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人事・労務

2023年11月 2日 (木)

労務コストを削減せよ④

労務コストはまだまだ上昇します。

賃金を大幅に上げなければ、採用の応募さえない状況です。

加えて、

“今の収益状況では、賃金を上げるにも限界がある”

という中小企業がまだまだ多いのです。

これからの労務コストについて、考えてゆきます。

 

④粗利益なくして他社に勝つ労務対策はできない

 

給与相場はまだまだ上昇傾向です。

となると、これまでの賃金提示では、採用はできません。

近隣相場以上の給与額を提示することが必須なのです。

「そんな高い給料を払っていたら、やっていけません!」

そのように嘆く社長もおられます。

しかし、嘆いてもどうにもならないのです。

そのような経営環境に変わってゆくのです。

 

採用できる高い給料を払うには結局、

粗利系(売上総利益)を上げることです。

給料は粗利益から捻出されてゆくのです。

粗利益なくして他社に勝つ労務対策はできないのです。

 

粗利益(売上総利益)はその会社の商品力を示します。

高価格でもお客様が買ってくれるなら、

それだけ商品力がある、ということです。

この30年のデフレの間、いかに安く売るかに注力してきました。

そのなかで給与を抑え、サービス残業等に甘えてきたのです。

しかし今やそのようなことはできません。

これからは、いかに高く売るか、を考えてほしいのです。

 

とはいえ、

高く売っても稼いでなければ意味がありません。

ある会社でのことです。

売上高のランキングと粗利益を見ると、

3位の商品の粗利益が低いのです。社長に聞くと、

「この商品は単体でみたら営業利益はマイナスです。」

とおっしゃるのです。

「だったらまず、値上げ交渉をして下さい!」

と私が言うと

「いやぁ、あんまり強気に出て取引をやめられたら…。」

と尻が重たいのです。

「赤字を垂れ流して続けても意味がないじゃないですか!」

と、ようやくその社長は交渉に出かけました。

先方の社長に状況をお伝えし、値上げを交渉しました。

すると先方の社長が言いました。

「えっ、そんな値段になっていましたか。それは失礼しました。

 今月分からきっちりと値上げを受けさせてもらいます。」

とすんなり価格が上がり、その社長は拍子抜けされたのです。

「こんなことならもっと早く交渉に行けばよかったです。」

 

このようなことが実際にあるのです。

価格交渉だけではありません。

稼いでいない商品や売り先をやめるだけでも、粗利益は増えます。

その稼がない商品よりも粗利益を残す売り物、売り先、

売り方に注力すれば、粗利益は増やせれるのです。

 

給与相場は今後も上がり、どこかで止まります。

それが標準になってゆくのです。

上昇した新たな賃金相場でも採用に負けない会社にするなら、

まずは自社の粗利益(売上総利益)を磨いて増やしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年11月 1日 (水)

労務コストを削減せよ➂

労務コストはまだまだ上昇します。

賃金を大幅に上げなければ、採用の応募さえない状況です。

加えて、

“今の収益状況では、賃金を上げるにも限界がある”

という中小企業がまだまだ多いのです。

これからの労務コストについて、考えてゆきます。

 

➂従来の賃金制度を捨てる時が来た

 

日本の賃金制度はこれまでほぼ、

職能資格制度による賃金制度が運用されてきました。

等級と号俸を用いる制度です。

3等級なら係長、4等級なら課長で、

その等級の号俸が上がることで昇給してゆく、という制度です。

その等級と号俸を見直すための、人事考課制度を併用する形で、

大企業から中小企業に至るまで、長らく運用され続けてきました。

 

が、どこの会社も感じているのが、

「もうこの制度では対応できない」ということです。

細かな等級要件を決め、手間のかかる人事考課を行ったところで、

実態に見合わない、という結論に至ってしまうのです。

結局、鉛筆なめなめで社長が独断で決めた賃金や手当のほうが、

仕事の出来栄えにあった感じがするのです。

 

