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銀行交渉

2023年5月 2日 (火)

特別損失を活用しなさい

先日、3月末決算の会社の仮決算書を拝見しました。

その会社は卸売業です。

経費内訳をみると、電気代が前期に比べて約22百万円、

増えていました。

 

社長に聞きました。

「設備は特に増えていないので、この22百万円は、

 冷蔵倉庫とかの従来の電気代が値上がりで増えた金額ですよね?」

「そうです。特に設備は変っていません。」

「ならば、この22百万円は、価格高騰によるものとして、

 前年との差額をそのまま特別損失に計上してください。」

「そんなことできるんですか!」

「特別損失は、例年に比べて特別な費用だと、

 経営者が判断した費用です。特に法的な決まりはありませんよ。」

「そうなんですか。

 でも、勘定科目はどうすればいいでしょうか?」

「“その他特別損失”としてください。」

「わかりました!それだけで営業利益と経常利益が22百万円増えますね!

 ありがとうございます!」

 

この一年間、電気代はどことも、想定外の高騰です。

設備の稼働に変化がなくとも、1.5倍以上になっているはずです。

このような費用こそ、特別損失なのです。

「値上がり分はどうやって計算すればいいですか?」

と聞かれたこともあります。

「前期と比べて、稼働している設備に大きな変化がないのなら、

 単純に前期との差額を特別損失にしてください。」

と申し上げております。

 

「銀行に聞かれたら、どう説明すればいいのでしょうか?」

と質問される方もいました。

「会社の経営判断で電気代の値上がり分は特別損失にしました、

 と回答すれば十分ですよ。」

と申し上げております。

反対した税理士も、今のところは聞いておりません。

「税理士に言ったら、“なるほど。”と言われました。」

という答えばかりです。

 

先に紹介した会社は、卸売業です。

多くの在庫を抱えて、回収には時間がかかる商売です。

常に資金繰りが厳しく、

銀行からの資金調達が必要となる機会が多いです。

銀行は、営業利益、経常利益を重視します。

「先生、銀行が特別損失の中身を知ったら、

 この営業利益は違うんじゃないか、とか思わないでしょうか?」

と心配される経営者がおられます。

 

銀行では、会社の格付けをするのは、審査部です。

決算書は、審査部に回され、その部署の人が数値を入力してゆくのです。

特別損失の中身など、その入力する人には、関係ないのです。

担当者が特別損失の内容を聞き、容認できるのなら、それでOKです。

銀行担当者にしても、担当している融資先の格付けがよいほうが、

融資案件を通しやすいのです。

融資が多いほど、銀行員としての成績が上がるのです。

 

間もなく決算が確定する、という会社が多いと思われます。

特別損失に計上できる、例年には発生しない特別な経費や、

想定外に値上がりした費用はないか、など再度確認してください。

そうするだけで、

営業利益、経常利益の金額を増やす事ができるのですから。

 

(古山喜章)

2023年4月21日 (金)

固定金利か変動金利か ④

アメリカの金利が上がり、

日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、

銀行担当がささやいてきます。

「そろそろ日本の金利も上がりますよ。

 変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」

そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。

 

④日本の金利もそろそろ上がりますよ

 

「アメリカの金利が大きく上がっているので、

 日本の金利もそろそろ上がりますよ。

 変動よりも固定にされたほうがいいですよ。」

と、銀行担当が言ってきました、というお声が多いです。

「実際、どうなんでしょうか?」

と、顧問先の社長からよく尋ねられます。

 

アメリカは急激に金利を上げた反動で、

破綻する銀行が現れ、住宅購入は冷え込むなど、

大きな弊害がでています。

その悪影響は今もって継続しており、まだ落ち着かない状況です。

その状況を見ている日銀が、すぐに日本の金利を上げる、

ということは考えにくいです。

上げてもおそるおそる、ということになるでしょう。

 

そもそも、コロナで大量にばらまかれたお金は、

まったくもって銀行に余っています。

銀行が国債を買っても日銀に買い取られ、

また現金が銀行に戻ってくる、という状況が続いています。

 

