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人事・労務

2022年4月 1日 (金)

労務制度の常識を見直すときが来た⑤

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

⑤社内での副業を手当てにせよ

 

会社の中には、

あまり引き受けての無い仕事がいろいろとあります。

○○推進プロジェクト・委員会のリーダー、

会社行事の幹事、

朝礼の司会やスピーチ、などです。

で結局、いつもと同じメンバーが引き受ける、

と言った状況に陥ります。

 

要は、

“自分の仕事以外でそんなの引き受けたくない。”

“そんなこと、たいへんそうでイヤだ。”

“何の見返りもないのに、引き受ける気にならない。”

といった気持ちがあるのです。

 

何のためかわからない定期昇給をするくらいなら、

実際に必要だけど、みんなやりたがらない仕事をしてくれる人に、

手当を出すべきだと考えるのです。

そのほうが、引き受ける本人も納得できるし、力も入ります。

 

そもそも会社には、どの部署にも属さない仕事があるものです。

例えば、デジタル化です。

中小企業では専門の部署などありません。

概ね、総務などの管理部門が担うことになります。

とはいえ、専門知識や実務が不足しているケースが多いのです。

なら、社内で副業としてできる人を募り、

しっかりと手当てを出してあげればいいのです。

 

先般も、ある会社でこのようなことがありました。

ホームページに採用の為の動画を掲載することになりました。

どのような商品・サービスを提供しているかの動画です。

“どこか動画を作ってもらえる会社を知りませんか。”

といった相談がありました。

外部に依頼すれば高くつくし、仕事内容を伝えるなど、

結局は誰かが深く関わる必要があります。

 

“まずは社内で動画を作れる人を探してみたら。”

と言ったところ、

“若い女性従業員でいました!”となり、

その方に動画作成してもらい、謝礼金を渡したのです。

仕事内容も十分わかっているので、簡単にできたのです。

動画を作成した本院は大喜びです。

今どき、動画作成をして発信する20代、30代は、

いくらでもいるのです。

 

このように、

会社内には、何らかの一芸をもった社員がいるのものです。

その力を発掘して活用し、手当や謝礼を出してあげればいいのです。

持てる力を発揮して手当てをもらえる社員にすれば、

自分の能力を認めてもらえた喜びがあります。

モチベーションも上がるのです。

 

いわば、社内副業制度のようなものです。

会社にとって実利があることに協力してもらえる社員にこそ、

手当てを出すべきで、家族手当や皆勤手当てなど、

意味のない昔ながらの手当ては、もうやめるべきなのです。

 

(古山喜章)

2022年3月31日 (木)

労務制度の常識を見直すときが来た④

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

④定期昇給をやめれないか

 

中小企業も含めて、日本の給与制度の多くは、

等級と号数で管理する、職能資格制度を運用しています。

1等級と2等級は一般社員、3等級は係長・主任、

などといったタイプの制度です。

社員をそれぞれ、能力に応じた等級にあてはめます。

そしてそのなかで号数を上げて、定期昇給してゆきます。

 

「2等級の○○さんは、昨年の人事考課でB評価なので、

2号上がります。」といった運用方法です。

このように多くの場合、B評価でも1号か2号はあがります。

これが定期昇給となっているのです。

 

しかし、この方法のままだと、

給与はいつまでもあがってゆく、といいうことになります。

それも業績に関わらず、人事考課の結果次第で、

定期昇給は行われてきたのです。

この方法も、今の時代には合わなくなってきました。

「年数が増えるだけで、給与がいつまでも上がるのはおかしい。」

「業績は横ばいなのに、給与ばかりが上がって、これでは持ちません。」

「デフレが続いているのに、昇給し続けるのはおかしいんじゃないか。」

等々。

 

要は、定期昇給そのものを見直す時代にきた、と感じるのです。

ひとつの方法として考えれるのは、配当です。

今でも、従業員持株会を活用している中小企業はあります。

議決権のない、配当優先のある、

種類株式として運用しているケースが多いです。

 

