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少人数私募債

2025年5月30日 (金)

少人数私募債を上手に使いなさい⑤

中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。

「少人数私募債」という方法もあるのです。

会社が発行する、社債の一種です。

経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。

少人数(49人以下)を対象に発行するので、

「少人数私募債」と言われています。

 

⑤返済を任意に決めれる

 

少人数私募債は、発行して1年間を経過したら、

その一部を返済することができます。

全部を返すことも可能ですが、

おそらくそこまでのキャッシュは貯まらないと思います。

 

少人数私募債は、単位が1口です。

1口1000万円を20口発行して、

総額で2億円の少人数私募債、といった感じです。

そのうち、発行から1年間経過後に、

発行会社の現預金に若干余裕があるのなら、

「3口3000万円を返済しておこうか。」

と、資金状況に応じて任意に決めれるのです。

 

「その場合に、何か手続きとかいりますか?」

と聞かれます。

返済する会社(少人数私募債を発行している会社)で、

取締役会の議事録を残す必要があります。

議案は、

〈少人数私募債 一部償還の件〉となります。

 

その文言は、

“議長より、少人数私募債の引受人である○○○○から、

 3口(総額○○○○円)を償還してほしい旨の依頼が

あったことが述べられた。協議の結果、満場一致で承認された。”

といった内容でOKです。

 

その後もたびたび、同様に一部返済があるのなら、

この議事録を使いまわし、

取締役会の日付と口数・金額を変更すればよいのです。

これが、返済時の証拠書類(エビデンス)となります。

 

銀行引き受けの社債では、このようにはいきません。

〇カ月ごとの一部返済、

〇年後に一括償還など、契約時の取り決めに従い、

厳密に返済を行う必要があります。

その時に返済するお金がなければ、

お金を新たに借りて返済する、ということになります。

 

返済の面でも、少人数私募債は自由度が高いです。

もしも、全額償還の期限が来ても残額を返済できない、

という財務状況であれば、その残額をもとに、

新たな少人数私募債を発行し、継続すればいいのです。

 

少人数私募債は、個人でも法人でも引受人になれます。

子会社が発行し、親会社が引受人となりお金を貸しつける、

ということも可能なのです。

多くのメリットがある少人数私募債は、

中小企業でもっと使われてもいい、資金調達方法なのです。

 

(古山喜章)

2025年5月29日 (木)

少人数私募債を上手に使いなさい④

中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。

「少人数私募債」という方法もあるのです。

会社が発行する、社債の一種です。

経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。

少人数(49人以下)を対象に発行するので、

「少人数私募債」と言われています。

 

④金利は5%でもかまわない

 

「少人数私募債の金利は3%~5%でもかまわない。」

と言い続けてきました。

市中銀行の平均金利が0.5%にもいかない、

超低金利時代でもそうだったのです。

日銀が公表する平均金利が1.0%になる現状なら、

少人数私募債の金利5%でも、なんの問題もありません。

 

「銀行の金利に比べて高すぎる!」

という税理士が今もいます。

そんな声は無視して構いません。

銀行は預金を集めてお金を貸す「間接金融」です。

少人数私募債は手持ちのお金を貸す「直接金融」です。

金融の種類が違うのです。

 

それに、先の記事で書いたように、

少人数私募債は、経営危機時の弁済順位が低い、

「資本背借入金」なのです。

いわば、ハイリスク&ハイリターンの商品です。

だから、金利が高くても当然です。

 

高額退職金を受け取り、

そのお金を、少人数私募債を引き受ける形で会社へ貸す。

そして、5%の金利を受け取る。

2億円を会社に貸せば、5%で年間1,000万円です。

退職金を受けた後に役員報酬を下げていても、

その下がった分を金利で補填することもできるのです。

 

市中銀行の金利が上昇しつつある昨今なら、

6%や7%でも問題ありません。

日本の超長期国債の金利はすでに、3%を超えているのです。

ただし、会社が継続的にそれだけの金利を払えるだけの、

営業利益は必要になります。

 

金利は損金計上できるので、法人税を減らすこともできます。

少人数私募債を発行するなら、その金利をうまく活用し、

稼いだお金の社外流出をおさえる方向で考えてほしいのです。

 

(古山喜章)

 

2025年5月28日 (水)

少人数私募債を上手に使いなさい➂

中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。

「少人数私募債」という方法もあるのです。

会社が発行する、社債の一種です。

経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。

少人数(49人以下)を対象に発行するので、

「少人数私募債」と言われています。

 

