労務への考え方が変わってきた⑤
今やどの業種においても、“人が足りない”
との嘆きが聞こえる時代となりました。
少子高齢化による労働人口減少もありますが、
デフレ期が終わり、
労務への考え方を見直す時代になってきました。
⑤ヒトがする仕事を減らしなさい
もはやデフレ期のような、
人を安く使う、ということはできないのです。
人が一番高いのです。人はいま、不足しています。
不足しているものを使うのが、一番高くつくのは当たり前です。
それならば、極力、人を使わなくてもいいように、
仕事のやり方を変えてゆくしかないのです。
ヒトがする仕事を減らすのです。
特に、付加価値につながらない業務です。
管理部門なら、会計業務、給与計算業務、
資料の管理業務などなど。
自動化できるシステムを使う、あるいは、
外注企業を活用するなど。
自社の従業員で対応していない、
という会社がいくらもでもあります。
生産部門なら、運ぶ、箱づめ、品質確認、記録、
などなど。
塗装や溶接などの加工業務のロボット化は進んできました。
が、その他の付加価値を伴わない作業はこれまで、
“ヒトがやればいい”というのが過去の常識だったのです。
しかし、今稼いでいる工場は明らかに、
これまで人がやってきた付加価値の無い作業を、
機械化・自動化させている会社です。
自動搬送ロボ、箱詰めロボ、品質管理カメラ、記録のシステム化、
などなどに、お金をかけているのです。
遅れている会社ほど、
“ロボットや機械は高い!”と考え、人にさせているのです。
かえって高くついていることに、まだ気づいていないのです。
営業部門なら、営業マンの存在です。
いまや営業マンが動いて仕事を取る時代ではありません。
ホームページが充実していて問い合わせてみたくなる、
商品力・品質が高い、と業界内で評判が高まる、
となれば、お客様から声がかかります。
売りに行くことにお金を使うのではなく、
売ってくださいと言われることにお金を使う時代なのです。
これからは、ヒトが一番高くつく時代です。
安易にヒトを使う時代ではないのです。
ヒトを使う要素が減れば、もっと賃上げできます。
労務問題のタネも減ります。機械やシステムは、文句を言わないのです。
デフレ期に培われた労務への常識を捨て、
新たな経営環境に対応してほしいのです。
(古山喜章)
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