダメ人間になっているんですね。

間違いなく年は取り、年齢は来ます。しかし、本人は解っているはずなんです。

「俺はこんなに弱くはなかった。

俺はもう少し物覚えが良かった、もう少し目も見えた、足も強かった。と。

 

人間って悲しいですね。

自分でもわかってるんです、衰えているということ、すべての記憶力、判断力、行動力、全部退化しているのです。

情けないと思うほど弱くなっているんです。

しかし女房や子供や孫たちは、

成功者の老元社長にきつい言葉を投げかけるのです。

 

もう少し尊敬語で言葉を発するのがいいですけど、すべて否定語。

「何してんの」と人を馬鹿にしたものの言い方で、

決して口から発している言葉は尊敬語ではありません。

思いやり老人を理解した優しい言葉でなく。

老人にはきつく障る言葉なのです。

老社長には、胸に刺さって、

「お前たちがこんな贅沢できるのは、誰のためや!誰のおかげや!」

と、胸の中で叫んでいるのです。

その叫びは、皆には分からないでしょうね。

それを言っちゃおしまいだと、本人も分かっているのです。

無理に抑えるから余計に怖いんです。

どっかで爆発することがあるのです。

 

老元社長に対する言葉は社員が発する言葉と一緒にしてほしいのです。

老元社長に従業員はそんな言葉を決して発しないのです。

毎日顔を合わす家族の言葉は、

元社長を追い込む悲しく侘しい会話になってしまうのです。

従業員が発する言葉と、

身近な一日長い時間を過ごす家族との言葉が、

あまりにも違いすぎるのです。

尊敬心が全くなく、

人間を否定するがごとき言葉遣いになっているのです。

老元社長は、だんだんとあの世が近づくにつけて、

敵心が芽生えてくるのではないでしょうか。

 

(井上和弘)

2025年11月18日 (火)

中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?②

2.毎年老人になると遺言が変わる、気が変わる

 

ある社長が私におっしゃいました。

「先生、毎年毎年正月に私は遺言を書いているんです。

その遺言の中身が毎年毎年変わるんです。

自分でもおかしいなと思うほどものの考え方が毎年毎年,

老境に入っていくと、考え方が変わってくるんです。」

 

小学校、中学校、高校、大学の時の長男は、

すくすく育ってて、なかなかの男だと。

いい後継者だと思っていても、その男が30を超え、

40を超えてくると、急に自分のその息子が

「いや、ちょっと待ってよ。

弟の方が社長に向いてるんじゃないか。」

こうおっしゃるわけですね。

 

「自分の考え方が変わる。」

何も会社の相続だけじゃないです。

自分の残した不動産、自分が貯めた銀行預金、

上場会社の株式、お蔭様で人も羨むほどの、

自分も考えつかなかったような財産が手元に残っているんです。

これを誰に譲ろうか、

もちろん、半分は妻でしょうけども妻とても、

やがて私よりもしかしたら早く死ぬかもわからない。

私の残した財産は、基本的には自分の長男、長女、いや、孫たちに行くわけです。

 

ふとその時に,惜しくはないんですけども誰に渡そうかと言った時に急に感情で気が変わってくるのでしょう。

「なぜなんでしょうかね?」とおっしゃる老元社長もいらっしゃる。

この考え方は私も理解できるんです。

「こいつにやろう。いや、こっちの方がいいだろう。

いや、他の財団に寄付しようか。」

いろいろ自分の残した財産の行く末を誰に譲ろうか、

という考える時間があるので、迷う気持ちになるんです。

 

自分の人生を考えたら何の学歴もなく大した能力もなく、

人に誇れるような身体もなく、

親戚縁者の世話になったわけではなく、

今日迄自分の力で成功者と生きてきた。

星の瞬く間に家を出て、家へ帰ってくるときは、

もうすでにまた暗くなって、夜の8時、9時、

本当に深夜まで働き詰めで、

今日の厳しい経済環境の中で会社を興し引っ張ってきた。

 