➂銀行の社債は手数料の固まりです。

 

「銀行引き受けの社債は絶対に発行するな!」

と言い続けています。

少人数私募債も会社が発行する社債ですが、

銀行が提案してくる社債もあります。

それは、「金融機関引き受け社債」と言います。

 

財務状況がそこそこいい会社に、銀行が提案してきます。

「御社の財務状況は、わたくしどもの適格基準を上回る、

 素晴らしい内容です。

 そのような会社にだけ特別に、社債を発行いただき、

 わたくしどもの銀行ですべて引き受けることが可能です。

 ぜひとも、いかがでしょうか?」

と銀行が言ってくると、

資金繰りで困った経験がある中小企業の社長なら、

やはり喜んでしまいます。

そういうところが、銀行のうまさです。

 

とはいえ、社長も社債を良く理解できずに困惑します。

すると銀行員はさらにたたみかけます。

「金利も通常の借入より低いですし、毎月の返済もありません。

 それに、わたくしどもの銀行が御社の社債を引き受けたことを

 新聞にも掲載しますので、御社の社会的地位が向上しますよ。」

などと銀行員がささやくと、

そこで多くの社長がOKしてしまうのです。

 

しかし、実際には、

社債を発行する手数料、

新聞に掲載する手数料、

金利計算の手数料、などなど、高額の手数料が発生するのです。

銀行引き受けの社債は、手数料の固まりなのです。

そこで社長は初めて「しまった!」となるのです。

手元に残るのは、手数料の大きな借入金と、

社債発行記念のアクリルの置物だけです。

「こんなもののために…、アホなことした。」

と後悔するのです。

 

ところが、少人数私募債は、自前で発行し、

社長や身内が引き受けます。

発行時に使うのは、エクセルやワードでの資料作成だけです。

なんの手数料も不要です。

 

社長の手元にそれなりの資金があるのなら、

その資金の一部でも、

少人数私募債という形で会社へ貸し付け、

余計な手数料や金利での社外流出を防いでほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年5月27日 (火)

少人数私募債を上手に使いなさい②

中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。

「少人数私募債」という方法もあるのです。

会社が発行する、社債の一種です。

経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。

少人数(49人以下)を対象に発行するので、

「少人数私募債」と言われています。

 

②銀行の評価では自己資本とみなされます

 

「少人数私募債は貸借対照表のどこに入りますか?」

と質問を受けることがあります。

少人数私募債は、貸借対照表で言えば負債のなかの、

固定負債に入ります。

長期借入金など、1年以上にわたって返済してゆく負債が、

固定負債です。

要は、少人数私募債も借入金の一種なのです。

 

しかし、その貸し手となってお金を出しているのは、

経営者自身であったり、同族の別会社であったりします。

つまり、身内からの借入金です。

身内からの借入金なので、

仮に経営危機に陥った場合、その返済はあとまわしです。

仕入先への支払い、従業員への給与、銀行借入の返済、

などが優先されてゆきます。

 

少人数私募債は、

返済の優先順位がもっとも低い借入金です。

金融用語で言えば、「劣後債」です。

資本金と同じようなものなので、

「資本性借入金」とも言われます。

 

そのため、

銀行は少人数私募債を「自己資本と同じ」とみなします。

純資産と少人数私募債を合算した金額から、

自己資本比率を算出するのです。

但しそのためには、決算書に明確に、

「経営者引受け少人数私募債」

と記載しておく必要があります。

単に「長期借入金」と記載しただけでは、

銀行で決算書をもとにデータ入力する審査部の人には、

「少人数私募債」とわからないからです。

 

少人数私募債は、返済の優先順位が低い代わりに、

毎月の返済がない、というメリットがあります。

発行時に、一括返済となる償還期間を定めます。

5年後とか7年後に、まとめて返す形になります。

「いっぺんに全部返すなんて、7年後でもできるかどうか…」

という不安があります。

しかし、7年後にムリであるなら、

第2回少人数私募債を発行し、

1回目の金額をそのまま更新すればよいのです。

 

基本的な考え方としては、

返せるときには一部でも返済しておく、ということです。

環境的にムリそうなら、返済せずに、

そのまま更新してゆけばよいのです。

お金の貸し手が亡くなれば、相続財産となるのです。

 

銀行が発行する社債は、自己資本になりません。

単なる借入金です。

せっかくなら、自己資本と評価される、

少人数私募債を活用してほしいのです。

 

(古山喜章)

2025年5月26日 (月)

