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事業承継・M&A

2018年3月30日 (金)

顧問税理士の迷言(まとめ)

事業承継に関する、
顧問税理士の数多くの迷言について、
色々とご紹介してきました。

ここで、もう一度まとめておきます。

・暦年贈与は確かに有効な方法ですが、
80歳を超えての大株主に使う方法ではありません。
使うなら、50歳前後から10年くらいかけて暦年贈与を使うべきです。

・高額退職金を出しただけで、
国税局の調査が入ることはありません。

・高額退職金を出しても、
 取締役をおりる必要はありません。
 取締役会長、取締役相談役、取締役最高顧問など、
 肩書は、ご自由にお決めください。
 代表権は持たない、ということだけです。

・株式会社では、株を保有することと、経営することは別です。
 オーナー会社では、普段、意識しませんが、
 両者は、はっきりと区別すべきものです。
 ですから、退職をしたら、株を全部手放さなければいけない、
 ということはありません。

 ただし、高額退職金を支給すれば、通常は株価が下がります。
 ですので、このタイミングで、株を手放すのが、
 相続税のことを考えるとベストです。

 どうしても、後継者が心配だ、というオーナーは、
 黄金株をお持ちください。

・退職して、取締役会長になっても、
 BMW、ベンツなど、高級車を社用車としてお使いいただけます。

・私たちICOが高額退職金をお手伝いする場合は、
税務署にご挨拶に行きます。
ただし、税務署にプレッシャーをかけるわけではありません。
 創業者、中興の祖の退職、また退職金の支給というのは、
 会社にとって重要なことなので、
 税務署にも説明をしたほうが丁寧だろうという趣旨です。

・私たちが、顧問税理士とは別に、単独で税務署を訪問しても、
 顧問税理士は何をやっているのだろう?と
 税務署は思いません。

 むしろ、税務署からは、「事前に説明にきてもらって、ありがたい」
 と言われることすらあります。

顧問税理士の言うことは、あたかも真実のように聞こえることもありますが、
本当にそうかどうか、セカンドオピニオンを使って確かることが、
時として必要だと考えております。

(福岡雄吉郎)

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2018年3月23日 (金)

顧問税理士の迷言⑤

事業承継をお手伝いするなかで、
??と思う税理士さんのアドバイスがあります。

エムコーポレーション(仮称)の木下会長から、
高額退職金のお手伝いの依頼がありました。

聞くところによると、
顧問税理士は高額退職金の支給に
良い顔をしておらず、
色々な脅し(?)を受けているとのことでした。

国税局の調査が入らないことは、
前回の述べたとおりです。

その他にも、こんなことを言われました。

1.取締役はおりてください

2.株式はすべて手放してください

3.社用車(BMW)は、個人で買い取ってください。

いずれも、税理士に言われたとおりにする必要はありません。

1.常勤役員から非常勤役員になることは、
退職にあたります。

これまで代表取締役としてずっとやってこれらた会長、社長が、
いきなり取締役まで退任してしまうと、
対外的に、対内的にも不安が出てしまいます。
だから、代表権はとったとしても、
非常勤の取締役になるということで、OKです。

2.株式会社では、
株式の所有(オーナーシップ)と、経営を支配していることは、別物です。

特に上場会社を考えればよく分かると思います。
創業家が株をもっていても、
経営はサラリーマン社長があたっています。
この場合に、創業家は経営しているとは言えません。

中小企業の場合は、オーナー=代表取締役なので、
この区別が意識されませんが、
株の所有と経営は別物です。

3.非常勤といえども、取締役(会長)です。
機会は限られますが、
取引先の地位の高い方を助手席に乗せることもあります。

やはり、それに相応しい車は、
保有されて然るべきです。

さらには、もっと驚く迷言が飛び出しました。
つづく

(福岡雄吉郎)

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2018年3月14日 (水)

顧問税理士の迷言③

事業承継をお手伝いするなかで、
??と思う税理士さんのアドバイスがあります。

大東テックは、関東地方に本社を置き、
大手機械メーカーの販売代理店を営んでいます。

現在、大東テックは創業者の娘婿が社長を務めています。
業績は堅調です。

ただし、創業者はいまだ株式の70%を持っています。
株価にすると、5億円相当ととても高いのです。
そして困ったことに、この創業者は認知症にかかりはじめているのです。