しかし、このたくさんの財産を何の苦労もなく、

ヘラヘラヘラヘラ消費している女房や、

ヘラヘラしている娘の行動、

おじいちゃんと言って都合のいい時に寄ってくる孫たち。

これに全財産を渡すとなると、情けなくて仕方がない。

もう少し良い渡し方がないだろうか(?)。

気が変わるわけです。

 

年を取ると、本当に稼いだ財産を死守する気はないけれど、

どうせあの世に持っていけない。

分かっています。

分かっていても、それでは誰に渡すんだと言った時に、

目の前の女房や子供や孫に渡せるかというと、

渡せなくなる気持ちになる時があるのです。

要は年が取るほど、気が変わってしまうんです。

価値観が変わっていくんです。

あの人は賢明だ、社長だと言われても、

かつての社長、賢明な社長は、周りから見て、

あら、アホじゃねえかと言うように気が変わる。

 

経営コンサルタントとして会社継承にお手伝いした中で

多くのトラブルに会ってきた私が申しあげるのですが、

なぜこうも多く問題が継承如に発生するのでしょうか?

 

A社では二代目がしっかりとしているにもかかわらず、

外部で、大会社で働いていた二代目の兄弟を入社させ、

その人間に次期社長をさせると変更した。

B社では自分の兄弟を、

二代目から見ればオジさんを次期社長にしようとする。

C社では外部で働いていた実子を急に入社させ、

周りの幹部の了解なく社長職を譲る。

D社では女性幹部を妻として入籍し、その女性を次期社長にする。

E社では88歳になっても自社株は息子2人には譲らず、

特殊法人会社の所有にし、2人の息子に社長職を譲ろうとしない。

F社は、長年連れ添った妻と離婚し、85歳の年齢ながら再婚し相続でもめる。

 

まだまだ数えればいくらでもある。

この難儀な老元社長、本当に良き解決策がなく、私を困らせるのです。

 

(井上和弘)

2025年11月17日 (月)

中小企業の元社長はなぜ、必ず困った老人になるのか?①

1.老化するということは幼児返りへの道

 

私も80歳という高齢になり、

老人の気持ちも少しは理解できる年齢になりました。

コンサルタントという仕事を通じて、

なぜ元社長というのは困った,老害を撒き散らす、

老人になるかということを体験するのです。

 

賢明な社長がなぜ、

人が変わったような価値判断を言い出すんだろうということがあるのです。

多くの会社で、私は年老いた元社長がなさる行動でいろんな諸問題を発生させて、私はそれの処理にエネルギーを使ってきたのです。

しかし、やっとわかってきました。

それは、年を取ったらよく言われるように、

「幼児返り」をするということです。

 

「幼児返り」0歳から3歳までの幼児、

この子どもたちを見ていると自分の思い通りにならなかったら、

泣く、わめく、手足をばたつかせる。これは、幼児の特徴です。

人が持っているものでも、

自分が欲しかったらそれを取りに行く。

年老いた尊敬を得た元社長が幼児と同じような行動を繰り返すことがあるのです。

理性が利かなくなって、とんでもない行動をしてしまうのです。

 

私が今、一番困ったのは、年老いて腕力も弱っているのに、

気に入らなかった若い社員に暴力を振る事件を起こす。

まあ、一番困るのは、

次の後継者を長男と決めていたにもかかわらず、

長男じゃなくて、次男に指名してみたり、自分の兄弟など、

若い次の者から言えば、おじさんになるわけですから、

急に後継者に指名したり、

持っている会社の株式を急に別のところへ移動させたりする。

 

会社の道筋を決めていたにもかかわらず、

急に変えることがあるわけです。

それだけならよいのですが、私が一番困ったのは、

元会長が不動産、それもヤクザが一部を占拠していたいわくつきの傷のある物件を買ってしまう、正式の売買契約がなかったりする。

会社に何億という損害を与えた。

誰にも相談せずに勝手に決めてしまう。

印鑑はどうしたかと言ったら、

別に総務部の保険用の社印を使って大騒ぎになったこともあります。

いわゆる年老いてから騙される。

まあ、こういうことも会社で起こるわけです。

 