少人数私募債を上手に使いなさい①

中小企業の資金調達は、銀行借入だけではありません。

「少人数私募債」という方法もあるのです。

会社が発行する、社債の一種です。

経営者や身内の者がその社債を引き受け、会社にお金を貸すのです。

少人数(49人以下)を対象に発行するので、

「少人数私募債」と言われています。

 

①取締役会の承認だけで発行できます。

 

「少人数私募債を発行しなさい。」「社債の一種です。」

と申し上げると、

「手続とかたいへんじゃないですか?」

といった質問をいただきます。

しかし、手続きは社内のみで完結します。

どこか外部機関への申請や届け出など、一切不要なのです。

 

そもそも、

少人数私募債を発行することを決める手順が簡単です。

臨時取締役会を開いて発行を承認し、議事録を残すだけです。

議案は「少人数私募債発行の件」で十分です。

議案の内容も細かく記載する必要はありません。

 

『議長は、少人数私募債の発行について詳細に説明し、

出席株主が慎重審議した結果、

出席株主全員の一致をもってこれを承認した。』

といった文書で良いのです

実際には、取締役会の開催などせず、

議事録を残しているだけ、でもいいのです。

 

「取締役会がない会社の場合は、どうすればいいでしょうか?」

と聞かれることがあります。

取締役会を設置しない、と定款に定めている会社には、

取締役はいるものの、取締役会はないのです。

その場合は、株主総会での決議になります。

 

「有限会社の場合はどうなりますか?」

といった質問もあります。

有限会社も、新会社法が施行された時点で、

株式会社と同じ扱いになっています。

なので、株式会社と同じ手順で

少人数私募債を発行できるのです。

 

医療法人、社団法人、社会福祉法人は、

少人数私募債を発行できません。

その場合は、株式会社となっている別会社を、

うまく活用すればよいのです。

 

「少人数私募債」は、中小企業にとって、

銀行以外の有効な資金調達手段です。

にも関わらず、税理士はもちろんのこと、

銀行員でさえもほとんど知りません。

改めて、「少人数私募債」について、

書いてゆきたいと思います。

 

(古山喜章)

2022年4月28日 (木)

なぜ、少人数私募債を活用しないのか ④

「資金調達は銀行からするもの」

と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。

銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。

銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。

しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、

ほとんど知られていないのが実情なのです。

 

④社内の手続きで完了でき、手数料がかからない

 

「少人数私募債をやろうと思えば、どうすればいいんでしょうか?」

と、経営者が気になるのは、その実務です。

 

まず、

社外の機関への申し出や提出などは、何もありません。

社内の手続きだけで完了できます。

手順として、概略は次の7つのステップで進めます。

1.取締役会にて少人数私募債発行の決議を行い議事録を残す。

2.募集要項を作成する。

3.発行趣意書を作成し、少人数私募債を引受けてほしい人に渡す。

4.少人数私募債の申し込み書を受け付ける。

5.少人数私募債の決定通知書を引受人に渡す。

6.入金確認書を引受人に発行する。

7.少人数私募債の管理記録を残す。

 

この流れに沿って、進めることになります。

これらは全て、エクセルやワードでできる事務作業です。

公的機関への申請、提出など、何もありません。

自社で関連する資料を保管するだけです。

 

一方、銀行が引き受ける社債は、手数料をおもいっきり取られます。

「金利は優遇します」

「一括償還なので資金繰りが楽になります。」

「新聞に掲載されます。」

等と社長に言い寄って社債を発行させ、関連手数料を取るのです。

その手数料が高いのです。

・財務代理人手数料

・登録手数料

・引受手数料

・元利金支払い手数料

・保証協会への保証料

等々、これはいったい何の手数料なのか、

と言いたくなる内容ばかりなのです。

 

そのため、銀行引受の社債を経験した社長は一様に、

「こんなことならやめておけばよかった。」

とおっしゃるのです。

しかし、少人数私募債は、

そのような外部への手数料は何も発生しません。

社内の手続きだけで、完結できるのです。

 

特に、自己資本比率を今より高くしたい、

とお考えの会社などは、少人数私募債を発行し、

銀行借入れを少しでも返すなどすればよいのです。

そうすれば、銀行評価の自己資本比率は上がるのです。

中小企業にとって、少人数私募債の活用は、

検討の余地が大いにある、資金調達策なのです。

 

(古山喜章)

2022年4月27日 (水)

なぜ、少人数私募債を活用しないのか ③

「資金調達は銀行からするもの」

と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。

銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。

銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。

しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、

ほとんど知られていないのが実情なのです。

 

③金利を3%~5%で設定できる

 

少人数私募債の金利は、3%~5%で設定してください、

と私たちは申し上げています。

10%でも可能ですし、実際におられます。

 

すると、顧問税理士の先生からは、

「そんな!銀行金利に比べたら、高すぎる!