職能資格制度による賃金制度は、年功序列です。

年齢を重ねるほど、大小の幅はあれど賃金は上がり続ける仕組みです。

しかし、

それでは若手人材を採用するに見合う賃金を設計できないのです。

つまり、若い人材が豊富で採用に困らない時代の制度なのです。

その制度で現在の労務環境に対応できるはずがありません。

そんな旧式の労務制度は捨てる時がきたのです。

 

40代、50代になっても賃金表や職能要件表に照合して昇給してゆく、

というのはやめるべきです。

時間の経過で賃金が上がってゆくのは、35歳程度までで十分なのです。

それくらいまでは、職場での習熟でスキルアップしてゆくでしょう。

しかし、それ以降となると、

仕事ができる社員とそうでもない社員が分かれてきます。

その仕事の出来栄えに合わせて、時価評価で毎年の賃金を決めてゆく、

といった仕組みにじわじわと、日本の賃金の仕組みは変わると思うのです。

加えて、役職手当はある程度のランク幅を持たせ、

どのランクか決めればいいのです。

 

人事考課も今のような、細かい評価項目まで不要です。

5項目を5ランク評価、くらいで十分です。

あとは各人が発揮した仕事内容と期待値の確認です。

プロ野球の契約更改時の交渉のようなイメージです。

これは個々に面談が必要でしょうが、

手間がかかるだけで納得感のない現在の評価制度より、よほどましです。

 

いま、日本の賃金システムは新たな時代への対応に変わる移行期です。

その変化に対応出来るよう、中小企業も現状の賃金制度を捨て、

次はどのような仕組みがよいのか、検討しておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年10月31日 (火)

労務コストを削減せよ②

労務コストはまだまだ上昇します。

賃金を大幅に上げなければ、採用の応募さえない状況です。

加えて、

“今の収益状況では、賃金を上げるにも限界がある”

という中小企業がまだまだ多いのです。

これからの労務コストについて、考えてゆきます。

 

②労務コスト対策は業種によって異なります

 

労務コスト対策は、大きく4つの業種によって異なります。

 

1)労働集約産業

 飲食・小売業、建設業、人的サービス業など。

 人員数をどのように集め、早期に育てていかに定着を図るのか。

とにかく人数がたくさん必要です、という事業です。

また、集めたからと言って、現場で早期退職するようでは、

採用の自転車操業に陥ります。

早期育成のために動画やリモートを活用して教育する。

福利厚生を数的に充実させて、帰属意識を高めるなどの工夫が必要です。

 

2)設備集約産業

 メーカー、不動産賃貸業、卸売業など。

 さほど人数はいらないものの、管理人材やオペレーター

などの人員はある程度必要になります。

絶えずライバルよりも高い報酬で人を集めれるよう、

自社の設備を磨いて優位性を確保し、

十分なキャッシュを確保しておく必要があります。

定着のための仕掛けは数よりも質的な充実が求められます。

 

3)設備集約&労働集約産業

 病院、介護、ホテル、施設サービス業など。

 人数も設備も必要とする業種です。

基本、労働集約なので、ライバルよりも高い報酬であることは

もちろんですが、教育や福利厚生にも注力が必要です。

財務的には、設備を自社で持たずに別会社で持つ、

借りる、といった施策も必要になります。

数ある老舗百貨店で、単独で生き残っているのは高島屋のみです。

それは、自前で土地・建物を持たず、借りているから、

高い固定資産税などで体力を奪われず生き残れているのです。

 

4)知的集約産業

 ファブレスメーカー、ITサービス、コンサルタント業など。

 有名どころでは、アップルやキーエンスなどが

ファブレスメーカーの代表格です。ITサービスならグーグルです。

人材確保の特徴は、圧倒的な高額報酬を提示し、

優秀な人材を採用することです。

そして質的に充実した福利厚生や職場環境です。

私たちの顧問先でも、実現している会社があるのです。

大企業しかできなき、というわけではないのです。

 

自社の事業は1)~4)のどのタイプでしょうか。

ここを取り違えると、意味のない労務コストとなり、死に金です。

中小企業にそのような余裕はないはずです。

まずは自社がどのタイプに該当するのかを踏まえたうえで、

現状の施策を振り返って検証してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年10月30日 (月)