要は、頭の脳も思考力もなくて、

いわゆるアルツハイマーに近くなってしまった脳で、物事を判断してしまう。本当に多くの害を、中小企業の老元社長は、事件を起こしているわけです。

普通に考えればなぜかと思いますが、

80歳の人は85歳の、85歳は90歳、

90歳は95歳を目指して老化します。

体だけでなく,脳も老化していくことは間違いないのです。

これが1番目の原因です。

2番目は年を取ると急に気が変わるのです。

理性でなく感性が中心になってしまい、気が変わるのです。

 

(井上和弘)

2025年11月14日 (金)

取得条項を活用しなさい⑤

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

⑤譲渡承認は役に立ちません

 

「取得条項付き種類株式」のことを話すと、

「うちの株を売るには取締役会の“譲渡承認”が必要なので、

 取得条項なんてなくても、どこにも売れませんよ。」

とおっしゃる方がいます。それは大きな間違いです。

 

どこの会社の定款にも確かに、

「株式の譲渡承認」という条文があります。

株式を譲渡するには取締役会の承認を得ること、となっています。

しかしこの条文は、

“売ってはいけない”という条文ではありません。

売ることはできるのです。

 

売ったあとに、その元株主から

「私が持っていた御社の株式を○○さんに売ったので、

 承認してください。」

と言ってきても、OKなのです。

会社は、その売り先がいやなら、

・会社が買い取る。

・他の売り先を指定する。

のいずれかの返事を2週間以内にする必要があります。

回答が遅れると、承認したものとされます。

 

株主には、株式売買自由の原則、というものがあります。

その売買そのものをやめさせる、ということは、

取締役会や株主総会では、できないのです。

譲渡承認の条文は、売買に関する手順を定めているだけなのです。

 

株式を売買や相続できなくするのが、

「取得条項付き種類株式」なのです。

この株式を持つ株主であるということは、

他に売買できなかったり、相続できない株式である、

と理解している、ということになるのです。

売ったあとに申し入れてきても、売買が無効となり、

会社が買い戻すこととなります。

 

ここ数年、

「少数株主の株式を会社に高く買い取らせますよ。」

という、一部弁護士の新たな商売が目につくようになりました。

まさに譲渡承認の盲点を突いたビジネスです。しかし、

「取得条項付き種類株式」であれば、このようなことも防御できるのです。

“取締役会の譲渡承認が必要だから大丈夫”という認識を、

正しておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年11月13日 (木)

取得条項を活用しなさい④

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

④非同族の社員・役員に株を持たせる場合

 

非同族の社員・役員にオーナー保有の株式の一部を譲渡する場合、

「取得条項付き株式」を活用します。

非同族の社員・役員へ譲渡する価格は、額面での譲渡が可能です。

オーナーと同族の者への譲渡なら、時価評価となります。

株式は、誰が誰から買うのか、ということによって、

価格が異なるのです。

 

非同族の社員・役員へ株式を譲渡するとなると、

「そんなことしたら、株式が相続で戻ってこなくなるじゃないですか!

 議決権も持たせるなんて、とんでもない!」

とおっしゃる方がおられます。

しかし、その心配はありません。

 

「取得条項付き」の種類株式であれば、

退職時や死亡時に、会社が買い戻すことになります。

その時の価格は、非同族から買うので、額面でOKです。

議決権を持たせるのが心配なら、

無議決権の株式にしておけばよいだけです。

 

「会社が買い戻す際に、額面では売らない!