ただ現状は、定期昇給にプラスして、持株会の配当も若干ある、

というケースがほとんどです。

それを、定期昇給は無しにして、

持株会に参加できる人数を増やし、

配当で大きく報いる形にすればよいのではないか、ということです。

極端に言えば、全員株主経営、といった形です。

 

種類株式を活用すれば、株式の分散対策もできるのです。

無議決権、配当優先の活用で、持株会メンバーだけに厚く配当できます。

現状の会社法で配当は、1年に何度でもいいことになっています。

配当額は持ち株数や、株式の種類で差をつけることができます。

業績次第で配当はなし、とすることもできます。

持株会の運用ルール次第で、割り当てる株式の増減が可能です。

 

さらに配当は、給与所得ではないので、

社会保険の算定基準に入りません。

配当が減っても、不利益変更にはなりません。

配当は、業績結果に対して出すものです。

業績に無関係な定期昇給よりも、

そのほうが、これからの時代には見合うと考えるのです。

 

特に現状、従業員持株会を運営している会社なら、

そう高くはないハードルで、実現できると考えるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月30日 (水)

労務制度の常識を見直すときが来た③

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

③業績貢献に関係のない手当はやめてしまいなさい

 

日本の給与制度はこれまで、

手当を増やすことで社員の不満をうまくかわしてきた、

という側面があります。

結婚や出産に伴う家族手当、

賃貸住宅利用者への住宅手当、

休まずに出社した者への皆勤手当て、等々。

 

基本給をできるだけ上げずに手当で切り抜ける、

という策がとられてきました。

しかし、そのような手当が重荷になってきました。

「手当に縛られて基本給を上げづらい」

「この基本給ではいい人材を採用できない」

「共働きも増えてきて、家族手当や住宅手当は不要じゃないのか」

「休まずに出社することで手当てがつくのは今どきどうなのか?」

などといった声がでるようになってきました。

 

突き詰めれば、

業績貢献に関係のない手当てであることが、

手当て問題の原因なのです。

 

法律の面でも、

同一労働同一賃金、が求められるようになりました。

正社員でもパートでも、仕事内容が同じであれば、

給与の手当ては同じく支給せよ、との判例が出始めました。

その多くは、家族手当や住宅手当です。

 

また、手当てがどんどん増えることで、

給与計算も煩雑さが増えました。

日本の給与計算を、

もっと簡単でスピーディーにシステム化しづらいのは、

個別に多くの手当てがあったりなかったりするから、

でもあるのです。

 

また、それらの手当てを廃止して、

その原資を業績貢献に関連する給与に切り替えることを、

一気にやりにくいのも、制度見直しが進まない要因です。

一方的な制度変更で、社員にとっての不利益にならないような

配慮が必要になるのです。

 

制度切替えの実務として多いのは、3年ほどかけて、

じわじわと不要な手当て額を小さくしてゆく、あるいは、

新給与制度への調整手当という名目で、徐々に減額してゆく、

という手法です。

 

3年の猶予を与えるから、

その間に、これまでの手当てをもらっていたのと同じくらい、

新たな制度でも相当の給与をもらえるようになってくださいね、

ということです。

給与制度を見直すには、時間がかかります。

時間がかかるからこそ、早めに取り組みたいことでもあるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月29日 (火)

労務制度の常識を見直すときが来た②

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

②退職金対象者は社歴10年以上の社員でいい

 

退職金制度は、中小企業の制度として長らく定着しています。

運用面で見てみると、

入社満3年以上の正社員を支給対象とする、

という内容が多いです。

 

しかし実際のところ、

満3年程度で退職金を出す必要があるのか、

ということです。

経営側からすれば、その年数の勤務くらいでは、

退職金を出すほど業績に貢献などしていない、

と言いたいのがホンネのところです。

 

3年~10年程度で退職する社員は、

退職後、概ね他社で働きます。要は転職です。

なかには退職金を出してもいい、

という人がいるかもしれませんが、そんな社員は少数です。

 

それであれば、

対象者は勤務10年以上の社員、あるいは、

15年以上の社員、と変更すればよいのです。

加えて、細かい規定は作成せず、

“退職金の支給は取締役会にて決定する”

程度にしておけばよいのです。

 