娘婿の社長に質問します。

私:『創業者は、いまどんな症状なのですか?』

社長:『はい、完全にボケた、というわけではありません。
昔のことはよく覚えているんです。
ただし、いまさっきのことは覚えていないことが多いんです。』

私:『いまは、何をされてるんですか?』

社長:『基本的には自宅で過ごしています。
会社に来ることは、まずありません。
自宅では、義理の母(創業者の奥様)が面倒を見ています。』

私:『一度、奥様にお会いしたいですね』

ということで、後日、奥様にお会いしました。

私:『奥様、株の件で大変なことはご存知でしょうか?』

創業者奥様:『はい、社長からそのように聞いております。
私たちも早く対策を打ちたいと思っているんですよ。
でも、顧問税理士の先生からは、何の対策もなくて・・・』

私:『株の件で、ご主人(創業者)とお話しされたことはありますか?』

創業者奥様:『はい、以前に株をどうするのか?と聞いたことがあります。
そのときは、長女にすべてやる!と言っていました。
ただ、長女が株を受け取っても税金が高いだけですし…

顧問税理士は、創業来の付き合いなのですが、
もともと?と思う部分がありました。
でも、私たちが何かいっても、聞く耳を持たないというか・・・』

私:『大丈夫です、対策はあります』

世の中には、とんだ迷言を放つ税理士もいるのです。

もう1名、迷言を放つ税理士先生にお会いしました。

(福岡雄吉郎)

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2018年3月 9日 (金)

顧問税理士の迷言②

事業承継をお手伝いするなかで、
??と思う税理士さんのアドバイスがあります。

大東テックは、関東地方に本社を置き、
大手機械メーカーの販売代理店を営んでいます。

現在、大東テックは創業者の娘婿が社長を務めています。
業績は堅調です。

ただし、創業者がいまだ株式の70%を持っています。
株価にすると、5億円相当ととても高いのです。

しかもしかも、困ったことに、
創業者は認知症にかかり始めています。

「顧問税理士は何といっていますか?」

「毎年、わずかに贈与税を支払う程度で、
少しずつ贈与をしていきましょう。」

「えっ?いまの株価から考えて、
とてもそんな悠長なことは言ってられませんよ!
しかも、創業者だって、いつどこでどうなるか分からないじゃないですか!」

思わず、声が大きくなります。

「そうなんです、私もそう思います。」

「そう思うなら、どうして対策をとらなかったのですか?」

「顧問税理士には、私から他に何か対策があるのではないですか?
と何度も問い合わせました。

しかし、暦年贈与する以外の方法が出てこないのです。

おまけに、“万一のことがあったら、そのときは・・・そのときです”。
と言われています。」


どんな税理士なのですか?

「この地域の税理士会の会長を務められた方です。
いわゆる名士と言われるような人です。
年齢ですか?
もう75歳くらいですね」

「この顧問税理士のほうが
よほど認知症になっているんじゃないですか?!」

つづく

(福岡雄吉郎)

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2018年3月 7日 (水)

顧問税理士の迷言

事業承継をお手伝いするなかで、
??と思う税理士さんのアドバイスがあります。

大東テックは、関東地方に本社を置き、
大手機械メーカーの販売代理店を営んでいます。

創業者である会長が50年前に
裸一貫で立ち上げ、
現在は、年商30億円、経常利益1億円、
自己資本比率は50%と優良企業に育ちました。

現在の会長は、7年ほど前に代表権を返上し、
取締役会長になりました。

その後、3年前には取締役もおやめになり、
現在、会社に来られることはありません。

「会長」というのは、昔の呼び名の名残りで、
現在の新入社員は、会長の名前すら知らない、
という人間もいます。

会長は、現在80歳、奥様も同じ80歳で、
子供は、長女と次女の2人います。

現在、大東テックは長女の夫が入社し、
社長として采配をふるっています。
社長の努力もあり、近年大東テックの業績は安定しています。
今後、5年内の見通しも安定的という見込みです。

と、ここまでは何も問題ありませんが、
この大東テック、ご多分に漏れず、事業承継が終わっていません。
創業者である会長が、いまだ株式の70%を保有しているのです。

「あぁ、よくある話だなぁ・・・」
と思う方もいるかもしれません。

ところが、一つだけ同じような悩みを持つ他の会社と違う点があります。

それは、
会長に認知症の症状がある、ということです。

完全に認知症の診断が下されたわけではありません。
医者によって、その見方が分かれるようです。

株主名簿を見て、私は社長に、
「なぜ、こうなる前に手を打たなかったのでしょうか?
顧問税理士は、この件についてどういっているのですか?」

と尋ねると、社長の口から、
びっくりする言葉が出てきたのです。

(福岡雄吉郎)