 過剰に高い金利は否認されますよ!」

との声を受けることがあります。

が、この考えは大きな間違いです。

 

銀行は、人さまから預かったお金を貸す、間接金融です。

社債は、自分の持ち金を会社に入れる、直接金融です。

加えて、

銀行からの借入金は、経営破綻時の弁済順位が高いです。

少人数私募債での資金調達は、経営破綻時の弁済順位が低いです。

後回しです。いわゆる、劣後債の扱いです。

お金を出す側から見れば、ハイリスクなのです。

ハイリスクの半面、ハイリターンで金利が高いのです。

 

つまり、銀行借入と少人数私募債での資金調達では、

金融の種類がそもそも違うのです。

それを比べて「金利が高すぎる!」と言うのは、

少人数私募債の性質をまったく理解していない証拠なのです。

 

加えて、

少人数私募債は劣後債なので出資性が高く、

銀行は自己資本とみなして評価します。

資本金の株式であれば、出資額に対して10%配当は、

ごく普通の数字です。

ならば、出資性の高い少人数私募債の金利が、

3%や5%でも、何ら不思議ではないのです。

 

現在、

メガバンクの普通預金の金利は、0.001%です。

1億円預けて、年利で1000円です。

メガバンクの定期預金は、0.002%、1億円で2000円です。

少人数私募債で1億円を会社へ預けて3%なら、年利300万円です。

銀行の普通預金に比べて、3000倍の金利です。

同じ1億円を預けるなら、その損得は明確です。

 

会社へ預けても結局は、会社を通じて銀行に預けるのです。

それで金利が3000倍なのですから、

このメリットはかなり大きいのです。

5%にすれば、普通預金に比べて5000倍の金利です。

 

それに、会社が銀行から借りて、低いとはいうものの、

銀行へ金利を払うより、経営者の手元に金利が払われるほうが、

お金の使い方として、ムダがありません。

銀行金利は、なんのリターンもないのですから。

 

このように、金利だけを考えても、

少人数私募債には、大きなメリットがあるのです。

資金調達の手段として、中小企業はもっと検討すべきなのです。

 

(古山喜章)

2022年4月26日 (火)

なぜ、少人数私募債を活用しないのか ②

資金調達は銀行からするもの」

と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。

銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。

銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。

しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、

ほとんど知られていないのが実情なのです。

 

②自己資本として評価され、毎月の返済がない

 

私募債とは引受人が49人以下の、規模の小さな社債です。

加えて引受人は、経営者やその身内、従業員、取引先など、

近しい者に限られています。

近しい者が、会社の発行した債権を買うので、

出資に近い内容となります。

 

そのため、

銀行での格付け評価(スコアリング)において、

少人数私募債は出資性借入金とみなされます。

いわゆる、劣後債の扱いとされるのです。

劣後債というのは、他の債務に比べて、

経営破綻時における弁済順位が最も低い、という意味です。

万一、経営破綻に陥った場合、

他の買掛金、未払金、銀行借入金などの債務を優先させる、

ということになるのです。

 

つまり、引受人にとって、

少人数私募債は形式上、ハイリスクな商品なのです。

ただしその分、ハイリターンの金利を設定できるのです。

劣後債であるが故、銀行の評価では、

少人数私募債を自己資本と評価するのです。

 

実は銀行も劣後債を発行しています。

銀行の場合、国際業務を行うには、

一定の自己資本比率をクリアする必要があります。

そのため、劣後債を発行することで、

自己資本比率を高める手段を行っているのです。

 

加えて、少人数私募債は社債ですから、

通常の銀行借入金のような、毎月の返済がありません。

5年後や7年後、あらかじめ設定した償還時に、

一括返済となります。毎月の資金繰りは楽になります。

しかし、

「大きな金額なので、一括返済は無理ですよ。」

という声も多いです。

その場合は、新たな少人数私募債を発行し、

最初に会社へ預けたお金を充当します。

要は、再度更新するイメージです。

 

「少しずつでも返還を進めたいのですが・・・。」

という経営者がおられました。

少人数私募債の一部解約は、

取締役会の承認を得れば、可能です。

その経営者は、毎年、会社の現預金を見据えて、

一部を解約し、私募債残高を年々、減らされたのです。

 