と言われたらどうするんですか?」

といった声も出てきます。

定款には「相続税法上の評価額で買いもどす」と記載すれば、

非同族から配当還元方式で買うことが決められます。

配当還元方式で計算すれば、額面で買いもどせます。

額面にならないのは、

10%超の配当を直近2年で行っている場合のみです。

 

特に、オーナー保有の株式評価額が高額の場合、

この「取得条項付き」種類株式を活用するのが有効です。

経済的負荷を抑えて、

後継者へのスムーズな株式対策が可能になるのです。

株価が高く困っている、というのなら、

「取得条項付き」種類株式の活用を、検討してほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年11月12日 (水)

取得条項を活用しなさい③

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

③兄弟で株式を持つ場合

 

ある顧問先でのことです。

姉妹で株式を、創業者である父から承継することとなりました。

創業者は高額退職金を受け取り、株価を大きく下げたあと、

姉妹は経済的負担が少ない額で、父から株式を買ったのです。

その株式譲渡の際に、

創業者が持つ株式すべてに、「取得条項」を付けました。

「取得条項」が付いた株式を、創業者は二人の娘に譲渡したのです。

 

姉妹にはそれぞれ、夫・子供がいました。

普通株式のままだと、姉妹のどちらかに万一のことがあれば、

その株式は相続財産として、夫のものとなります。

そうなった場合、

それでは困るので、会社が買いもどすことが必要になります。

それが、すんなり買いもどせればいいのですが、

うまくゆくかどうかはわからないのです。

 

そのようなことになると困るから、ということを、

創業者の父と姉妹に説明しました。

その結果、譲渡の際に「取得条項」を付けるよう提案し、

定款変更をしたのです。

創業者である父は、「取得条項付き」株式を、

二人の娘に譲渡したのです。

これで姉妹は互いに安心されたのです。

 

もし普通株式のまま譲渡し保有しているとお互いに、

“もしどちらかに不慮の事故があったら株はどうなるんだろう”

という不安を抱えたままになります。

実際に、そうなってしまう悲劇が、

世の中には数多く起こっているのです。

姉妹経営、兄弟経営で株式を保有する場合、

そのような不安を持たぬよう、「取得条項」を活用してほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年11月11日 (火)

取得条項を活用しなさい②

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

②娘婿に株を持たせる場合

 

創業者の娘婿が二代目社長となった会社がありました。

娘は副社長として管理業務を担っていました。

当初数年は問題ありませんでした。

創業者も

「それなら娘婿に株も持たせよう」となりました。

娘に8割、娘婿に2割の株式を承継しました。

 

しかし、その数年後に娘と娘婿は離婚しました。

娘婿の浮気が原因でした。

娘婿は社長の座を辞任し、会社を去りました。

創業者から承継した2割の株式は持ったままでした。

会社としては、そのままでは困ります。

元社長へ株式の買い取り請求を出しました。

 

元社長にすれば、いろいろと恨みも高まっていたからか、

時価評価よりも高額の買取額を要求してきました。

何事も、トラブル後にお金の話になると、

高くつくのは当たり前です。

およそ1年にわたるやりとりの後、

会社はやむなく申し入れ額を払いました。

自己株式として株式を取り戻したのです。

 

もし、元社長に承継した株式が取得条項付きの株式なら、

このような高額買取にはなりませんでした。

社長を辞任した時点で、株式は会社のものとなります。

その後、お金のやり取りになります。

定款の取得条項の条文に、

「相続税評価額で買い取る」としていれば、

額面で買いもどすこともできたのです。

なぜなら、離婚をして親族ではなくなっていたからです。

 

加えて、取得条項が付いていれば、

少なくとも元娘婿の株は会社が確実に買いもどせます。

トラブルになると、

買い戻したくても安易に買いもどせないことが多いのです。

恨みが嫌がらせに発展するからです。

だから、娘婿に株式を持たせるなら、

少なくとも「取得条項付き株式」にして持たせてほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年11月10日 (月)

取得条項を活用しなさい①

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

①「取得条項付き種類株式」をご存知ですか

 

相続や離婚など、予期せぬことが起こったとしても、

不都合な人物へ株が渡らないようにできるのが、

「取得条項付き株式」です。

不用意に株式が分散することを避けるため、

新会社法施行時に加わった、種類株式のひとつです。

 

「取得条項付き株式」を持つ株主に、

定款に定めた状況が発生すると、

その株式は会社が買い戻すこととなります。

 

