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人事・労務

2022年7月 8日 (金)

福利厚生が見直されつつあります。⑤

バブルが崩壊してデフレに突入後、

従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。

しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、

福利厚生を見直し始めている中小企業が、

ポツポツと出始めているのです。

 

⑤従業員持株会制度の活用

 

中小企業における、従業員持株会制度の活用も、

まだまだ少ないのが現状です。

以前にも書いたとおり、

・議決権無し

・配当優先

・取得条項付き(分散防止)

の種類株式として活用すれば、立派な福利厚生として、

喜ばれます。

 

しかし、先日紹介した社内預金制度と同様、

「うちの会社に株を買ってくれる従業員なんていませんよ。」

という社長の声が、必ず聞こえてくるのです。

確かに多くの従業員はそうかもしれません。

 

それでも、中に一人、二人、

「銀行に預けるよりも、配当で5%もらえるならやります!」

という従業員が出てきます。

で、実際にその従業員たちが配当を受け取ると、

同僚に言い始めます。

「確実に得するよ!どうしてやらないの?」と。

すると、じわじわと増えてきます。

特に、そのような流れのなかで、独身の従業員は、

家族など誰の了解も必要ないので、

「じゃあ、私も参加します。」となります。

 

持株会のメンバーには、年に一度、業績報告の場を設け、

その期の配当を発表する儀式を行います。

種類株式にしておけば、その場が種類株主総会、

ということにもなります。

従業員の経営参画意識も高まります。

 

それに何より、従業員持株会が存在している会社は、

事業承継対策時に、高齢オーナーが持つ株式を、

移動させやすくなります。

“従業員持株会で活用するので持株会へ譲渡する”

という大義名分ができるからです。

オーナー保有の普通株式を無議決権の種類株式に転換し、

持株会へ譲渡すれば、額面で移動可能です。

 

特に、

先代やその奥様が高齢なのに、普通株式をたくさんお持ちなら、

従業員持株会を活用する策は、かなり有効な手立てとなります。

思い当たる節があるなら、ぜひとも、

検討いただきたい福利厚生のひとつなのです。

 

(古山喜章)

福利厚生が見直されつつあります。④

バブルが崩壊してデフレに突入後、

従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。

しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、

福利厚生を見直し始めている中小企業が、

ポツポツと出始めているのです。

 

④日常生活のサポート

 

採用面でのアピールになる福利厚生としては、

キャリアアップや日常生活をサポートするタイプのものが、

増えつつあります。

 

キャリアアップで導入が進んでいるのは、資格取得支援制度です。

資格取得に関する費用を福利厚生費として負担し、

資格取得後は、資格手当を支給する、というものです。

取得時の費用は、セミナー受講費、書籍代、受験料など、です。

手当額の大小を問わず、何らかの形で導入している企業は、

厚生労働省の調べでは、約48%と言われています。

 

しかしながら中小企業の場合、制度はあるものの、

資格手当の負担分だけ人件費が増えるので、

手当額としては、まだまだ少額な会社が多い、というのが実態です。

魅力ある福利厚生としてアピールしたいなら、

従業員数を減らして、その分、資格手当の金額を増額してほしいのです。

中途半端な金額の手当てでは、手間がかかるだけなのです。

 

キャリアアップで意外に進んでいないのが、

書籍購入に対する福利厚生です。

人材が成長するには、読書が欠かせません。

それなのに、経費で書籍を購入しているのは、

中小企業ではせいぜい、取締役か部長クラスまで程度です。

 

年間上限を定めるなどし、

一般社員クラスにこそ、広めてほしい制度です。

「うちの社員は本なんか読みませんよ!」

と思うかもしれません。

が、喜ぶ人が少数派でもいるはずです。

読書量や書籍内容がわかれば、

学び癖の有無や、興味・関心の方向もわかります。

自分の成長に熱心な人材を発掘できるだけでも、収穫なのです。

 

