取得条項を活用しなさい②
経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。
なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、
というケースのトラブルが多いです。
それはいずれも、普通株式のままになっている、
ということがトラブルの要因です。
そうならないために使えるのが、
「取得条項付き株式」という種類株式なのです。
②娘婿に株を持たせる場合
創業者の娘婿が二代目社長となった会社がありました。
娘は副社長として管理業務を担っていました。
当初数年は問題ありませんでした。
創業者も
「それなら娘婿に株も持たせよう」となりました。
娘に8割、娘婿に2割の株式を承継しました。
しかし、その数年後に娘と娘婿は離婚しました。
娘婿の浮気が原因でした。
娘婿は社長の座を辞任し、会社を去りました。
創業者から承継した2割の株式は持ったままでした。
会社としては、そのままでは困ります。
元社長へ株式の買い取り請求を出しました。
元社長にすれば、いろいろと恨みも高まっていたからか、
時価評価よりも高額の買取額を要求してきました。
何事も、トラブル後にお金の話になると、
高くつくのは当たり前です。
およそ1年にわたるやりとりの後、
会社はやむなく申し入れ額を払いました。
自己株式として株式を取り戻したのです。
もし、元社長に承継した株式が取得条項付きの株式なら、
このような高額買取にはなりませんでした。
社長を辞任した時点で、株式は会社のものとなります。
その後、お金のやり取りになります。
定款の取得条項の条文に、
「相続税評価額で買い取る」としていれば、
額面で買いもどすこともできたのです。
なぜなら、離婚をして親族ではなくなっていたからです。
加えて、取得条項が付いていれば、
少なくとも元娘婿の株は会社が確実に買いもどせます。
トラブルになると、
買い戻したくても安易に買いもどせないことが多いのです。
恨みが嫌がらせに発展するからです。
だから、娘婿に株式を持たせるなら、
少なくとも「取得条項付き株式」にして持たせてほしいのです。
(古山喜章)
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