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2025年11月14日 (金)

取得条項を活用しなさい⑤

経営に関するトラブルで多いのが、株に関するトラブルです。

なかでも、経営に不都合な人物が株を持っている、

というケースのトラブルが多いです。

それはいずれも、普通株式のままになっている、

ということがトラブルの要因です。

そうならないために使えるのが、

「取得条項付き株式」という種類株式なのです。

 

⑤譲渡承認は役に立ちません

 

「取得条項付き種類株式」のことを話すと、

「うちの株を売るには取締役会の“譲渡承認”が必要なので、

 取得条項なんてなくても、どこにも売れませんよ。」

とおっしゃる方がいます。それは大きな間違いです。

 

どこの会社の定款にも確かに、

「株式の譲渡承認」という条文があります。

株式を譲渡するには取締役会の承認を得ること、となっています。

しかしこの条文は、

“売ってはいけない”という条文ではありません。

売ることはできるのです。

 

売ったあとに、その元株主から

「私が持っていた御社の株式を○○さんに売ったので、

 承認してください。」

と言ってきても、OKなのです。

会社は、その売り先がいやなら、

・会社が買い取る。

・他の売り先を指定する。

のいずれかの返事を2週間以内にする必要があります。

回答が遅れると、承認したものとされます。

 

株主には、株式売買自由の原則、というものがあります。

その売買そのものをやめさせる、ということは、

取締役会や株主総会では、できないのです。

譲渡承認の条文は、売買に関する手順を定めているだけなのです。

 

株式を売買や相続できなくするのが、

「取得条項付き種類株式」なのです。

この株式を持つ株主であるということは、

他に売買できなかったり、相続できない株式である、

と理解している、ということになるのです。

売ったあとに申し入れてきても、売買が無効となり、

会社が買い戻すこととなります。

 

ここ数年、

「少数株主の株式を会社に高く買い取らせますよ。」

という、一部弁護士の新たな商売が目につくようになりました。

まさに譲渡承認の盲点を突いたビジネスです。しかし、

「取得条項付き種類株式」であれば、このようなことも防御できるのです。

“取締役会の譲渡承認が必要だから大丈夫”という認識を、

正しておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

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