日常生活のサポート型福利厚生では、

託児所費用を支援する子育て支援制度や、

家事代行サービスを優待価格で受けれるなど、

夫婦共働きを前提とする内容のものが増えつつあります。

そのようなサービスを、

福利厚生として請け負う事業者も増えています。

こちらのベアーズなどは、そのはしりかと思います。

 

就職活動をする人にとって、福利厚生は比較しやすい項目です。

人材採用がますます厳しくなるこれからの時代、

入社を検討する人たちにとって魅力的な福利厚生を、

少しでも揃えておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年7月 6日 (水)

福利厚生が見直されつつあります。③

バブルが崩壊してデフレに突入後、

従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。

しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、

福利厚生を見直し始めている中小企業が、

ポツポツと出始めているのです。

 

③わが社には、社内預金制度があります

 

ある会社の決算書を拝見していると、

流動負債の預り金が妙に大きいことに気づきました。

「この大きい預り金は何ですか?」

と聞くと、その会社の社長は嬉しそうに答えました。

「わかりましたか。

 わが社には、社内預金制度があります。

 従業員からお金を預けてもらって、金利を払うんです。

 福利厚生のひとつとして取り組んでます。」

とのことだったのです。

 

気になるのは金利です。

「金利は5%にしています。

 銀行では絶対にない金利なので、従業員はみんな喜んでます。」

とのことだったのです。

 

その会社は年商60億円前後です。

社内預金で集まっている預金が、5~6千万円です。

5%の金利だと、年間250万円~300万円です。

お金を預けた従業員には年に一度、年払いで金利を払っています。

勤続5年以上なら、誰でも参加できる仕組みにされていました。

「喜ばれるかどうかわからない福利厚生にお金を費やすより、

 こっちのほうがいいですよ。」

とは、社長の言葉です。

 

金利は約20%の源泉分離課税です。

金利の支払い時に差し引き、税金は会社で納付しています。

給与所得ではないので、

社会保険等の算定報酬月額にも加味されません。

よく、景品や賞品・報奨金など、

金品やそれに近いものを福利厚生として支給すると、

「それは給与の扱いになります。」と言われます。

社会保険等の金額にも影響を及ぼします。

預金に対する金利なら、そのようなこともないのです。

 

また、その会社では、要望があればいつでも返金しています。

「返金を申し出る社員は、何か大きな買い物か子供の学費か、

 あるいは借金でもあったのか、そんなこともわかります。」

とのことなのです。

 

会社にとっては資金調達にもなり、従業員には喜ばれています。

このような仕組みや少人数私募債を、

従業員対象に取組んではどうか、と言うと、

「いやぁ、うちには会社にお金を預けるような社員はいませんよ。」

と返答されます。

しかし現実に、うまく活用されている会社もあるのです。

 

資金調達は銀行や経営者だけではありません。

少し大きな視野で資金調達を考えることも、

これからの時代には必要となります。

あまり役立っていない福利厚生があるのなら、

金利で報いる方法に切り替えることも、検討してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年7月 5日 (火)

福利厚生が見直されつつあります。②

バブルが崩壊してデフレに突入後、

従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。

しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、

福利厚生を見直し始めている中小企業が、

ポツポツと出始めているのです。

 

②特別休暇を与える

 

サラリーマンの男女に、

どのような福利厚生がほしいか、というアンケートをすると、

上位に入るのがこの「特別休暇」が欲しい、という答えです。

要は、休日が増えてほしい、と考える働き手が多いのです。

 

多いのは、

誕生月に特別休暇を1日付与する、バースデー休暇です。

あと、じわじわと事例を見かけるのが、

人間ドックと抱き合わせにした、ヘルスケア特別休暇です。

特別休暇を1日付与して、人間ドックの費用も福利厚生で負担する、

といったものです。

 

