少人数私募債は一括償還だけですか?
「少人数私募債は、一括償還だけなのですか?」
という質問を時折いただきます。
要は、お金を出した側からすれば、
ときどき返してほしい、ということなのです。
結論から言えば、
一括償還だけではなく、任意に設定できます、
ということです。
銀行引き受けの社債でも、6ケ月ごとに一部償還、
などという条件で社債発行しているケースを見受けます。
それと同じです。
しかし、6ケ月ごと、3ケ月ごと、などと決めるより、
「発行一年後以降は、取締役会の承認を得て、
一部を一口単位で償還することができる。」
と、発行時の募集要項に定めておくほうがよいです。
このほうが、柔軟に対応できます。
少人数私募債は、社債の一種です。
発行時に、償還期間を決めます。
5年、7年、というのが最も多いです。
長くて10年、といったところです。
同時に、償還方法も定めます。
基本は、期間満了時の一括償還です。
しかし、中小企業の場合、金額が大きいと、
一括償還での返済は、資金繰りが大変です。
そのためにも、
償還までに一部を償還しておきたいのです。
償還は、一口単位に設定しておけば、
資金繰りへの負担は小さくて済みます。
少人数私募債は、49口以下で発行します。
例えば、
49百万円の発行総額なら、一口1百万円とし、
いつでも一口1百万円の単位で、
返還できるようにしておけばよいのです。
先に書いたとおり、発行時の募集要項に、定めるだけです。
そうすれば、5年後や7年後の償還時には、
一括償還する残金は小さくなっているはずです。
それでもまだ、一括償還はムリだ、と言うのなら、
その残金の額で、第2回少人数私募債を発行します。
で、第1回目の残金を充当する形で、
第2回目の少人数私募債を引き受ければよいのです。
少人数私募債に関する質問は、今もよくいただきます。
その理由で多いのは、
「顧問税理士に聞いても、わからないんですよ。」
というものです。
知っていても、聞いたことがある、と言う程度なのです。
質問に対応できるレベルで実務を把握している、
という税理士は、ほぼ皆無です。
よくわからない税理士に聞くよりも、
遠慮なく私たちに質問していただければ、よいのです。
(古山喜章)
【新刊本 発売しました!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』が発売されました。
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
最近のコメント