企業の資金需要が活発化するようにと、

日銀は金融緩和を続けてきました。が、

一向に企業の資金需要が増えてこないのです。

刺激的な政策で、新たな投資への優遇措置がない限り、

そう簡単に資金需要は大きく伸びません。

この状況が続くうちは、金利が大きく上昇することはありません。

資金需要が高まって初めて、金利が上がるのです。

 

銀行担当は、単に固定で高い金利の契約を取りたいだけです。

先日も、ある顧問先で、

固定金利で0.96%で提示してきた地銀がありました。

同じ銀行にタイボ+スプレッドで再度提示させると、0.45%弱でした。

2分の1くらいになったのです。

それくらい、固定金利だと上乗せしてくる、ということです。

 

現状は、固定か変動かとなれば、

よほど低い、0.3%0.4%の固定でない限り、

“変動でお願いします。”と言って交渉してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年4月20日 (木)

固定金利か変動金利か ➂

アメリカの金利が上がり、

日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、

銀行担当がささやいてきます。

「そろそろ日本の金利も上がりますよ。

 変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」

そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。

 

➂短プラでどうでしょうか

 

「タイボ+スプレッドの変動でお願いします、

と銀行担当に行ったら、

“変動なら、短プラ+スプレッドでどうでしょうか?”

と言ってきました。」

という社長がおられました。

 

正直、驚きました。

「短プラ!

そんな死語を使う銀行がまだあるんですか!」

と思わず言ってしまいました。

 

短プラは、「短期プライムレート」の略称です。

一年以内の短期貸付で、銀行別に定められた、

信用力の高い優良企業に貸し出す時の最優遇金利、とされています。

しかし、それは銀行が自ら言っていることです。

この10年で言えば、法人融資に短プラを使うケースは、

ほとんどみられなくなりました。

その理由は、その金利がアホみたいに高いからです。

最優遇でもなんでもないのです。

 

日本銀行が短期プライムレートの金利を月ごとの統計で公表しています。

その中に、「最頻値」という、銀行が最も多く使う短プラ金利があります。

それを見ると、2009年1月以降、ずっと1.475%なのです。

私たちの顧問先では、

“タイボ+スプレッドで0.3%台の金利になりました!”

などと言ってきます。

それに比べて1.475%は、べらぼうに高いのです。

しかも、先の銀行担当は、それに+スプレッドでどうですか?

とのことです。

となると、軽く1.7%以上になるはずです。

 

「どこが最優遇金利なんだ!」と言いたくなるのも当然なのです。

おそらく、

「短プラ+スプレッドでどうでしょうか?」と提案されて、

「わかりました。それでお願いします。」

という、中小企業の社長が、今もおられるのでしょう。

だから、そのまま通ればラッキー、

と考えて、銀行担当は短プラ+スプレッドで提案してきたのです。

 

そもそも、2009年以降、1.475%のまま変わらない、

ということ自体、変動金利ではありません。

はっきりいって、固定です。

 

結局、冒頭の会社は、

別の銀行でタイボ+スプレッドで借りることになりました。

が、現状の相場観がわかる知識や銀行交渉の智恵がなければ、

高い金利で融資を受けることになるのです。

それだけ、不要なキャッシュを流出させることになるのです。

だから、

経営者は銀行融資に関する知識を蓄えておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年4月19日 (水)

固定金利か変動金利か ②

アメリカの金利が上がり、

日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、

銀行担当がささやいてきます。

「そろそろ日本の金利も上がりますよ。

 変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」

そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。

 

②対応するシステムがありません

 

「まだすぐに金利が上がることはないから、

 タイボ+スプレッドの変動金利で融資条件を出してもらってください。」

と、新規融資を検討している上田社長(仮名)に伝えました。

競合する、ふたつの地銀に声をかけてもらいました。

こちらの思惑としては、良い条件の銀行に両行の条件を統一し、

それぞれの銀行から5:5程度で借りたい意向でした。

仮に、第一銀行と第二銀行とします。

 

ここで改めてですが、

タイボはTIBOR(東京銀行間取引金利)のことです。

銀行間では毎日、お金の貸し借りを行っています。

東京の銀行同士の貸し借りの金利相場が、タイボなのです。

大きな変動はありませんが、毎日公表されています。

その変動するタイボ金利に、固定で上乗せするのがスプレッド金利です。

 