労務コストを削減せよ①

労務コストはまだまだ上昇します。

賃金を大幅に上げなければ、採用の応募さえない状況です。

加えて、

“今の収益状況では、賃金を上げるにも限界がある”

という中小企業がまだまだ多いのです。

これからの労務コストについて、考えてゆきます。

 

①労務コストは給与だけではない

 

労務コストというと、

給与・賞与のことだと思いがちですが、それだけではありません。

 

例えば法定福利費も労務コストです。

社会保険、雇用保険、労働保険等の各種保険料です。

給与や報酬の○○%、という形で有無を言わさず支給額が決まります。

いずれも財源が不足しているので、まだまだ上昇します。

おおむね、給与支給額の約15%程度になります。

名称の聞こえはいいものの、税金とほぼ変わりません。

 

採用にかかるコストも労務コストです。

条件が良くないのに、高額の募集広告費を払っても、

応募者が来ません。

条件を整え、ホームページを磨き、掲載媒体を考慮し、

書き方を考えなければならないのです。

広告なのですから、他社より目立ち、

見る人に刺さるような内容であってほしいのです。

 

人材紹介の手数料もそうです。

派遣社員や各種資格者など、

やむを得ずに人材紹介を活用する会社も多いです。

しかしこの手数料が高くつきます。

それでいて、いい人材に当たるのは、

10人に1人くらいの感覚です、

と皆さん言われるのです。

 

無事に採用しても、定着が悪い会社だとすぐに退職します。

でまた、募集広告をうち、人材紹介を受けます。

これではお金がかかってばかりです。

ということは、定着してもらうための、

福利厚生や教育などに、コストをかける必要があるのです。

今の時代、定着せずにまた募集すると、

そっちのほうが時間もお金もかかるのです。

 

加えて、間接的な労務コストもあります。

通勤交通費、駐車場代、健康診断、ロッカー、制服、等など。

これらのコストもじわじわ上昇しているはずです。

値上げが進んでいるから当然です。

 

賃金は上げざるを得ず、賃金以外の費用も上昇します。

そのような経営環境になってきたのです。

これは変えようがありません。

環境にあわせてどう対応してゆくのか、

労務コストの考え方を抜本的に見直す時代に、突入してきたのです。

 

(古山喜章)

2023年4月 7日 (金)

賃上げはしたけれど ④

労務費は最大の固定費です。

そうとはわかっているものの、

世間相場からかけ離れた賃金では、人材の定着も確保もできません。

なので、中小企業も多くは何らかの形で賃上げをしています。

高コスト環境のなか、いかに賃金を上げるのか。

経営者の悩みは尽きないのです。

 

④人員数を減らす、デジタル化を進める

 

賃金を世間相場に合わせるべく、賃上げはしたけれど、

「営業利益がその分、下がりました。」

では話しになりません。

投じた労務コストに対する生産性が上がらなければ、

賃上げもムダな投資となってしまうのです。

 

生産性を上げるべく、各社さまざまな取り組みをされています。

メーカーなら

・受発注業務のシステムを刷新して、手作業や確認作業が減りました。

・生産ラインと工程を改善して、必要人員を減らしました。

・人がやっていたことを機械化、ロボット化しました。

・粗利益の悪い商品を辞めるなど、製品構成を変えて粗利益を増やしました。

・現場の知恵で歩留まりを減らし、粗利益が改善されました。

 

飲食・小売り・サービス業なら

・会計システムを変えて接客時間を短縮しました。

・紙の帳票類をなくし、作業や保管の簡素化しました。

・商品構成を見直してロスを減らし、粗利益が増えました。

・原材料見直し、仕入れ先見直しで、原価を下げました。

・新たな商品・サービスで、粗利益が増えました。

 

卸売業なら

・受発注業務をシステム化して、作業時間の短縮ができました。

・配送エリアを見直して、かかるコストを減らしました。

・扱う商品構成を見直して、粗利益が増えました。

・納品の後工程を取り入れてサービスにし、粗利益が増えました。

・システム化でピッキング作業を短縮できました。

 

