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事業承継・M&A

2024年10月11日 (金)

折れた宝刀⑤

株式評価という場面で、

税務当局の“伝家の宝刀”が抜かれたものの、

結局、納税者(相続人)の主張が認められ、当局は敗訴した、

という事案がありました。

 

もう一つ、裁判所が判断したポイントがありました。

 

国税側は、

「相続が発生したタイミングで、

売買契約が成立していなかったとしても、

近い将来、売買契約が成立し、

売却代金が入ってくる可能性が高い、という場合は、

“株式価値=入金されるであろう金額”

として、評価の目安となってもよいだろう」

 

このように主張していました。

 

ところが裁判所は、

 

「このケースでは、

近い将来に売買契約が成立すること、

また、株式がお金に換金される可能性を

評価額の目安とすることは不適切」と判断し、

 

このケースでは、そもそも、

株式がお金に換金される可能性が高かった、

と認めることはできないと判断されました。

 

さらに、このケースでは、

相続人が、相続税の負担を減らす、

または、免れさせる行為をしたと、

認めることはできなかった、

ともしています。

 

色々な要素がからみあって、

今回の裁判所の判断となりましたが、ニュースを見る限り、

相続人サイドで、「不当に税金を抑えよう」と仕組んだわけではないことは

あきらかなように感じました。

 

今回、伝家の宝刀を抜いた結果、

国税側が負けたことが、

今後どのような影響を及ぼすのか、

何か動きがあれば、このブログでお伝えしていきます。

 

(福岡雄吉郎)

2024年10月10日 (木)

折れた宝刀④

株式評価という場面で、

税務当局の“伝家の宝刀”が抜かれたものの、

結局、納税者(相続人)の主張が認められ、当局は敗訴した、

という事案がありました。

 

改めて、この話のポイントですが、

 

・オーナーが生前のうちから、M&Aの話が進められていた

 

・そのさなかに、オーナーが亡くなった

 

・なくなってすぐにM&A契約が成立した

 

・オーナーの相続税を計算するときと、M&Aで売ったときの

 1株あたりの金額が10倍以上の開きがあった

 

・オーナーの家族は、税務署が定めたルールにしたがって、

 株式を評価していた

 

・ただし、国税当局は、「たとえルール通りに評価していたとしても、

 実際は、相続税の申告をしたすぐ後に、10倍以上の価格で

 売却しているから、それは、おかしい」として、否認した

 

ということです。

 

結果的に、この裁判は、納税者(相続人)が勝ったわけですが、

 

この伝家の宝刀を使って国税当局が勝つには、いってみれば、

 

納税者(相続人)側が「税金逃れをしようとしていた」

と認められなければならないのです。

 

その点、裁判所は、そういった事実が“ない”と判断したわけです。

 

そもそも、M&Aの場面においては、

高度な経営判断や、売手買手の交渉の結果で、

株式の売却代金が決定されるということで、

契約で決定した売却代金=絶対的な評価額 

とは限らないと判断しています。

 

要するに、買う相手が変われば、

売買代金も当然変わってくるでしょう、

ということです。

 

そして、もう一つ、裁判所が判断したポイントがありました。

 

(福岡雄吉郎)

2024年10月 9日 (水)

折れた宝刀③

 

株式評価という場面で、

税務当局の“伝家の宝刀”が抜かれたものの、

結局、納税者(相続人)の主張が認められ、当局は敗訴した、

という事案がありました。

 

伝家の宝刀 「総則6項」を使って、否認してきたのです。

 

ここで、総則6項についてご説明します。

 

総則6項というのは、

「財産評価基本通達第1章総則6項」の略称です。

 

通達というのは、いってみれば、

国税庁が定めた税務署の内部ルールのようなものです。

 

法律ではありませんが、実務的には、

通達に基づいて判断される、というのが一般的です。

 

相続財産は、基本的には、通達(財産評価基本通達)に基づき評価されます。

そして、それに基づいて相続税の金額が決まります。

 

もちろん、法律ではないので、

絶対的なルールではありませんが、

それでも、実務上は、この通達(内部ルール)を基に、判断されています。

 