40歳以下なら人間ドックの必要性をあまり感じませんが、

40歳を超えた社員だと、健康面を気にする人が増えるものです。

その人たちに合わせた福利厚生として活用する、

という中小企業が出てきています。

 

とはいえ、

1日程度の「特別休暇」なんていらない、という社員もいます。

その場合は、「特別休暇」か、その月だけの「バースデー特別手当」か、

と、選べるようにしている会社もあります。

その会社では、「特別手当」を15000円に設定しています。

休暇はいらないから、15000円の手当てを受け取るほうがいい、

という従業員も、それなりにおられるようです。

 

従業員の価値観も多岐に渡る時代です。

かつてあった社員旅行や大宴会、保養所の活用など、

会社から一方的に押し付けるタイプのものは、好まれないようです。

 

1週間程度の大型特別休暇を提供できれば、

それにこしたことはありません。

が、中小企業では限界があります。

少なくとも、

福利厚生としてのメニューを増やす、という考え方でいいのです。

1日か2日の特別休暇を付与し、加えて、

有給休暇は100%消化しています、

ということであれば、会社の魅力も増します。

 

これからは、人材確保がますます厳しくなる時代です。

通常の公休日以外に、「特別休暇」の導入も、

検討していただきたいのです。

 

(古山喜章)

2022年7月 4日 (月)

福利厚生が見直されつつあります。①

バブルが崩壊してデフレに突入後、

従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。

しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、

福利厚生を見直し始めている中小企業が、

ポツポツと出始めているのです。

 

①自動販売機によるサービス活用

 

先日、建設業を営む会社の方が、

「敷地内の飲料の自販機を半額以下にして、

 ベンダーに払う不足分は福利厚生にすることにしました。」

と、お聞きしました。

「これからの暑い時期は特に、喜ばれています。」

と言うのです。

 

通常設置されている自販機よりも若干安く買える、

という自販機は、以前からも時々見かけます。

なかには、特定のメダルを支給して、

そのメダルを使えば無料、という形式にしている例もあります。

 

ここ数年で出てきたもので言えば、

ICタイプの社員証をかざせば、

キャッシュレスで買えるという、オフィスペイですね。

オフィスペイ|仕事場をキャッシュレス化、無人オフィス運営 (officepay.jp)

しかも、その社員証で月額1000円分を買える、

等と管理部門で個々に設定できて、福利厚生として活用できる、

という点で、デジタル時代に適した形になっています。

 

タイムカードをデジタル化していればこそできる、

新たな福利厚生サービスです。

アナログ型の紙のタイムカードでは、こんなことはできないのです。

 

自動販売機で最近新たなことに取組んでいるのは、

サントリーです。

「社長のおごり自販機」というのが広がりつつあります。

【公式】2人でタッチすると無料になる!?社長のおごり自販機 | サントリー (suntory.co.jp)

これもICタイプの社員証を活用するタイプです。

社員2人で社員証をかざせば、1人1本、ドリンクが出てきます。

2人で、というのは、

コミュニケーションを活性化させるため、だそうです。

 

サントリーは他にも、「ボスマート」という仕組みも始めました。

【サントリー公式|ボスマート】飲料自販機で軽食が買える!? (suntory.co.jp)

自販機の横にお菓子などの軽食を置き、自販機で支払います。

以前からある「オフィスグリコ」の自販機版みたいなものです。

ただ、オフィスグリコは、現金を箱に入れる仕組みです。

そうなると、管理部門での現金管理が発生します。

自販機と社員証を使えば、現金管理は不要です。

 

このように、自動販売機を活用して福利厚生に、

という例がじわじわと増えています。

「賃金を今すぐには上げづらいけれど、それくらいないなら…。」

という経営者の気持ちが反映されています。

物価が上昇する今、従業員の経済事情も厳しいのです。

なんの策もなければ、従業員の不満は膨らむばかりです。

 