定款に定めた状況と言うのは、

・死亡したとき

・会社を辞めたとき

・犯罪を犯したとき

・意識不明になったとき

・株式を誰かに譲渡しようとしたとき

等、任意に複数定めることができます。

 

これらの「取得条項」を定めておけば、

その株主が万一死亡しても、配偶者の自由にはできません。

会社が買い戻すことになるのです。

その時の買取価格も定款に定めます。

「相続税法上の評価額」と明確にしておけば、

買い戻す価格で相続人とトラブルになることもありません。

 

「取得条項付き株式」を発行できるようにするには、

定款変更が必要です。

株主総会での特別決議となります。

 

しかし、ひとつ大きなハードルがあります。

発行済の普通株式を種類株式に変えるには、

株主全員の同意が必要となります。

ごく身内だけなら、何も問題はありません。

しかし、株主が多いとか、面倒な株主がいる、

等となると、株主全員の同意を得ることはかなり厳しいです。

だからそもそも、株主を不用意に増やさないでほしいのです。

 

「取得条項付き株式」を定款に定めて法務局へ登記すれば、

法的な効果を得られます。

株式が望ましくない人物の者になる、

ということは絶対にありません。そのくらい、効果があるのです。

どのような場合に使うと効果的なのか、順次書かせていただきます。

 

(古山喜章)

2025年11月 7日 (金)

金利は上げなくて結構です④

中国地方で食品製造業を営む、

広島食品(仮称)は、夫婦2人で創業し、

年商30億円まで事業を拡大してきました。

 

花子専務の支店長訪問に関して、

銀行にちょっとしたクレームを入れました。

 

すると、支店長がお詫びにきて、

奇妙なことになりました。

 

銀行は、金利は上げません

専務は、金利を上げてください

 

となんとも、奇妙なやりとりになったのです。

 

専務 

「今回の件(クレーム)は、金利交渉とは別です。

私たちは、払うものは払う、という方針です。

それはそれ、これはこれ、ですので」

 

支店長

「いやいや、そうはおっしゃっても・・・

私たちとしては、こういう形でしかお応えできないので・・・」

 

専務

「もし、金利を上げていただけないのなら、

おたくから借りているお金(借入金)は、返しますので・・・」

 

こんなやりとりがあって、

1ヶ月が経過しました。

 

支店長

「今日は、改めてご報告があります。

本店決裁を得て、

正式に金利据え置きをさせていただけることが

決まりました。」

 

専務

「・・・・」

 

このあと、花子専務は、

本当にこの銀行の借入金を返済してしまったのです。

 

通常とは、真逆の交渉になったわけですが、

ここでお伝えしたいのは、

 

金利(短プラ)があがっても、

全ての会社が銀行から金利引き上げを求められるわけではない、

ということです。

 

必ず例外はある、ということです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月 6日 (木)

金利は上げなくて結構です③

 

中国地方で食品製造業を営む、

広島食品(仮称)は、夫婦2人で創業し、

年商30億円まで事業を拡大してきました。

 

ある日、花子専務は、メインバンクの地方銀行に

電話をかけました。

 

専務 「あのぉ~、来年会社に入る息子が、

来週末に東京から戻ってくるので、

ご挨拶にいきたいのですが、どうでしょうか?」

 

支店長からも快諾してもらい、

当日、息子の一郎氏(仮名)を連れて、

メインバンクに挨拶にいきました。

 

そこで、花子専務にとって想定外だったのは、

支店長室の前で、立ち話で挨拶を済まされたことでした。

支店長室に入り、ソファに座り、ゆっくり話ができると思っていたのに、

軽くあしらわれた格好になったのです。

 

これに憤慨した花子専務は、

次の日に電話をして、クレームを伝えます。

 

「あのぉ、これまで、銀行さんには結構協力してきたと思うんですけど、

昨日の対応というのは、あまりに・・・

息子の前でとんだ恥をかかされました。」

 

口調はやわらかいですが、

ふだん、元気いっぱいで愛想の良い花子専務の

落ち着いてゆっくりした声ほど恐ろしいものはありません。

 