そして、この通達の定めによって評価することが

著しく不適当と認められる場合は、

国税庁長官の指示を受けて評価する、とされている規定です。

 

さて、総則6項は、行き過ぎた節税対策に対抗するための規定です。

実務上のルールである通達に反して、

国税庁の判断で評価を決定できてしまいます。

 

通達による評価をされていても、

「けしからん!」と国税庁が判断すれば、

この通達で定めた評価方法を、否認できる、というわけです。

 

この総則6項が持ち出されるときは、

国税サイドが、「勝てる!」と判断した案件であることが多いです。

 

つまり、むやみやたらに、

この総則6項が持ち出されるわけではない、

ただし、これが持ち出されては、われわれ納税者は分が悪い、

ということで、「伝家の宝刀」なのです。

 

(福岡雄吉郎)

2024年10月 8日 (火)

折れた宝刀②

株式評価という場面で、

税務当局の“伝家の宝刀”が抜かれたものの、

結局、納税者(相続人)の主張が認められ、当局は敗訴した、

という事案がありました。

 

M&Aにからむ話でした。

 

時系列は、下記のとおりです。

 

H26年5月末 オーナーが買手企業と、M&Aに関する基本合意を締結

H26年6月中旬 オーナーが死亡

H26年6月下旬 オーナー奥様が代表取締役就任

H26年7月上旬 遺産分割協議を行い、株式は、奥様が相続した。

           その後、奥様は、買手と株式譲渡の契約を締結

H26年7月下旬 奥様は、株式を譲渡

 

奥様が、買手に対して売った価格は、1株105,000円

一方で、奥様が相続税として申告した際の評価は、1株8,000円

 

①売った株価は10万円、

②相続税を払うときの評価は8千円

その差は、13倍です。

 

この差に国税が着目して、

「相続税を申告するときの株価は安い!」

と言ってきた、というわけです。

 

しかし、そもそもの話、

②の株価は、類似業種比準価格といって、

国税が定めたルールにのっとって、

正しく評価されていました。

 

だから、納税者の奥様としても、納得できませんよね。

 

それでも、国税は、「不当に安くしている!」ということで、

伝家の宝刀 「総則6項」を使って、否認してきたのです。

 

(福岡雄吉郎)

2024年10月 7日 (月)

折れた宝刀①

9月末の日経新聞で、

税務訴訟に関する記事が掲載されていました(一部抜粋)。

 

「非上場株の相続を巡り、国税当局が「伝家の宝刀」と呼ばれる

特別な規定を使って課税した事案の税務訴訟で8月、国税側が敗訴した。

 

「本件控訴を棄却する」。

 

東京地裁で1月に下った一審判決に続き、国税当局側の2連敗。

最高裁への上告は断念し、判決が確定した。

 

「伝家の宝刀」とも呼ばれる財産評価基本通達総則6項という

特別規定を使った相続税の課税を巡り、国税側の敗訴確定は初めてとなった。

 

裁判で争われたのは、

東北地方で薬局経営などを手掛ける非上場企業の株式の評価額についてだった。

 

代表取締役の死去後、その子らの相続人は法定の期限内に相続税を申告。

 

相続した株式について、国税当局が通達で定めている通常の算定ルールに

のっとって18186円と評価した。

これに対し国税当局は「評価額が低すぎる」と判断し、総則6項を適用。

専門会社に価格算定を依頼して18373円が妥当だと結論付けた。

 

相続人側が求められた追加の相続税額は約4億円。

相続人側はこの処分を違法だとして2021年に提訴していた。

 

財産評価基本通達は、相続税を算定する際の財産評価の手法を細かく定めている。

非上場企業の株式の場合、その企業の利益や配当、

類似企業の株価をもとに評価するなどとしており、

今回の相続人もこの手法で申告した。

 

一方、基本通達には例外規定として「総則6項」がある。

通常の算定ルールでの評価が「著しく不適当」と認められる場合に、

国税当局が評価をし直すことができると定めている特別規定だ。

 

総則6項の適用は年に数件で、節税策などで相続財産のみかけの価値が

極端に下がっている場合などに使われることが多い。

 