加えて、

インフレに突入すれば、いずれは賃金を上げることになります。

しかし、現状でも何かできることに取組むことで、

従業員退職の抑止力や、採用面でのアピール要素には、なります。

そのような点で、福利厚生は今時の形で、増えてくると思われます。

見直しが始まりつつある新たな福利厚生を、紹介してゆきます。

 

(古山喜章)

2022年4月 1日 (金)

労務制度の常識を見直すときが来た⑤

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

⑤社内での副業を手当てにせよ

 

会社の中には、

あまり引き受けての無い仕事がいろいろとあります。

○○推進プロジェクト・委員会のリーダー、

会社行事の幹事、

朝礼の司会やスピーチ、などです。

で結局、いつもと同じメンバーが引き受ける、

と言った状況に陥ります。

 

要は、

“自分の仕事以外でそんなの引き受けたくない。”

“そんなこと、たいへんそうでイヤだ。”

“何の見返りもないのに、引き受ける気にならない。”

といった気持ちがあるのです。

 

何のためかわからない定期昇給をするくらいなら、

実際に必要だけど、みんなやりたがらない仕事をしてくれる人に、

手当を出すべきだと考えるのです。

そのほうが、引き受ける本人も納得できるし、力も入ります。

 

そもそも会社には、どの部署にも属さない仕事があるものです。

例えば、デジタル化です。

中小企業では専門の部署などありません。

概ね、総務などの管理部門が担うことになります。

とはいえ、専門知識や実務が不足しているケースが多いのです。

なら、社内で副業としてできる人を募り、

しっかりと手当てを出してあげればいいのです。

 

先般も、ある会社でこのようなことがありました。

ホームページに採用の為の動画を掲載することになりました。

どのような商品・サービスを提供しているかの動画です。

“どこか動画を作ってもらえる会社を知りませんか。”

といった相談がありました。

外部に依頼すれば高くつくし、仕事内容を伝えるなど、

結局は誰かが深く関わる必要があります。

 

“まずは社内で動画を作れる人を探してみたら。”

と言ったところ、

“若い女性従業員でいました!”となり、

その方に動画作成してもらい、謝礼金を渡したのです。

仕事内容も十分わかっているので、簡単にできたのです。

動画を作成した本院は大喜びです。

今どき、動画作成をして発信する20代、30代は、

いくらでもいるのです。

 

このように、

会社内には、何らかの一芸をもった社員がいるのものです。

その力を発掘して活用し、手当や謝礼を出してあげればいいのです。

持てる力を発揮して手当てをもらえる社員にすれば、

自分の能力を認めてもらえた喜びがあります。

モチベーションも上がるのです。

 

いわば、社内副業制度のようなものです。

会社にとって実利があることに協力してもらえる社員にこそ、

手当てを出すべきで、家族手当や皆勤手当てなど、

意味のない昔ながらの手当ては、もうやめるべきなのです。

 

(古山喜章)

2022年3月31日 (木)

労務制度の常識を見直すときが来た④

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

④定期昇給をやめれないか

 

中小企業も含めて、日本の給与制度の多くは、

等級と号数で管理する、職能資格制度を運用しています。

1等級と2等級は一般社員、3等級は係長・主任、

などといったタイプの制度です。

社員をそれぞれ、能力に応じた等級にあてはめます。

そしてそのなかで号数を上げて、定期昇給してゆきます。

 

「2等級の○○さんは、昨年の人事考課でB評価なので、

2号上がります。」といった運用方法です。

このように多くの場合、B評価でも1号か2号はあがります。

これが定期昇給となっているのです。

 

しかし、この方法のままだと、

給与はいつまでもあがってゆく、といいうことになります。

それも業績に関わらず、人事考課の結果次第で、

定期昇給は行われてきたのです。

この方法も、今の時代には合わなくなってきました。

「年数が増えるだけで、給与がいつまでも上がるのはおかしい。」

「業績は横ばいなのに、給与ばかりが上がって、これでは持ちません。」

「デフレが続いているのに、昇給し続けるのはおかしいんじゃないか。」

等々。

 

