株式の買戻しは容易ではない➂
「うちの会社は普通株式のまま、
株式の一部がすでに分散しています。」という場合、
分散した株式の買戻しに取り組むことがあります。
しかし、株式の買戻しというのは、
なかなか容易には進まないのです。
➂法人からの買戻しは担当者の立場を考えなさい
株主名簿を拝見すると、
まったく別の上場会社などが株を持っている場合があります。
先代が相続対策で譲渡していたり、
取引の経緯で株式を持ってもらっていたり、理由はざまざまです。
しかし、今となっては株を持ってもらう意味がなく、
このままでは現経営者の相続対策も進めづらい場合があります。
その場合は、その法人から自己株式として、
会社が買い戻すことが多いのです。
ただ、多くの場合、なぜそうなったのかという事の経緯を、
売った側も買った側も誰も知らないのです。
その株式を買い戻すのですから、簡単には進みません。
株式を買い戻す際、売る側の大会社の窓口は概ね、
法務関連を担当する課長か部長クラスになります。
保有する株式を売る立場の担当課長か部長にしてみれば、
会社が持つ資産の売却について、
上層部や役員に稟議を上げお伺いをたてることになります。
売却することで稟議を通すとなると、それなりの理由が必要なのです。
であれば買う側も、その立場を理解した上で、
株式買い戻しの提案をすべきなのです。
ある会社で、上場会社から株式を買いもどした事がありました。
20年以上前に譲渡しており、事の経緯を知る者は双方おりませんでした。
毎年配当を若干しつづけていたので、
その35年分以上の配当額に相当する金額で買い戻すことを提案しました。
今後35年間、今と同じ配当をし続けれるかどうかはわからない、
ということと、
今ならこの金額で買わせていただくことができます、
ということを数字とともに文書にし、提案書を担当部長に提示しました。
その部長は言いました。
「こういう文書があると社内で話しを通しやすいです。」
となり、買い戻しが承認されたのです。
このように、法人から買い戻す際には、
その窓口となる担当者の立場を踏まえたうえで資料を整え、
話しを持ちかければ、比較的スムーズに進むのです。
“買戻しさせてください”だけでは、事はうまく進まないのです。
(古山喜章)
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