10年以上の社歴のある社員であれば、

年数の長い短いに関わらず、

“あの人には退職金を多く支給したい”

“あの人には退職金をできれば払いたくない”

などという、これまでの貢献度がはっきりしてきます。

その貢献に応じて、柔軟に支給額を決めれるようにするには、

細かいルールを決めないほうが都合がよいのです。

その分、決定の経緯や理由を、明確に記録しておけばよいのです。

 

現状の退職金制度は、年功序列で給与が上がった時代の遺産です。

古い制度に縛られて、払いたくない退職金を出すのなら、

貢献度の高い社員に厚く支給できるよう、変えてゆくべきなのです。

 

さらに、

退職金制度を導入していない中小企業も、増えつつあります。

私がかつて勤務していた会社でも、

今から25年ほど前に、退職金制度をやめました。

その時点で全社員約300名分を精算して支給したので、

お金は必要でしたが、資金繰りは問題なかったのです。

社員からの大きな反発もなく、スムーズに進みました。

 

どのような制度も、時代が変われば、

その時代の環境や実態に、合わなくなってきます。

合わないと感じれば、制度を見直してゆけばよいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月28日 (月)

労務制度の常識を見直すときが来た①

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

①労力ばかりの人事考課に意味はない

 

人事考課に関しては、次のようなお声をよく聞きます。

「うちの人事考課は、ものすごく手間がかかります。

 その割に、結局ほとんどがB評価なんですよ。

 手間のかかる割に、あまり差がつかないんで、これでいいのか…。」

 

人事考課の手法や仕組みは、

この30年から40年、ほとんど変わっていません。

しかも、あの要素もこの要素も入れたい、

などとなり、人事考課表はどんどん複雑化してきました。

 

加えて人事考課はそもそも、人材開発を目的としたツールですが、

いつの間にか、賞与時のための評価ツールへとなってゆきました。

すると、こんな声を聞くようになってきました。

「こんな手間をかけるなら、もっと簡単に、

 “この人はB評価”“あの人はA評価”くらいでいいんじゃないですか。」

もう、まさにその通りです。

人事考課の形に膨大な手間をかけても、ほとんど効果がない、

ということを、中小企業ではうすうす感じているのです。

 

独断と偏見の「鉛筆なめなめ」の評価はよくないものの、

独断と評価者間調整による「鉛筆なめなめ評価」くらいで、

実態の評価とさほど大きなブレは生じません。

特に、数十人、数百人程度の会社なら、その程度で十分です。

 

「うちは店長の人事考課は粗利益だけでやってます。」

という会社がありました。

多店舗展開する会社ですが、店長以上管理者の5段階評価を、

粗利益だけで決めていました。

「管理者全員の細かい評価をするのは大変ですし、

 このやり方で特に問題もありませんので。」

とのことだったのです。

結局、ジョブ型のごとく、

求められる役割や結果が明確な仕事をしている社員なら、

人事考課は何かの数値や成果物に絞って評価できるのです。

 

中小企業においても、

1年に2回、あるいは3回の人事考課が行われています。

その手間に見合う成果が得られていないのなら、

その制度はもはや自社に見合っていないのです。

自分の会社の人事考課制度を見直してみてほしいのです。

 

(古山喜章)

2021年11月26日 (金)

職能型から職務型の人事制度へ③

ここ数年、

「ジョブ型雇用」という言葉が目立つようになってきました。

人事制度の仕組み、というのは、

経営項目の中で、最も進化に乏しく遅れている項目です。

コロナ禍で経営環境が激変するなか、

最大のコストである労務費を司る仕組みが、

ようやく変わりつつあるのです。

 

③給与が業績貢献に見合っているか

 

今なぜ「ジョブ型雇用へ!」と叫ばれるのかと考えると、

各人の給与が業績貢献に見合っていない、

と感じられることが増えてきたからです。

 

労務費は、業績に対する投資です。

しかも、最大の経費コストです。

そのコストに、余裕の幅を持たせることが厳しくなってきました。

例えば、

今も多くの中小企業では、給与明細を拝見すると、

家族手当、皆勤手当、住宅手当、など各種手当が見られます。

 