ただ今回は事情がやや異なった。

代表者の男性は生前、同社株を他社に売却しようと検討していた。

みずほ銀行をアドバイザーとして価格も算定。

売却予定価格は総額約63億円(1105068円)だった。

だが正式な契約が成立する前の146月に男性は急逝。

 

妻が交渉を引き継ぎ、約1カ月後に予定価格で売却した。

その後152月に相続税の申告を行ったが、

申告では通常の通達ルールに基づいて株式を評価。

評価額は実際の売却額の12分の1以下だった。

 

国税当局はこの価格差などに注目。

総則6項を適用し、企業が将来生み出すキャッシュフローをもとにして

現在価値を算定する「DCF法」で再評価。18373円という数字をはじき出した。

裁判では、この評価額の引き上げが正当かが焦点になった。

 

株式評価という場面で、

税務当局の“伝家の宝刀”が抜かれたものの、

結局、納税者(相続人)の主張が認められ、当局は敗訴した、

という事案です。

 

そもそも、“伝家の宝刀”とは?

また、今回の裁判のポイントは?

 

明日以降でご説明をしていきます。

 

(福岡雄吉郎)

2024年7月 5日 (金)

相続時精算課税制度が変わる⑤

これまでお話してきた相続時精算課税制度ですが、

2024年1月以降の贈与分から、制度が改正されました。

 

主なポイントは、

相続時精算課税に係る、年間110万円の基礎控除ができた、

ということです。

 

この相続時精算課税をつかったときの注意点は、

色々とありますが、ここでは、詳細は割愛します。

 

一点、大きな注意点ですが、

この制度を使った場合は、

それ以降、暦年贈与は使えません。

 

つまり、相続時精算課税を使うか、

暦年贈与を使うか、二者択一です。

併用はできません。

 

ただし、例えば、父親からは相続時精算課税を使い、

母親からは、暦年贈与を使う、

ということは、選択できます。

 

この場合は、今年から、

相続時精算課税でも、110万円の非課税枠ができたので、

もともとの、暦年贈与の110万円と合わせて、

220万円の非課税枠が生まれます。

 

相続時精算課税を使ったほうが良い場合、

暦年贈与のほうが良い場合、

これは、オーナー、あるいは、後継者、はたまた、

一族の置かれた状況によって、変わってきます。

 

実際に、使う場合は、

顧問税理士の先生とも、

十分に協議してください。

 

(福岡雄吉郎)

2024年7月 4日 (木)

相続時精算課税制度が変わる④

これまでお話してき相続時精算課税制度ですが、

2024年1月以降の贈与分から、制度が改正されました。

 

主なポイントは、

相続時精算課税に係る、年間110万円の基礎控除ができた、

ということです。

 

110万円と聞いて、ピンと来られた方もいると思います。

通常の贈与制度(暦年)の非課税枠ですね

 

これが、相続時精算課税でも、新しくできた

ということです。

 

相続時精算課税を使う人(贈与される側)は、

年間110万円の贈与財産については

贈与税がかかりません。

 

また、暦年贈与制度とは異なり、

相続開始前に贈与された財産があったとしても、

この110万円以下であれば、相続財産に加算する必要はありません。

 

暦年贈与制度を選択した場合は、

相続開始前に贈与された財産は、

110万円以下であったとしても、相続財産に加算されてしまいます。

 

相続開始前に贈与された財産が

相続財産に加算されるという話ですが、

これも、今回の税制改正で、

これまでの3年から7年に改正されています。

 

みなさん、同じように考えて行動されます。

高齢になっても、贈与を積極的にされず、

亡くなる直前になって、相続税対策として、

焦って贈与を行うのです。

 

国としては、これは認めませんよ、

ということで、これまでは、亡くなる3年以内に贈与した財産は、

相続財産として持ち戻され、相続税が計算されていました。

 

しかし、この3年というのは、

諸外国に比べて短いため、

税制改正で7年前までさかのぼる、

ということになったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2024年7月 3日 (水)

相続時精算課税制度が変わる③

今年の税制改正で、

「相続時精算課税制度」の改正がありました。

 