要は、定期昇給そのものを見直す時代にきた、と感じるのです。

ひとつの方法として考えれるのは、配当です。

今でも、従業員持株会を活用している中小企業はあります。

議決権のない、配当優先のある、

種類株式として運用しているケースが多いです。

 

ただ現状は、定期昇給にプラスして、持株会の配当も若干ある、

というケースがほとんどです。

それを、定期昇給は無しにして、

持株会に参加できる人数を増やし、

配当で大きく報いる形にすればよいのではないか、ということです。

極端に言えば、全員株主経営、といった形です。

 

種類株式を活用すれば、株式の分散対策もできるのです。

無議決権、配当優先の活用で、持株会メンバーだけに厚く配当できます。

現状の会社法で配当は、1年に何度でもいいことになっています。

配当額は持ち株数や、株式の種類で差をつけることができます。

業績次第で配当はなし、とすることもできます。

持株会の運用ルール次第で、割り当てる株式の増減が可能です。

 

さらに配当は、給与所得ではないので、

社会保険の算定基準に入りません。

配当が減っても、不利益変更にはなりません。

配当は、業績結果に対して出すものです。

業績に無関係な定期昇給よりも、

そのほうが、これからの時代には見合うと考えるのです。

 

特に現状、従業員持株会を運営している会社なら、

そう高くはないハードルで、実現できると考えるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月30日 (水)

労務制度の常識を見直すときが来た③

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

③業績貢献に関係のない手当はやめてしまいなさい

 

日本の給与制度はこれまで、

手当を増やすことで社員の不満をうまくかわしてきた、

という側面があります。

結婚や出産に伴う家族手当、

賃貸住宅利用者への住宅手当、

休まずに出社した者への皆勤手当て、等々。

 

基本給をできるだけ上げずに手当で切り抜ける、

という策がとられてきました。

しかし、そのような手当が重荷になってきました。

「手当に縛られて基本給を上げづらい」

「この基本給ではいい人材を採用できない」

「共働きも増えてきて、家族手当や住宅手当は不要じゃないのか」

「休まずに出社することで手当てがつくのは今どきどうなのか?」

などといった声がでるようになってきました。

 

突き詰めれば、

業績貢献に関係のない手当てであることが、

手当て問題の原因なのです。

 

法律の面でも、

同一労働同一賃金、が求められるようになりました。

正社員でもパートでも、仕事内容が同じであれば、

給与の手当ては同じく支給せよ、との判例が出始めました。

その多くは、家族手当や住宅手当です。

 

また、手当てがどんどん増えることで、

給与計算も煩雑さが増えました。

日本の給与計算を、

もっと簡単でスピーディーにシステム化しづらいのは、

個別に多くの手当てがあったりなかったりするから、

でもあるのです。

 

また、それらの手当てを廃止して、

その原資を業績貢献に関連する給与に切り替えることを、

一気にやりにくいのも、制度見直しが進まない要因です。

一方的な制度変更で、社員にとっての不利益にならないような

配慮が必要になるのです。

 

制度切替えの実務として多いのは、3年ほどかけて、

じわじわと不要な手当て額を小さくしてゆく、あるいは、

新給与制度への調整手当という名目で、徐々に減額してゆく、

という手法です。

 

3年の猶予を与えるから、

その間に、これまでの手当てをもらっていたのと同じくらい、

新たな制度でも相当の給与をもらえるようになってくださいね、

ということです。

給与制度を見直すには、時間がかかります。

時間がかかるからこそ、早めに取り組みたいことでもあるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月29日 (火)

労務制度の常識を見直すときが来た②

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

②退職金対象者は社歴10年以上の社員でいい

 

退職金制度は、中小企業の制度として長らく定着しています。

運用面で見てみると、

入社満3年以上の正社員を支給対象とする、

という内容が多いです。

 