等など、取り巻く環境からすれば、賃上げは必要だけれども、

上がる労務コストを吸収すべく、知恵と工夫を凝らしているのです。

他にも電気代、運賃、各種原材料など、あらゆるコストが上がるのです。

 

長く続いたデフレ環境では、いかに安く売るか、

に注力してきた企業が多かったのです。

しかし、デフレが終わりインフレ傾向にある今後は、

いかに高く売るのか、に注力することです。

商品力を高めて、粗利益を増やすことです。

そうしなければ、上昇するコストを吸収できないのです。

もう、コロナのせいにはできません。

変化する環境に対応できる会社が、生き残ってゆくのです。

 

(古山喜章)

2023年4月 6日 (木)

➂住宅手当や家族手当はいつまでつけるのか

中小企業の手当には、依然として、

住宅手当や家族手当がついているケースが多いです。

上場企業の場合、

住宅手当や家族手当はなくす方向に動いています。

2020年4月から施行された、同一労働同一賃金への

法改正がきっかけです。

 

正規社員でも非正規社員でも、同じ業務内容なら、

同じ賃金にせよ、という法改正です。

その「同じ賃金」という言葉には、「同じ手当」も含まれます。

その解釈の元、

正社員に家族手当や住宅手当が付与されるなら、

長期的継続雇用の非正規社員にも、家族手当や住宅手当を

付与しなければならない、という最高裁の判決が出たのです。

 

そもそも家族手当や住宅手当は、

業務内容に関係なく正社員であれば一律に付与される手当です。

一律に支給するのなら、

継続的に雇用している非正規社員も同等である、

との判断だったのです。

 

いずれにせよ、家族手当や住宅手当は、

仕事の出来栄えに関係の無い手当です。

就労状況や環境が数十年前とまったく異なる今、

いつまでも当たり前のように支給し続ける手当ではないのです。

共働きが普通になり、

二人の収入で家計を維持することが多くなったいま、

家族手当や住宅手当の導入当初の考え方とは、ズレがあるのです。

 

家族手当を廃止し、その後は同額を調整給として支給する。

その後3年間の人事考課の結果をもって、

その調整給を基本給に上乗せ、減額、削除、

のいずれかとする、とした会社も出てきました。

 

住宅手当については、多くの場合、

勤続年数や年齢で制限を設けています。

今年度の入社の者まで対象、等と新たに決めれば、

いずれは対象者がなくなってゆきます。

 

それでも採用の為には必要、というのならば、

継続的な支給や一律の支給にならないよう、

制限を設ける新たな支給基準に見直してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年4月 5日 (水)

賃上げはしたけれど ②

労務費は最大の固定費です。

そうとはわかっているものの、

世間相場からかけ離れた賃金では、人材の定着も確保もできません。

なので、中小企業も多くは何らかの形で賃上げをしています。

高コスト環境のなか、いかに賃金を上げるのか。

経営者の悩みは尽きないのです。

 

②若手に厚く賃上げするにはどうすればいいのか

 

給料を上げるにあたって、最もよく聞く悩みは、

「ベースアップしたいんですが、

 若手社員により厚く賃上げするにはどうすればいいのか。」

というものです。そこには、

“今後の採用には若手の給与をより厚く上げておきたいし、

若手の人材流出も抑えて定着化をさせたい。”

という思いが経営者にはあるのです。

それに、

“一律で全社員の給料を上げるほどの原資はないし、

 今後の成長が期待しづらい高齢人材の給与は、

 上げるにしてもほどほどにしたい。”

とお考えの方が多いのです。

中小企業の現実を拝見していると、その通りだと感じることが多いです。

 

ある会社の賃上げは、ひとり平均1万円のベースアップでした。

平均1万円、ということは、人によって金額がばらつきます。

その会社では、年齢で係数を用いて金額の差をつけました。

42歳を起点に、それよりも若い社員は1万円よりも多く、

42歳よりも高齢の社員は1万円よりも少なくなる、

という仕組みです。

 