しかし、よくよく考えれば、

これらは業績貢献に関係のない手当ばかりです。

意味合いからすれば、福利厚生的なものです。

それでも、これらの手当も給与扱いなので、

本来の業績貢献に対する給与額は、その分、少なくなります。

そうなると、業績貢献の有無での給与差も小さくなります。

 

加えて、年功序列で給与が上昇するものの、

給与に見合う働きをしてくれない社員が増えてきたのです。

 

これら業績貢献に関係なく支給している給与原資を、

業績貢献に対する給与へと見直そう、というのが、

「ジョブ型雇用」採用の会社が増えてきた背景です。

 

業績貢献が高い人ほど給与が高いようにしたい。

年齢やキャリア・能力は関係ないようにしたい。

それにはまず、「職能資格制度」を見直し、

「職務資格制度」へと変えてゆくすべきです。

ただし、制度見直しで給与が10%以上減額になる社員には、

猶予期間を設けながら、減額してゆくことが必要です。

 

そして、現状存在する各手当を見直し、

業績貢献に対するものに絞り込むことです。

「いやぁ、それでも住宅手当は必要です。」

と言うのなら、住宅手当は残すものの、

支給期間や支給額を減らすなど、すればよいのです。

 

給与というのは、業績貢献に対して支給する、

というのが基本的な考え方です。

この原点を忘れず、中小企業も「ジョブ型雇用」へと、

人事制度を今の時代に合わせて進化させてほしいのです。

 

(古山喜章)

2021年11月25日 (木)

職能型から職務型の人事制度へ②

ここ数年、

「ジョブ型雇用」という言葉が目立つようになってきました。

人事制度の仕組み、というのは、

経営項目の中で、最も進化に乏しく遅れている項目です。

コロナ禍で経営環境が激変するなか、

最大のコストである労務費を司る仕組みが、

ようやく変わりつつあるのです。

 

②中小企業の実態は職務資格制度

 

「職能資格制度」に対して最近、大企業で増えつつあるのが、

「職務資格制度」です。

職能資格と同じように、等級と号数で給与を決めます。

が、等級を「能力」で格付けするのではなく、

「役職」や「仕事」で格付けします。

 

従来の職能資格制度の場合、

3等級の能力のある社員から係長を任命する、

という流れが基本です。

職務資格制度の場合は、

彼・彼女を係長にするから3等級に格付けする、

といった流れになります。

能力をベースに考えるのではなく、

担う職務・役割をベースに格付けすることになります。

 

最近の「ジョブ型雇用」の考え方に近い人事制度として、

じわじわと、大企業の制度が変わりつつあるのです。

 

考えてみれば、中小企業はそもそも、

この「職務資格型」に近い運用がされています。

私がかつて勤めた会社で、人事を担当していたときのことです。

多店舗展開の業態で、店の数だけ店長が必要になります。

その会社でも、「職能資格制度」を採用していました。

職能資格でいうと、店長は3等級と4等級に該当しました。

しかし、お店がどんどん増えるなか、

そんなに都合よく、3等級や4等級の社員がいないのです。

そこで、

「2等級の佐藤さん(仮名)なら、店長をさせてもできるでしょう。」

と上司に言うと、

「じゃあ、佐藤さんを店長にして、3等級に格上げするけれど、

 号俸はマイナス号俸にしようか。」

などとなっていたのです。

 

佐藤さんは、2等級の給与をもとに、

3等級で見合うよう、マイナス号俸で無理やり、

3等級にしていたのです。

つじつま合わせもいいところです。

しかも一度やりだすと、そんな店長が続々と誕生しました。

 

人員や人材が潤沢でない中小企業において、

「職能資格制度」と言いながら、実態は、

「職務資格制度」みたいなものなのです。

 

先の例の場合だと、佐藤さんに店長をさせるなら、

現状の等級・号数など関係なく、3等級にすればよかったのです。

で、1号俸から始めればいいのです。

そのほうが、任せられる佐藤さんも、

マイナス号俸で始まるより、モチベーションが上がったと、

思われるのです。

 