しかし実際のところ、

満3年程度で退職金を出す必要があるのか、

ということです。

経営側からすれば、その年数の勤務くらいでは、

退職金を出すほど業績に貢献などしていない、

と言いたいのがホンネのところです。

 

3年~10年程度で退職する社員は、

退職後、概ね他社で働きます。要は転職です。

なかには退職金を出してもいい、

という人がいるかもしれませんが、そんな社員は少数です。

 

それであれば、

対象者は勤務10年以上の社員、あるいは、

15年以上の社員、と変更すればよいのです。

加えて、細かい規定は作成せず、

“退職金の支給は取締役会にて決定する”

程度にしておけばよいのです。

 

10年以上の社歴のある社員であれば、

年数の長い短いに関わらず、

“あの人には退職金を多く支給したい”

“あの人には退職金をできれば払いたくない”

などという、これまでの貢献度がはっきりしてきます。

その貢献に応じて、柔軟に支給額を決めれるようにするには、

細かいルールを決めないほうが都合がよいのです。

その分、決定の経緯や理由を、明確に記録しておけばよいのです。

 

現状の退職金制度は、年功序列で給与が上がった時代の遺産です。

古い制度に縛られて、払いたくない退職金を出すのなら、

貢献度の高い社員に厚く支給できるよう、変えてゆくべきなのです。

 

さらに、

退職金制度を導入していない中小企業も、増えつつあります。

私がかつて勤務していた会社でも、

今から25年ほど前に、退職金制度をやめました。

その時点で全社員約300名分を精算して支給したので、

お金は必要でしたが、資金繰りは問題なかったのです。

社員からの大きな反発もなく、スムーズに進みました。

 

どのような制度も、時代が変われば、

その時代の環境や実態に、合わなくなってきます。

合わないと感じれば、制度を見直してゆけばよいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月28日 (月)

労務制度の常識を見直すときが来た①

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

①労力ばかりの人事考課に意味はない

 

人事考課に関しては、次のようなお声をよく聞きます。

「うちの人事考課は、ものすごく手間がかかります。

 その割に、結局ほとんどがB評価なんですよ。

 手間のかかる割に、あまり差がつかないんで、これでいいのか…。」

 

人事考課の手法や仕組みは、

この30年から40年、ほとんど変わっていません。

しかも、あの要素もこの要素も入れたい、

などとなり、人事考課表はどんどん複雑化してきました。

 

加えて人事考課はそもそも、人材開発を目的としたツールですが、

いつの間にか、賞与時のための評価ツールへとなってゆきました。

すると、こんな声を聞くようになってきました。

「こんな手間をかけるなら、もっと簡単に、

 “この人はB評価”“あの人はA評価”くらいでいいんじゃないですか。」

もう、まさにその通りです。

人事考課の形に膨大な手間をかけても、ほとんど効果がない、

ということを、中小企業ではうすうす感じているのです。

 

独断と偏見の「鉛筆なめなめ」の評価はよくないものの、

独断と評価者間調整による「鉛筆なめなめ評価」くらいで、

実態の評価とさほど大きなブレは生じません。

特に、数十人、数百人程度の会社なら、その程度で十分です。

 

「うちは店長の人事考課は粗利益だけでやってます。」

という会社がありました。

多店舗展開する会社ですが、店長以上管理者の5段階評価を、

粗利益だけで決めていました。

「管理者全員の細かい評価をするのは大変ですし、

 このやり方で特に問題もありませんので。」

とのことだったのです。

結局、ジョブ型のごとく、

求められる役割や結果が明確な仕事をしている社員なら、

人事考課は何かの数値や成果物に絞って評価できるのです。

 

中小企業においても、

1年に2回、あるいは3回の人事考課が行われています。

その手間に見合う成果が得られていないのなら、

その制度はもはや自社に見合っていないのです。

自分の会社の人事考課制度を見直してみてほしいのです。

 

(古山喜章)

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