中小企業の元社長は必ず困った老人になるのか?➂
3.元会長に発する言葉遣いが尊敬語・丁寧語になっていない
毎年老いていく元社長と長年生活を共にしてきた元気のよい奥様から見れば、いや奥様だけでなく長男長女から見れば、
功労者の夫や父ではなく、ただただ老いぼれた近所のじいさんと同じであるようになっている。
「さあ行くわよ!帽子どこに置いたの?
忘れた!いい加減にしてよ!」
「足を上げて歩きなさいよ!またつまずいて」
「切符どこに入れたの、財布、財布には入っていないよ!」
「さっき伝えたでしょ!何!聞こえない?もー」
老社長は、かつては俊敏で、体力もあり、
元気で全力で疾走してこられた人間です。
社員間でも体力を誇っていた社長なのです。
今は85、90歳のおじいちゃんはダメ人間になっているんですね。
間違いなく年は取り、年齢は来ます。しかし、本人は解っているはずなんです。
「俺はこんなに弱くはなかった。
俺はもう少し物覚えが良かった、もう少し目も見えた、足も強かった。と。
人間って悲しいですね。
自分でもわかってるんです、衰えているということ、すべての記憶力、判断力、行動力、全部退化しているのです。
情けないと思うほど弱くなっているんです。
しかし女房や子供や孫たちは、
成功者の老元社長にきつい言葉を投げかけるのです。
もう少し尊敬語で言葉を発するのがいいですけど、すべて否定語。
「何してんの」と人を馬鹿にしたものの言い方で、
決して口から発している言葉は尊敬語ではありません。
思いやり老人を理解した優しい言葉でなく。
老人にはきつく障る言葉なのです。
老社長には、胸に刺さって、
「お前たちがこんな贅沢できるのは、誰のためや!誰のおかげや!」
と、胸の中で叫んでいるのです。
その叫びは、皆には分からないでしょうね。
それを言っちゃおしまいだと、本人も分かっているのです。
無理に抑えるから余計に怖いんです。
どっかで爆発することがあるのです。
老元社長に対する言葉は社員が発する言葉と一緒にしてほしいのです。
老元社長に従業員はそんな言葉を決して発しないのです。
毎日顔を合わす家族の言葉は、
元社長を追い込む悲しく侘しい会話になってしまうのです。
従業員が発する言葉と、
身近な一日長い時間を過ごす家族との言葉が、
あまりにも違いすぎるのです。
尊敬心が全くなく、
人間を否定するがごとき言葉遣いになっているのです。
老元社長は、だんだんとあの世が近づくにつけて、
敵心が芽生えてくるのではないでしょうか。
(井上和弘)
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