上田社長から回答がありました。

「第一銀行は、タイボに対応するシステムがないから、

 タイボでは条件提示できない、と言ってきました。

 固定でどうでしょうか、と言ってます。」

となり、返答しました。

「いやいや、上田社長、それは絶対にウソですよ。

 他の顧問先で、第一銀行でタイボ+スプレッドで借りている会社が

 現実にありますから。」

「そうなんですか!」

「大ウソもいいところですよ。」

「そのことを担当に言ったほうがいいでしょうか?」

「いや、それより、第二銀行からの回答は?」

「タイボ+0.3のスプレッドでどうですか?と回答がありました。」

「じゃあ、その条件を第一銀行の担当に伝えて、

 “できないなら全額、第二銀行から借りる!”と言ってみてください。」

「わかりました!」

 

2週間後、上田社長から電話が入りました。

「先生、傑作です。第一銀行の担当から、

 “うちでもタイボにシステム対応できるようになりました!”

 と言ってきました。

 先に聞いている事実を知っているだけに、笑いそうになりました。」

「でしょう。銀行なんて、そんなものですよ。

固定金利にして、少しでも金利を上げたかったんですよ。

で、スプレッドは?」

0.3で、第二銀行に合わせてきました。」

「そうでしょ。結局、貸す先がないから、融資を全額、

第二銀行に取られるのは、なんとしても避けたかったんですよ。」

「どうすればいいでしょうか?」

「4:6で、第二銀行を多めに借りましょう。

 第一銀行の担当が文句を言うなら、

 “おたくが元もとタイボを隠して固定にしようと企んでたのは、

  わかってるんですよ。”

 と、言ってやってください。」

「わかりました!」

となり、交渉は無事に進んだのです。

 

銀行はいま、

あの手この手で固定金利の融資をしようとしかけてきます。

が、銀行のそのような思惑には、安易に応じないでほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年4月18日 (火)

固定金利か変動金利か ①

アメリカの金利が上がり、

日本の物価が上がり、日銀総裁が変わり、

銀行担当がささやいてきます。

「そろそろ日本の金利も上がりますよ。

 変動ではなく、固定にされたらいかがでしょうか?」

そのささやき作戦に、悩まされる経営者が多いのです。

 

①銀行合併の弊害

 

経営者から相談を受けました。

「“今から借りるなら固定のほうが安心ですよ”

 と銀行担当が言うんです。本当にそうなのでしょうか?」

同じような相談が多いです。

その方々には、

「日本はまだまだ空前のカネ余りです。

 それがカネ不足に転じるまでは、低金利が続きます。

 だから、変動のままで進めてください。」

とお伝えしています。

 

その言葉を受けて、

新規融資をタイボ+スプレッドの変動金利で進めようとした、

地方の会社がありました。3つの地銀に条件提示を依頼しました。

仮に、A銀行、B銀行、C銀行、とします。

そのうち、A銀行は数年前に、B銀行の傘下に入り、

吸収合併されました。

 

A銀行の担当者が、次のように言ってきたそうです。

「うちは社長のお望み通り、

 タイボ+スプレッドの変動で提示できます。

 1ケ月タイボ+スプレッド0.3で出せそうです。

ただ、B銀行の担当から、

 “うちよりも少し悪い条件で提示するように”

 と、きつく言われています。

 B銀行は“スプレッド0.3なんて出せない!”というので、

 残念ながら、社長が望むような条件を提示できそうにないです。

もし、C銀行の条件がよければ、そちらで契約してください。」

 

その言葉を受けた社長は言いました。

「なんでそんなこと、教えてくれるの?」

「私はこの春で異動になります。

今さら離れる支店のノルマやルールに縛られるのもイヤなので。

 社長には大変お世話になりました。長い間、ありがとうございました。」

とのことだったのです。

銀行合併に伴う実態は、こんなものです。

 

実際、C銀行の条件が最もよく、

B銀行にその条件を求めても応ずることなく、

C銀行から全額融資を受けることになりました。

ちなみにC銀行も、スプレッドは0.3でした。

社長は言いました。

「A銀行とC銀行がどちらも同じ条件なら、

本当はA銀行から多い目に借りたいんですけどね。」

 