「相続時精算課税制度」のメリットは、

この制度を使った時点で、

財産の評価額を確定できる、ということだとお伝えしました。

 

この制度を使った時点で、財産の金額に応じて

相続税の前払(=贈与税)が発生するわけですが、

このときに支払う税金には、2,500万円までは無税、

2,500万円を超える部分については、20%の税金を払う、

ということになっています。

 

これが2つ目のメリットです。

 

例えば、株式承継の場面を考えてみます。

色々な会社で、事業承継に携わってきましたが、

意外にも、後継者には「お金がない」というケースが多いです。

 

退職金を出したり、オフバランスをしたり、

特別損失を巨額に出して、

株価が2,500万円以下に抑えられれば、

一旦は、後継者が一銭も出さずに、

株式の移転が行えるのです。

 

もちろん、将来、オーナーがなくなったときに、

相続税が再計算されるわけですが、

目先、とりあえず、株式を移したい、

という場合は、メリットとなります。

 

また、同じようなケースで、株価4,000万円の

株式を移した場合は、どうでしょうか?

 

この場合は、(4,000万円 - 2,500万円)×20%

300万円の税金を後継者が払います。

 

これが相続時精算課税制度の概要です。

 

(福岡雄吉郎)

2024年7月 2日 (火)

相続時精算課税制度が変わる②

今年の税制改正で、

「相続時精算課税制度」の改正がありました。

 

「相続時精算課税制度」のメリットは、

この制度を使った時点で、

財産の評価額を確定できる、ということです。

 

通常、相続財産の評価は、

相続が発生した時点(オーナーが亡くなったとき)の評価額になります。

当然ですね。

 

しかし、この制度では、

将来の相続財産の評価を、

現在の評価額で固定化できる、ということなのです。

 

わかりやすいのが自社株式です。

 

いま、株価が1株 10,000円とします。

これから、高額退職金を払った結果、

株価が、5,000円まで落ちたとします。

 

一時的に、大赤字を出したため、

株価が下がりましたが、

来年以降は、また、株価は高くなってしまいます。

 

このときに、相続時精算課税を使うと、

使った時点で、贈与税が発生します。

このときは、1株5,000円で株式を評価して、

計算します。

 

 

これで、株式は、オーナーから、子供に移転しました。

子供は、贈与税を支払います。

 

そして、この制度を使ってから、10年後に、

オーナーが亡くなったとします。

そのときの、自社株評価額は、

1株10,000円に戻っていたとします。

 

この場合は、どうなるでしょうか?

 

相続時精算課税を使っていた場合は、

オーナーが亡くなったときに、

自社株式を含めて、改めて相続税が計算されます。

 

ただし、このとき、自社株式の評価額は、

亡くなったときの、1株10,000円ではなく、

この制度を使った時点の、5,000円で評価できる、

ということです。

 

(福岡雄吉郎)

2024年7月 1日 (月)

相続時精算課税制度が変わる①

今年の税制改正で、

「相続時精算課税制度」の改正がありました。

 

「相続時精算課税制度」

難しい言葉で、ご存じない方も多いと思いますので、

改めてご説明します。

 

相続時精算課税制度の内容は次のとおりです。

 

(概要)

・この制度は、簡単に言えば、「相続税の前払い」です。

 

・この制度を使えば、財産の贈与が行われたことになり、

 贈与税が発生します。

 

・60歳以上の父母または祖父母から、

18歳以上の子・孫への生前贈与で使えます

 

・贈与額25百万円までは、贈与税はかかりません。

 

・贈与額25百万円を超えた分については、

 一律、20%の税金がかかります。

 

・その後、オーナーに相続が発生した場合は、

この制度を使ってオーナーが贈与した財産と、

オーナーのその他の財産を合計した価額を基に

相続税額が計算されます。

 

・財産を相続する子供の立場から見ると、

既に支払っている贈与税額は、

このとき(=オーナーが亡くなったとき)に計算された相続税額と、

相殺され、差額が精算されます。

※これが、“相続時精算課税”と呼ばれる理由です。

 

(福岡雄吉郎)

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