やってみてダメだったら、一般職の2等級の給与に戻る、

でよかったのです。

中小企業の場合は概ね、

彼・彼女ならできそうだ、できるだろう、で職位や仕事を与えます。

ならば、その職位や仕事を基本に格付けしたほうが、

現実に即してなじみます。

中小企業こそ、「職務資格制度」への切り替えを、検討すべきなのです。

 

(古山喜章)

2021年11月24日 (水)

職能型から職務型の人事制度へ①

ここ数年、

「ジョブ型雇用」という言葉が目立つようになってきました。

人事制度の仕組み、というのは、

経営項目の中で、最も進化に乏しく遅れている項目です。

コロナ禍で経営環境が激変するなか、

最大のコストである労務費を司る仕組みが、

ようやく変わりつつあるのです。

 

①職能資格制度の終焉

 

人事制度に関して、現状、

多くの企業で使われているのが、「職能資格制度」という仕組みです。

「ジョブ型」に対して言えば、「ヒト型」「能力型」です。

 

“この社員は3等級の10号俸です。”

といった具合に、等級と号俸に、社員をあてはめてゆきます。

中小企業でも多くは、この仕組みを採用しています。

 

「職能資格制度」の場合、各等級に業務能力が定められます。

能力が上がれば、等級が上がり、賃金が上がります。

加えて各等級には、該当する職位を定めます。

3等級の能力がある人は、主任・係長にできる、といった具合です。

 

重視するのは「能力」であり、「仕事」ではない、

というのも、この制度のポイントです。

「仕事」ができるできないではなく、

「能力」の有無を中心にした考え方なのです。

「能力」があっても仕事ができない人は、どの世界にも存在します。

 

で、社員の能力を上げるために、

教育制度や人事考課制度を絡ませます。

一見、もっともらしく感じる仕組みです。

しかし、

この仕組みでヒトを育てるには、時間と手間がかかります。

教育しても育たないヒトがほとんどです。

「能力」を仕事に発揮していなくても、それなりの賃金が必要です。

人数や人材に余裕がない中で、この仕組みは運用しづらい。

 

等々、中小企業のみならず、大企業においても、

同じような違和感を覚える会社が増えてきたのです。

そんななか、

ヒト・能力中心の「職能資格制度」から、

仕事中心の「ジョブ型」「職務型」へと、

人事制度を変える大企業が、ようやく現れてきたのです。

 

25年ほど前、

「能力重視」から「成果重視」へ、との動きがありました。

「職能資格制度」は終わりか、と思われたことがあったのです。

しかし、

“各個人が成果重視だとチームワークが乱れる!”

“外国ではうまくいっても日本人にはなじまない!”

等となり、数年で消えてなくなりました。

今から思えば、その時はまだ、従来の「職能資格」の仕組みで、

企業が絶えれる経営環境だった、ということです。

 

その経営環境も移り変わり、デフレが30年続くなか、

労務コストは25年前よりもずっと上昇しました。

社会保険、コンプライアンス対応等、

社員を潤沢に抱えるほど、大企業であっても重荷になってきたのです。

もはや「職能資格制度」は終焉の時を迎えているのです。

 

(古山喜章)

2021年8月 6日 (金)

危険な人事 ④

安易な気持ちで特定の地位や職位に人員配置した結果、

「どうしたらいいのか、困っています。」

ということが、中小企業にはありがちです。

よかれと思って意思決定した人事が、

トラブルや困りごとのもとになるのです。

 

④実姉の専務

 

建設業界のある社長から、

「ようやく、専務を解任しました。」

との連絡が入りました。

その専務は、その社長の姉だったのです。

 

もともとは数年前、

40歳を過ぎてバツイチ子持ちで実家に帰ってきた姉を、

母親からのお願いもあり、

弟である社長は、専務として迎え入れたのです。

その会社は、若き社長が創業者で、

設立6年ほどであるものの、業績を順調に伸ばしていました。

 

専務といっても、業界の知識があるわけではありません。

ただ、労務人事業務の経験が少しあるということで、

営業畑の社長を支えるという形で、

管理部門担当の専務に就任してもらったのです。

 