私たちは、複数銀行との取引をすすめています。

しかしこの最近、銀行間の合併が多いです。

取引銀行同士が同じ系列になってしまった、ということもあります。

そうなると、B銀行がA銀行にしたように、

強い立場の銀行が弱い立場の銀行に、圧力をかけてきます。

まさに優越的地位の濫用です。

これでは、借りる側にとって、競合させていることになりません。

系列銀行同士は、支店間で情報が筒抜けと考えたほうがよいのです。

 

取引銀行同士が合併するなら、その2銀行のうち、

ひとつの銀行との取引に絞ったほうがよいのです。

そうしなければ、複数の銀行とつきあう意味がありませんので。

 

(古山喜章)

2023年3月 8日 (水)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか②

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

②倒産防止共済を活用しなさい

 

「何かあったとき、の何かとはなんですか?」とお聞きすると、

災害、取引先の倒産による回収不良、などが出てきます。

そのような事態に備えるのが、

『経営セーフティー共済』、通称、『倒産防止共済』と言われるものです。

政府系の中小企業整備機構が運営しています。

 

年額最高240万円、累計で800万円まで、掛けれます。

全額を損金計上できます。

災害や取引先倒産、売上回収不良などが発生したときに、

掛け金の10倍、最高8000万円までを、

無担保・無保証で借りることができます。

これだけでも、

「まさかのとき」に役立つ商品です。

 

それに、借りなくても、不測の事態の折には、

掛け金を解約してすぐに返金してもらうことができます。

コロナ発生で緊急事態宣言に初めてなった時、

多くの顧問先が、解約で800万円を返してもらいました。

子会社も含めて4社ある会社は、それだけで3200万円でした。

「大いに助けられました。入っていてよかったです。」

とのお声を聞きました。

 

解約したあとは、もう一度加入して、

掛け金を積み上げることができます。

申し込むには、

インターネットで『経営セーフティー共済』を検索します。

申込書をダウンロードするページがあります。

ダウンロードして必要事項を記載し、ポストに投函します。

記入例も詳しくあるので、簡単です。

 

掛け金は解約すれば戻ってくるし、

まさかの折には、無担保・無保証で資金調達できるのです。

その非常時の借入金にのみ、金利はかかります。

銀行借入で現金を抱える時のように、

平常時における金利での現金流出もなければ、

総資産が膨張することもありません。

中小企業にとっては、いいことづくめの制度なのです。

未加入の会社は、絶対に入っておくべき制度なのです。

 

(古山喜章)

2023年3月 7日 (火)

なぜ、そんなに現預金を積み上げるのか①

貸借対照表を拝見すると、

現預金が月商の2倍、3倍ある一方で、

負債に長短借入金がどっさりある、

というケースをまだまだみかけます。

「なぜ、借金をしてまで現預金を抱えるのですか?」

と聞くと、「何かあったときのために。」と言われます。

しかし、借金し続けることだけが、その対策ではないのです。

 

①当座貸越枠を活用しなさい

 

「何かあったときのため」の銀行調達は、

通常の短期・長期の借入金だけではありません。

『当座貸越契約』という融資方法もあるのです。

銀行との当座貸越契約で、

すぐに借りれる上限金額を設定してもらいます。

それが5千万円なら、上限5千万円までの金額を、

企業側はすぐに借りることができます。

少なくとも2~3日以内迄には、借りれます。

 

当座貸越契約をしていれば、

普段から借入金を抱える必要はありません。

取り急ぎの資金が必要な時だけ、銀行に連絡して、

上限範囲内の金額で借りればいいのです。

そうしておけば、

普段から現預金や借入金の残高が必要以上に多い、

ということはなくなります。

総資産を小さくしておくことができるのです。

 

総資産が小さければ、

自己資本比率、総資産経常利益率など、

経営指標が良くなります。

そして何より、

余計な金利を日ごろから支払うことはないので、

金利での現金流出を減らすことができます。

 

当座貸越契約は、銀行との契約のなかでは、

ハードルが高い契約です。

「当座貸越契約をお願いします。」

と要望するところから始まりますが、

「はいわかりました。」とすぐにはなりません。

 