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2018年2月14日 (水)

平成30年度 税制改正【事業承継税制①】

昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものの一つとして、
事業承継税制の要件緩和があります。

これまで事業承継税制そのものは、
制度として用意されていました。

しかし、使い勝手が悪いということで、
全くと言っていいほど使われてきませんでした。

政府は、優れた中小企業が、
相続税、贈与税の負担のせいで廃業するのは、もったいないということで、
平成30年度の税制改正で、
これまでの要件を大幅に見直すことにしました。

この制度がなかなか普及しなかった理由の一つが、
①雇用維持の条件です。

制度ができた当初は、
この制度の適用を受ける前と比べて、
5年間(毎年)は雇用の8割を継続することが義務付けられてきました。

これがあまりに厳しいということで、
平成27年の税制改正で、
雇用8割を毎年チェックするのではなく、
5年間の平均でチェックするようになりました。

しかし、これでもなかなか制度が普及しなかったので、
今回、さらに条件を緩くすることになりました。

具体的には、この5年間は雇用8割という条件が仮に満たせなくても、
経営状況の悪化とか、この他正当な理由があれば、
納税猶予は継続する、ということになりました。

また、業績が悪い、財務体質が悪化している場合、
特例承継期間(5年)が経過すれば、
M&Aで株式を譲渡するとき、会社が合併により消滅するとき、
会社が解散をするときなどには、納税猶予税額を免除することにもなっています。

簡単にいえば、
「会社がひどいときまで、税金はとりませんよ」
ということです。

先ほどの雇用面の条件以外に、
納税猶予を受ける条件として、あと2つあります。

次回につづきます。

(福岡雄吉郎)

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2017年12月 1日 (金)

一般社団法人の節税策が封じられる?

昨日の日経新聞朝刊の記事の引用です。

政府・与党は相続税の過度な節税防止に乗り出す。
一般社団法人を設立して相続税の課税を逃れたり、
住宅を贈与して宅地にかかる相続税を減らしたりする節税策が広がっており、
2018年度税制改正で具体的な対策を講じる。

相続税は15年から始まった増税で課税対象となる人が増えており、
節税策を封じて課税の公平性を確保する。

「一般社団法人の問題は放置できない」。
自民党税制調査会の宮沢洋一会長は社団法人を使った節税を問題視する。

社団法人は08年から営利目的でも設立できるようになったが、
株式会社と違って相続税はかからない制度となっている。
企業の株式に当たる持ち分が存在しないからだ。
役員の人数や親族の割合に関する定めもなく、比較的容易に設立できる面がある。

この仕組みを悪用して節税に使うケースが増えている。
まず親が代表者となって法人を設立し、資産を移す。
その後に子供を代表に就かせ、法人の支配権を継承すると、
資産には相続税がかからない。

この仕組みを使えば、子供ばかりか、
孫やその先の代まで、延々と非課税で資産を相続できる。

私たちICOでは、事業承継の対策として、
一般社団法人の活用をお勧めはしてきませんでした。

理由は、上記に書いてあるように、
一般社団法人には議決権が存在せずに、
頭数で意思決定が行われるからです。

株式会社の場合であれば、
意思決定は株主総会で行われます。

株主総会は、株式をどれだけ保有しているか、
3分の1超なのか、2分の1超なのか、あるいは3分の2超なのか、
これで意思決定できる内容がかわります。

つまり、資本主義なのです。

ところが、一般社団法人の社員の意見が合わなかった場合に、
資本力ではなく、社員の多数決で決められます。

だから、意見が合わない、あるいは結託されると、
運営がうまくいかず、ひどい場合は乗っ取りもありえます。

こうした面から、一般社団法人をお勧めしていませんでしたが、
今回の税制改正で、相続税対策としての旨みも消えてしまうことになります。

(福岡雄吉郎)
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2017年11月24日 (金)