そのまた次の日、支店長と副支店長がやってきます。

 

「先日は、失礼しました。

以前、ご案内していた短プラ連動の金利引き上げの件、

現在、当行内で検討しており、

金利を引きあげずに済むように検討しています。」

 

このように言われたのです。

 

そこで、花子専務らしい一言が。

 

「いやいや、これで金利を上げてもわなかったら、

私が先日の件をダシにして、

金利交渉をした、というように見えてしまいますよね。

それは、私としても本意ではないので、金利は引きあげてください」

このように伝えました。

 

つまり、

 

銀行は、金利は上げません

専務は、金利を上げてください

 

となんとも、奇妙なやりとりになったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月 5日 (水)

金利は上げなくて結構です②

金利が上昇局面になって

しばらく経ちました。

 

日銀が政策金利を引き上げる(=金融引き締め)

→ 銀行の調達コスト上昇

→ 短プラ上昇

→ 企業の借入金利上昇

という流れで、

 

短プラ連動の金利で借り入れをしている会社は、

短プラがあがれば、借入金利の上昇はやむを得ず受け入れる、

という会社が多いと思います。

 

ところが、例外もあるのです。

 

中国地方で食品製造業を営む、

広島食品(仮称)は、夫婦2人で創業し、

年商30億円まで事業を拡大してきました。

 

財務体質は、堅調そのもので、

営業利益も毎期安定して確保しています。

 

福山太郎、福山花子(仮名)夫妻には、

1人息子の福山一郎氏(仮名)がおり、

来年に東京から広島に戻ってきます。

 

そうです、事業承継のためです。

 

広島食品は、現在、3行とお付き合いがあり、

各行から少しだけ借入を行っています。

 

ある日、花子専務は、メインバンクの地方銀行に

電話をかけました。

 

専務 「あのぉ~、来年会社に入る息子が、

来週末に東京から戻ってくるので、

ご挨拶にいきたいのですが、どうでしょうか?」

 

銀行「わかりました。ぜひ、いらしてください」

 

福山夫妻は、一見すると、

のんびり、マイペースな夫婦に見えますが、

あいさつ、気遣い、にかけては、

かなり気にするタイプです。

 

だから、息子が入社する半年前のタイミングで、

息子をつれて、銀行に挨拶にいこうとしたのです。

 

ここまではよかったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2025年11月 4日 (火)

金利は上げなくて結構です①

金利が上昇局面になって

しばらく経ちました。

 

お金の借り方について、

私たちは、金利については、

TIBOR + スプレッド を推奨しています。

 

TIBOR」は、銀行間の貸し出し金利です。

「スプレッド」は、企業の格付けにより決まります。

財務体質が非常に強い会社は、0.1%前後で借りています。

財務体質が堅実な会社は、0.3%前後で借りています。

 

昔は、TIBORも0%に近い水準だったので、

スプレッドと併せて、

0.1%~0.3%台という金利で借りている会社が多かったです。

 

しかし、いまやTIBORも高くなりました。

 

直近のTIBORの高騰を受けて、

財務体質が良いという会社でも、

いまや借入金利は、1%前後にまで高くなっています。

 

そして、ときどきあるのが、

「わが社は、短プラがあがったので、

金利が連動してあがりました」

という話です。

 

短期プライムレート(短プラ)とは、

「銀行が、最も信用力の高い優良企業に

短期(1年以内)で融資する際の基準金利」

のことです。


銀行が企業に貸すときの目安金利であり、

銀行間の資金コストや

日銀の金融政策(金利誘導目標)を踏まえて決まります。

 

短プラの基準は、日銀が誘導する

短期金利に強く連動しています。

 

日銀が政策金利を引き上げる(=金融引き締め)

→ 銀行の調達コスト上昇

→ 短プラ上昇

→ 企業の借入金利上昇

という流れです。

 

短プラ連動の金利で借り入れをしている会社は、

短プラがあがれば、借入金利上昇は避けられない、

ということです。

 

(福岡雄吉郎)

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