銀行審査部を通して、当座貸越契約の承認が必要になります。

さらにその際に、上限いくらまでなら当座貸越契約OKなのか、

が判定されます。そのあと、金利の条件設定に入ります。

こちらが1億円で上限設定をお願いします、

いっても額を決めるのは銀行側になるのです。

もちろん、財務状況がよく、

格付け(スコアリング)が高い会社ほど、

スピーディーに当座貸越契約が決まりますし、条件もいいです。

 

逆に、当座貸越契約を申し入れて、銀行からNOの返事なら、

財務状況が悪い、と判断されている証拠です。

つまり、たいして信用されていない、ということです。

そういう会社には、短期借入金で対応したり、

定期預金を進めてきたり、するのです。

 

結局、借金をして現預金を過剰に抱えている会社は、

銀行のいいように転がされているだけです。

早くそのことに気づき、他の手立てに変えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年2月10日 (金)

銀行の提案に気をつけろ④

「先生、銀行からこんな提案が来たんですけど、

 みてもらえますでしょうか?」

といった相談を、一年に数回は受けています。

しかし、これはいい提案だからやったほうがよい、

という内容はまず、ありません。

結局は、銀行が儲かるための提案ばかりなのです。

 

➂そろそろ固定金利にしませんか

 

「先生!銀行が、

“これからは金利も上がりますから、

  今回の借入からは固定金利にされてはどうでしょうか?”

 と言ってきました!」

といったご相談を受ける機会が増えてまいりました。

アメリカはじめ諸外国の金利上昇の記事を見ていると、

「そう言われれば、それもそうかな。」

と思いがちです。

 

しかし、実際のところ、日本はまだまだ低金利が続いています。

しかも、かつてないくらいのカネ余りです。

資金の需要が少ないのです。

本当に金利が上がるのは、資金需要が多くて、

それに対してお金が不足している、という状況の時です。

現状の国内の経済環境を見ていると、

そのような状況にはまだまだ遠いです。

 

実際問題、東京の銀行間での取引金利であるタイボは、

1年前に比べると下がっています。

銀行が固定金利を提案するのは、

そのほうが彼らにとって、うまみがあるからです。

変動金利ではなく、固定金利での契約が欲しいいのです。

固定金利のほうが、金利は高くなります。

銀行内での成績も上がります。

だから、固定金利を進めてくるのです。

 

早い話しが、金利に関しては、

銀行が固定を提案すれば変動を

変動を提案してくれば固定を、選択すればよいのです。

要は、銀行が言うことの逆の選択肢を選べばよいのです。

 

これまで諸外国に移っていた生産拠点などが、

国内にじわじわと戻りつつあります。

それがさらに進み、

国内での設備投資がもっと活発化してきた折には、

資金需要が大きく増えて、金利がじわじわ上がるでしょう。

しかし、それまでには時の経過があります。

金利が急に大きく上がることはないのです。

 

私たちは、

 タイボ+スプレッド(上乗せ金利)で借りなさい、

と言い続けております。

今のところは、変わらずその通りに銀行に申し入れてほしいのです。

そうしていよいよ、

本当に金利が高くなってきた、という時点で、

固定に切り替えてゆけばよいのです。

何もその傾向が見えない今から、

固定金利に切り替える必要はないのです。

 

(古山喜章)

2023年2月 9日 (木)

銀行の提案に気をつけろ➂

「先生、銀行からこんな提案が来たんですけど、

 みてもらえますでしょうか?」

といった相談を、一年に数回は受けています。

しかし、これはいい提案だからやったほうがよい、

という内容はまず、ありません。

結局は、銀行が儲かるための提案ばかりなのです。

 

➂社債を発行しませんか

 

いまだに聞くのが、

「銀行から社債を発行しませんか?と言われました!」

というものです。

それも最近は、

「これはSDGS社債なので、手数料の一部を、

 地域の学校や医療福祉施設に寄付させていただきます。」

といって勧誘してくる銀行員がいるようです。

 

スーツにSDGSのバッジをつけている中小企業や、

SDGSへの取り組みが必要と思われる業界の会社や、

社長がSDGSや環境活動などに関心ありそうな会社、

がよく狙われています。

 

「SDGSへの取り組みとして、高く評価されますよ。」

「銀行での社債引き受けは、一定の基準をクリアした、

 優秀な会社だけでのすので、社会的地位が上がりますよ。」

などと甘い言葉をささやいてくるのです。

 

しかし、手数料がバカ高い!