就任後2年ほどは、

当初の約束どおり、専務は管理部門の業務に徹していました。

社長の営業努力により、業績もますます向上しました。

社長も専務も、役員報酬を上げ、高級車に買い替え、

所得もどんどん上がりました。

「そのあたりから、専務の動きが変わってきたました。」

とは、社長の言葉です。

「それまでは、管理部門に徹して、

 専務としては、なにも専務、だったのが、

 だんだんと口うるさくなり、なにもさ専務、になってきました。」

とのことだったのです。

 

専務として、経営全般に意見や考えを言い、

相談してくれるなら、別段、問題はありませんでした。

「専務というより、姉として意見や文句を強引に押し切る感じに、

 変わってきたんです。言い方も、どんどんきつくなってきました。

 そうなると、こちらもカッとしますし、

 だんだんと、社内で姉弟ゲンカみたいなことが増えてきて…。

 職場環境も悪化し、退職者も出始めました。」

 

幸い、その専務は株式を全く持っていませんでした。

社長が100%、保有していました。

なので、弟である社長は姉である専務を解任し、

会社を去ってもらったのです。

 

会社としては、ひと段落ですが、

今後も続く姉弟としての溝は、修復のメドがたたなくなりました。

「安易に姉を専務にするんじゃなかった・・・。」

と、弟である若き社長は、嘆いておられたのです。

よかったのはやはり、株式までは持たせていなかった、

ということです。

「これで姉が株を持っていたら、もっとたいへんだったでしょうね。」

と、不幸中の幸いとばかりに、ため息をつかれました。

 

くれぐれも、身内を役員や社員に招き入れる際には、

“頼まれたから”というくらいの安易な気持ちで、

了解しないでほしいのです。

そのような際にも、

トラブルことを前提に対策を打つべきですが、

それはまた、別の機会に書かせていただきます。

 

(古山喜章)

2021年8月 5日 (木)

危険な人事 ③

安易な気持ちで特定の地位や職位に人員配置した結果、

「どうしたらいいのか、困っています。」

ということが、中小企業にはありがちです。

よかれと思って意思決定した人事が、

トラブルや困りごとのもとになるのです。

 

③銀行出身の経理担当者

 

中小企業の経理担当で、お聞きすると、

「〇〇銀行にいました!」というケースが度々あります。

経営者は普通、銀行出身なら財務に強いはず、

と思い込んでおられる方が多いです。

が、それは大きな間違いです。

確かに強い人もいると思います。

しかし、そうでない人も多いのです。

 

以前、ある会社で経理担当を募集したときのことです。

面接と同時に、簡単なテストもしました。

損益計算書と貸借対照表を理解しているか、

という15点満点のテストです。

応募者の一人に、

「〇〇銀行に20年勤務していました!」

という方がおられました。

その人のテストの点数は、1点だったのです。

銀行で何をしていたかお聞きすると、

「支店のなかで、お客様を案内する接客業務が中心でした。」

とのことだったのです。

もちろん、不採用です。

しかし、経営者に聞くと、

「いやぁ、テストをしていなかったら、あの人を採用していました。

 テストをしていただいて助かりました

とのことだったのです。

 

財務知識がある銀行出身者だったとしても、困ることがあります。

それは、妙に出身銀行を使おうとするのです。

自分の存在価値をアピールしたいからなのか、

言いやすいからなのか、そうなる傾向が強いのです。

会社にすれば、条件のよい会社と付き合いたいだけです。

なのに、

銀行出身の経理担当が古巣を通じて融資を受けると、

さも自分の力で借りれた、かのように言います。

しかも、銀行にもいい顔をしたいので、

借りる側からすれば悪い条件でも、平気で受けるのです。

 

このような場合、

経営者が銀行に関する知識をある程度持っていないと、

銀行出身の経理担当に言われるがまま、になってしまうのです。

だから、銀行交渉に役立つ知識を蓄えて、

おかしな行動があれば、

「そんなことしなくていいから、わが社に有利になるよう、

 他の銀行も併せて交渉してほしい。」

と伝えるべきなのです。

 

いすれにせよ、

銀行出身で経理を希望される人、

銀行出身ですでに経理担当をされている社員、

には、注意を払ってほしいのです。

 

(古山喜章)

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