M&A実例⑭

自己資本比率が10%、借入リッチなP社が、
10年近く赤字を続けているD社を、
M&Aにより子会社化することになりました。

デューデリジェンスを終えて、
大株主の説得も終わり、
あとは、株式の売買契約を結び、
実際に株式を取得するだけ、
となりました。

今回のM&Aにおける買収側(P社)は、
自己資本比率が10%前後しかなく、
借入リッチな、財務的に非常に厳しい会社です。

しかも、過去に借入金の条件変更(リスケ)を行っています。

「社長、今回の資金調達は、
どうされるおつもりですか?」

「えぇ、メインバンクの××銀行に、
融資をお願いしています。」

「メインバンクは何といっているのですか?」

「はい、彼らも、今回のM&Aが、
わが社にとっては、千載一遇のチャンスであり、
今後の発展のために、必ず成功させる必要があることは、
わかってくれたようでした。」

「じゃあ、資金調達に何の問題もないですよね?」

「はい、と言いたいところですが、
1点、銀行からリクエストがありました。

買収先の会社(D社)には、定期預金があるのですが、
その定期預金を担保に入れてくれ、と言われました。
でなければ、貸せないと。どうしたらよいでしょうか?」

「ちょっと待ってください。
資金調達をするのは、社長の会社なのに、
なぜ、他の会社の定期預金を担保にとるのですか?
しかも、いまはまだ、グループ会社でも何でもない会社ですよ。」

「…そうですよね。おかしいですよね。」

「わが社の財務状況は確かに悪いですが、
いまは、金融庁からも”担保はとるな”とお達しが出ているご時世です。
まして、資金を借りるわが社ではなく、他社の定期預金など、
とっていいはずがないですよ!」

その後、数回のやりとりを経て、
結局、無担保で資金調達は実行でき、無事にM&Aが完了したのです。

両社は、グループ会社として、新たに出発していますが、
改めて、M&Aには色々な形がある、と感じました。

(福岡雄吉郎)
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2017年11月22日 (水)

M&A実例⑬

自己資本比率が10%、借入リッチなP社が、
10年近く赤字を続けているD社を、
M&Aにより子会社化することになりました。

デューデリジェンスを終えて、
D社の会社の株価がゼロだと評価されました。

次のステップは、株式の買取りです。

一番のポイントは、創業者である奥様が保有している
約40%の株式の買取でした。

事前の情報では、株式の買取には、
なんの障害もなく、スムーズに行われるはずでした。

しかし、直前になってこんな話が入ってきました。

大株主は、“現在の社長になら売るけれど、
よその会社には売らないと、言っている“と。

これは困ります。
それでは今までやってきたことが水の泡になります。

調べると、どうも
今回のM&Aを好ましく思わない役員が、
大株主のもとを訪れて、
「会社が乗っ取られる」とか、
色々と吹き込んでいるようでした。

売る側のD社の社長には、

「今回は、買う側P社に株式を売らないと、意味がありません。
大株主を説得してください。

“P社とは昔から一緒に仕事をしてきて、
わが社が生き残る唯一の方法は、
このP社とのM&Aを成功させることだと“

これは、社長の仕事です。」
といって大株主の説得にあたってもらいました。

時間をかけて説得することで、
何とか大株主の説得は得られました。

なんでもそうですが、実際に完了するまでは、
うまくいくかは分かりません。

最後は株式の取得代金の調達です。

ここにもう1つの壁がありました。

(福岡雄吉郎)
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2017年11月17日 (金)

M&A実例⑫

自己資本比率が10%、借入リッチなP社が、
10年近く赤字を続けているD社を、
M&Aにより子会社化することになりました。

デューデリジェンスを終えて、
会社の株価がゼロだと評価されました。

次のステップは、株式の買取りです。

デューデリジェンスを始める前、
こんなことがありました。

今回の売り手の大株主について
株主名簿を見ると、見慣れない名前が…

「社長、この山田さん(仮)という方は、
どなたでしょうか?
大株主として、約40%も株式を持っていますね」

「はい、この方は実は創業者の奥様です。
年齢にして92歳、
現在は、有料老人ホームで暮らしています。」

「家族構成は??」

「はい、家族は、奥様ただ1人です。
10年前に亡くなった創業者との間に、
お子さんはいらっしゃらないのです」

「兄弟姉妹は?」
「すでに他界されていて、お一人だと聞いています」

「この方、ご自分の株式について、
どのように思っているのでしょうか?」
「はい、以前は、会社が残るのであれば、
誰に渡してもいい。
金額は、家族もいないし、どういう金額でもOK」
とおっしゃっていました。

「そうですか、話は簡単ですね~」
こんなやりとりがあったのです。

しかし、実際にデューデリジェンスが終わって、
話をしにいくと、雲行きが少し怪しくなっていたのです。

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