SDGS社債の場合、通常の手数料に加えて、

社債発行額の0.5%程度を手数料に上乗せされます。

その上乗せ分を寄付に使います。

で、寄付するための手数料がさらに加わります。

もう、手数料の固まりです。

 

しかもSDGS社債を引き受けた、

という会社を見ていると、その中には、

“お金を借りる必要ないじゃないか!”という会社があるのです。

設備投資等で資金がいるならまだしも、

そんな必要まったくないのに、余計な手数料を払ってまで、

SDGS社債を引き受けているのです。

それでも銀行にだまされていることに、気づいていないのです。

 

通常の社債はムリでも、SDGS社債なら、

受け入れてもらえるのではないか、

というのが、銀行の考えです。

そんな考えにのらないでほしいのです。

SDGS社債といえども、所詮は借金です。

銀行から借りる必要があるのかどうかを、

よくよく考えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年2月 7日 (火)

銀行の提案に気をつけろ②

「先生、銀行からこんな提案が来たんですけど、

 みてもらえますでしょうか?」

といった相談を、一年に数回は受けています。

しかし、これはいい提案だからやったほうがよい、

という内容はまず、ありません。

結局は、銀行が儲かるための提案ばかりなのです。

 

②新会社を作って株式等価交換しませんか

 

銀行からの、

「ホールディングス会社を作りませんか?

 その会社で株を買い取るお金は、私どもが融資します。」

という提案は減ってきました。ところが、

先日ある会社で、銀行からの新たな提案書を見せてくれました。

 

そこには、

「株式等価交換を活用したホールディング会社の活用」

とありました。

これも同じく、ホールディングス会社を設立して、

その新会社が事業会社の株式を持つ形です。

かつての提案は、新会社を後継者100%で設立し、

その会社が銀行からお金を借りて、

事業会社の株式を全部買い取る、といったものでした。

 

今回の株式等価交換の提案では、

新会社は事業会社と同じ比率で株主に株式を発行し、

その対価として事業会社の株式を全部持つ、

ということになります。

なので、銀行からの融資は必要ありません。

しかし、事業会社と同じ比率で新会社は株式を発行するので、

新会社の持ち株比率は、かつての事業会社と同じ、

ということになります。

 

事業会社の株式が、先代社長90%、後継者10%、だとしたら、

事業会社の株式は、新会社が100%持つことになるものの、

新会社の株式は、先代社長90%、後継者10%、となります。

 

その提案をしてきた銀行担当がちょうどやってきたので、

「これではなんの解決にもならないじゃないですか?」

と言いました。すると担当者は、

「そうなんです。ただ、間接的に保有するので、

事業会社の株価は若干下がります。」

「若干なんて下がっても、たいした意味ないでしょ。」

「なので、新会社を設立したあと、社長がお持ちの90%は、

 事業会社で持ち株会を作って、議決権を無しにして、

 持株会へ移すことも可能です。」

というので、

「なら、最初からそうすればいいじゃないですか。

 ただ、そうやっても、本当の解決にはなりませんけど。」

と答えました。

 

種類株式にして取得条項を付けることが必要、

というところまでは、教えませんでした。

銀行担当とのやり取りが続きました。

「この株式等価交換のスキームなら、ご心配されている、

融資の必要はありません。」

「でも、解決にならないでしょ。それに、手数料は取るでしょう。」

「手数料もいりません。ご指導させていただくだけです。」

「必要な議事録とか、会社設立の費用は?」

「その程度は、やはり必要になります。」

「でしょ。やっぱりお金はかかるじゃないですか。

 それに、そんなことしてもらったら、今度融資を検討する際に、

 おたくに忖度しないといけなくなるでしょ。」

「いえいえ、そんなことはしていただかなくても結構でございます。」

「そういうわけにはいかないでしょ。」

というやり取りを終え、銀行担当は帰ったのです。

当然、そんなスキームを、取り入れるはずがありません。

 

でも上のやり取りの途中で聞くと、

その銀行からの提案に基づいて、

株式等価交換のスキームを実行している会社が、

いくつもあるとのことだったのです。

気の毒なことです。

銀行からの提案は結局、銀行が一番得をするようにできている。

そう思っておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

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