具体的には、

年齢ごとに1万円に対して掛ける係数を定めます。

42歳が起点なので、42歳の場合、1万円×1.00です。

つまり、1万円です。

42歳よりも若い、例えば

41歳なら、1万円×1.0510,500円、

42歳なら、1万円×1.1011,000円、

といった形で、若くなるにつれて係数を上げてゆきました。

逆に42歳よりも高齢の方には、

43歳なら、1万円×0.959,500円、

44歳なら、1万円×0.909,000円、

といった形で、高齢に連れて係数を下げてゆきました。

こうすることで、若手の賃上げが厚くなるようにしたのです。

 

その会社は、42歳よりも高齢社員の人数が多いです。

なので、若手の計数を少し高くしても、

平均すればひとり1万円のベースアップ、という形に落ち着いたのです。

 

一律に大きくベースアップできるなら、

それにこしたことはないです。

しかし多くの中小企業では、若手に厚く賃上げしたいのです。

言い方を変えれば、投資効率を考えて賃上げしたいのです。

そのひとつの方法が、

年齢ごとに係数を変えて賃上げ額を決める、

というやり方なのです。

 

(古山喜章)

2023年4月 4日 (火)

賃上げはしたけれど ①

労務費は最大の固定費です。

そうとはわかっているものの、

世間相場からかけ離れた賃金では、人材の定着も確保もできません。

なので、中小企業も多くは何らかの形で賃上げをしています。

高コスト環境のなか、いかに賃金を上げるのか。

経営者の悩みは尽きないのです。

 

①インフレ手当でいつまで切り抜けるのか

 

「賃上げはしないといけないと思いますが、

 すぐのベースアップはきついので、世間で言う“インフレ手当”

 を支給することにしました。」

という中小企業経営者の声を、この半年ほどで何度かお聞きしました。

金額をお聞きすると、月額7千円~1万円程度が多いです。

「ベースアップで上げてしまうと、物価がもとに戻っても

 上げた給与は下げれないから。」

というお声もよく聞きました。

 

では、このインフレ手当を今後、どうするのか、

という課題が残ってきます。

一時的な物価高なら、どこかでインフレ手当を打ち切ることもできます。

が、今の物価が標準になりそうなものが多く、

支給を完全に打ち切って終わり、というわけにはいかない状況です。

 

結局、インフレ手当を支給している会社はいずれ、

その手当額をベースアップや昇給に転嫁してゆく、

という形になりそうです。

今年度のベースアップには組み込まず、

来年度も現状の物価の流れであれば、

インフレ手当を原資に来年度のベースアップと昇給を行う。

その際には、個人別の評価をもとに昇給することになるでしょう。

いずれにせよ、労務コストは上昇することになりそうです。

 

しかも、インフレ手当にせよ、特別賞与などにせよ、

「支給しても社員のモチベーションが上がるのは一週間くらいですよ。」

と嘆く経営者の多いこと。

それでも、

従業員の定着や成長を図り、少子化のなか採用するには、

世間並みの給与や処遇が欠かせません。

 

この一年間で、販売商品の構成比率が変わり、

売上高は変らないものの、

売上総利益率が約4%伸びた会社がありました。

そのような会社であれば、労務コストのアップ分を吸収できます。

労務コスト上昇も、前向きにとらえて行動できます。

しかし、売上総利益率は伸びない、

人員は減らない、労働時間数も減らない、

ということでは、労務コスト上昇に対してネガティブになるばかりです。

 

今後、間違いなく労務コストは上がるのです。

それを吸収するためにも、商品力を磨き商品構成を変える、

デジタル化やシステム化、外注化により、

人員削減、労務時間削減を実現させてゆく。

といったことに、取り組んでほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年11月 4日 (金)

給与制度の変革時代④

「今の給与制度のままでは、

 これからの環境変化に適応しきれない」

と感じておられる中小企業の経営者が多いです。

30年間のデフレが終わりつつある昨今、

給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。

 

④人数を減らし賃金を上げ、人材確保力を高めなさい

 

