株式の買戻しは容易ではない⑤
「うちの会社は普通株式のまま、
株式の一部がすでに分散しています。」という場合、
分散した株式の買戻しに取り組むことがあります。
しかし、株式の買戻しというのは、
なかなか容易には進まないのです。
⑤別れた伴侶からの買戻しはどうするか
「嫁と別れたんですが、うちの株をもったままなんです。」
という相談がこれまでに何度かありました。
「取り戻さないとダメなんですが、連絡を取りづらくて…。」
となります。そりゃあそうです。
別れるまでに話しをつけていたらまだしも、
あとになって株の話しなど、もちかけたくはない気持ちもわかります。
しかし、そのままでは困るのです。
ある会社の社長が、別れた嫁に連絡し、
株を自分で買いもどそうとしました。
「嫁に連絡したら、“あなたにだけは絶対に売りたくない!”
と言われました。」
となったのです。
感情的にこじれて別れているのですから、そうなるのは当然です。
この場合、会社の別の者から社長の元嫁に連絡し、
後継者である長男が買い戻すことでどうか、聞きました。
「息子になら売ります。」
とあっさり承知してもらえ、時価評価額並みで買いもどしたのです。
息子が買い取る資金は、社長が息子に貸し付けました。
お金の出どころは同じなのですが、
そこまでは元嫁に伝える必要はなく、事なきを得たのです。
逆に、オーナーの娘と娘婿が別れ、娘婿が会社を離れたあと、
株を買い戻すのに高値を払わされた、ということもありました。
その男性の場合、時価評価額より少し高い値段を言いつけてきました。
本来、別れてしまえば他人なので、
会社が買い戻せば額面でも法的には買い取れます。
しかし、このような場合、そういうわけにもいきません。
株数も多くはなく、会社にはお金があったので、言い値で買いもどしました。
このように、伴侶が株を持った状態で離婚してしまうと、
株式を買いもどすにも苦労するのです。
だから前回書いた通り、
取得条項を付けた種類株式を活用しておいてほしいのです。
そうしておけば、ここで述べたような苦労は、一切不要なのですから。
(古山喜章)
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