少人数私募債は劣後債であり、銀行は自己資本と評価する。

毎月の元本返済がなく、資金繰りを楽にする。

これだけでも大きなメリットなのですが、

私募債を引き受けた人の金利にも、大きなメリットがあります。

金利については、次回に書かせていただきます。

 

(古山喜章)

2022年4月25日 (月)

なぜ、少人数私募債を活用しないのか ①

「資金調達は銀行からするもの」

と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。

銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。

銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。

しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、

ほとんど知られていないのが実情なのです。

 

①税理士先生がご存じではない

 

少人数私募債は、会社が自ら発行する、「社債」の一種です。

発行された「社債」を、経営者など身近な一部の人が引き受けます。

で、引き受けた人は、その金額のお金を会社へ振り込みます。

引受人は社長1人でも構わないのです。

 

この少人数私募債を発行しようとすると、

「うちの税理士先生が、

 それはどういうものか詳しく教えてほしい、

 と言ってます。」

と社長から言われることが多いのです。

なかには、

「聞いたことはあるけれど、詳しくは知らない。」

という税理士先生もおられます。

おそらくそれは、

聞いたこともないし、知らないのだと思うのですが、

全然知らない、とは言いづらいので、そう応えるのでしょう。

 

説明すると、いろいろと質問はされますが、

ほとんどの税理士先生はご理解いただけます。

なかには、

「うちの顧問先にも紹介させていただいてよいですか?」

とおっしゃられた税理士先生もおられました。

 

知らないのは税理士先生だけではありません。

「うちの借入銀行の担当者が、“知らない”と言ってます!」

となったこともあります。

少人数私募債は、社債の一種ですが、

金融のプロが関わってはならない、とされています。

だから、銀行の担当者レベルでは、

“聞いたことがない”ということが起こるのです。

この事例の担当者は、入社4年の若手銀行マンでした。

 

その顧問先でその銀行マンに会って説明してあげました。

すると、

「うちの支店長も、よくわからない、って言ってました!」

と正直に話してくれました。

その銀行は地方の第二地銀です。

 

まだまだあまり知られていない“少人数私募債”ですが、

中小企業にとっては、たくさんのメリットがあるのです。

そのメリットについて、改めて書いてゆきたいと思います。

 

(古山喜章)

2018年7月26日 (木)

少人数私募債は一括償還だけですか?

「少人数私募債は、一括償還だけなのですか?」
という質問を時折いただきます。
要は、お金を出した側からすれば、
ときどき返してほしい、ということなのです。

結論から言えば、
一括償還だけではなく、任意に設定できます、
ということです。
銀行引き受けの社債でも、6ケ月ごとに一部償還、
などという条件で社債発行しているケースを見受けます。
それと同じです。

しかし、6ケ月ごと、3ケ月ごと、などと決めるより、
「発行一年後以降は、取締役会の承認を得て、
 一部を一口単位で償還することができる。」
と、発行時の募集要項に定めておくほうがよいです。
このほうが、柔軟に対応できます。

少人数私募債は、社債の一種です。
発行時に、償還期間を決めます。
5年、7年、というのが最も多いです。
長くて10年、といったところです。
同時に、償還方法も定めます。
基本は、期間満了時の一括償還です。
しかし、中小企業の場合、金額が大きいと、
一括償還での返済は、資金繰りが大変です。

そのためにも、
償還までに一部を償還しておきたいのです。
償還は、一口単位に設定しておけば、
資金繰りへの負担は小さくて済みます。

少人数私募債は、49口以下で発行します。
例えば、
49百万円の発行総額なら、一口1百万円とし、
いつでも一口1百万円の単位で、
返還できるようにしておけばよいのです。
先に書いたとおり、発行時の募集要項に、定めるだけです。

そうすれば、5年後や7年後の償還時には、
一括償還する残金は小さくなっているはずです。
それでもまだ、一括償還はムリだ、と言うのなら、
その残金の額で、第2回少人数私募債を発行します。
で、第1回目の残金を充当する形で、
第2回目の少人数私募債を引き受ければよいのです。

少人数私募債に関する質問は、今もよくいただきます。
その理由で多いのは、
「顧問税理士に聞いても、わからないんですよ。」
というものです。
知っていても、聞いたことがある、と言う程度なのです。
質問に対応できるレベルで実務を把握している、
という税理士は、ほぼ皆無です。
よくわからない税理士に聞くよりも、
遠慮なく私たちに質問していただければ、よいのです。

(古山喜章)

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