顧問先の会社で、来年新卒採用の初任給を聞きました。

水道工事を主たる事業とする会社です。

経営者が言いました。

「今回はぐっと上げて、303,000円です。」

「えっ!30万ですか!」

「それぐらいしないと、今の世の中、

水道工事屋に新卒なんてきませんよ。」

と言われ、まあ、それもそうだな、と納得してしまいました。

 

「ということは、他の社員もそれなりに、給与を上げるんですか?」

「まあ、そうなるでしょうね。」

その会社は、顧客のニッチなニーズに対応する、高収益体質です。

そもそも、これまで高額の賞与を支給しています。

その部分を世間並みに抑えれば、基本給を大幅に上げても、

トータル的な労務費でいえば、そう大きく上げずに対応できる、

というわけなのです。

社員にしても、賞与が減っても月齢給与が上がり、

年収ベースで変わらなければ、不満は出ないのです。

 

今後、賃金相場は間違いなく大きく上がります。

その相場に大きく乖離がある給与では、人材を確保することは、

とうていできないのです。

では、今の人数で給与を大きく上げれるか、と言えば、

多くの中小企業は対応できないはずです。

冒頭にあげた会社も、少人数で運営する形にしたからこそ、

新卒初任給を大きく上げることができたのです。

 

人数を1割減らし、給与を1割上げる。

まずはこの数字を目標に、

デジタル化、システム化、機械化、ロボット化、

などにより、生産性を向上させることです。

 

加えて、提供する商品・サービスの価値を高め、

売上総利益を上げるのです。

「あんたとこやないと困る。」

と顧客から言われる存在になることです。

それが、商品力であり、粗利益となるのです。

 

粗利益を上げ、人員数を減らし、賃金を大きく上げる。

その際の給与制度は、

業績貢献度の大きい立場・役割ほど、大きく報いる制度にする。

高コスト時代となる今後、

人材確保力の強い会社が、より強い会社となってゆくのです。

 

(古山喜章)

2022年11月 2日 (水)

給与制度の変革時代➂

「今の給与制度のままでは、

 これからの環境変化に適応しきれない」

と感じておられる中小企業の経営者が多いです。

30年間のデフレが終わりつつある昨今、

給与制度は変革の時代に入ろうとしているのです。

 

➂職能資格型より、職務資格型が現実的

 

中小企業を含めて日本の多くの会社は、

今も職能資格制度による給与体系で運営しています。

それが、「Aさんは〇等級の〇号俸」という形で

基本給を決める仕組みです。

1等級から2等級へと等級が上がるには、

人事考課や昇格試験を連携させます。

 

そして、各等級に所属する社員から、

その等級に見合った役職者を選びます。

3等級は主任・係長、などと、能力と役職をひもづけているのです。

その等級の人物は、その役職となる仕事の能力がある、

という考え方です。

なので、まずは係長なら係長に該当する等級になることが、

先決になります。

 

しかし、大企業はともかく、

中小企業の場合、そもそも有能な人材が少ないです。

その等級から選ぶ、というほど潤沢な人員状況ではありません。

 

「店長は3等級なんですが、他に3等級の社員がいません!」

出店が続いた小売業の会社で、このようなことがありました。

「じゃあ、2等級の山田さんを3等級に上げて店長にしよう。」

と、等級昇格のルールなどおかまいなしに、

無理くりに3等級にあげて店長にしたのです。

その後もそのような人事が乱発し、

イレギュラーな対応ばかりになっていったのです。

 

結局、その会社では

「うちにこの制度では、実態とそぐわない。」となりました。

変わって始めたのが、職務資格型です。

店長になれば3等級、という具合に、

職位を優先する制度に変えたのです。

そうすれば、待遇も職位に合わせて変わります。

役職を降格すれば、給与も減ります。

 

「うちにはこのほうが使いやすい。」

となり、今も職務資格型の給与体系で運営されているのです。

「職能資格型はなじまない」

「処遇に不具合が多々生じている」

という会社は、役職で等級を決める、

職務資格型の給与制度への見直しをお勧めしたいのです。

 

(古山喜章)

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