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銀行交渉

2023年12月 1日 (金)

新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい⑤

人手不足や諸物価高騰など、

経営環境は大きく変わろうとしています。

変化に対応するには、新たな投資も必要になります。

その投資へ向けて、

改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。

 

⑤個人保証・担保は無し、で交渉しなさい

 

銀行から資金調達をする際にまず伝えてほしいのは、

前回の『金利はタイボ+スプレッドで』に加えて、

『個人保証と担保は無しでお願いします。』ということです。

交渉事ですので、まずはこちらの要望を明確に伝えるのです。

「そんな要望を伝えて大丈夫でしょうか?」

と心配される社長がいまだにおられます。

要は、貸してくれなくなりませんか、と言いたいのです。

 

こちらの要望を伝えただけで、

貸さなくなる銀行など、いまどきありません。

それは、資金需要が多く、銀行が貸し先を選ぶ時代の話しです。

いまはその逆で、お金が余っているのです。

 

特に個人保証に関しては、平成26年に金融庁から

『個人保証に関するガイドライン』が金融機関に通達されています。

個人保証に頼る融資をしてはならない、と言っているのです。

もう9年前のことです。

それでもいまだに、個人保証に頼る融資が減らないのです。

 

現状、個人保証が必要とされるのは、

2期連続で減価償却前の営業利益が赤字の会社です。

あるいは債務超過に陥っているなど、財務状況が極端に悪い会社です。

そうでなければ、個人保証は外せるのです。

銀行に要望しても個人保証を外さない、というのなら、

「そうですか、では、

うちの財務状況で外せないのか、財務局に確認してみます。」

と伝えればよいのです。

そうなれば、銀行も慌てて態度を変える、

ということが実際に何度もあったのです。

銀行は金融庁を恐れているのです。

財務局は金融庁の下部組織となる実働部隊です。

銀行にすれば、財務局は金融庁と同じなのです。

 

担保についても同じです。

金融庁は銀行に、

『担保に頼らず、事業性を評価して融資しなさい』

と指導しています。

とはいえ今の銀行員で事業性を評価できる人も少なく、

結局、担保に頼った融資がまだまだ存在する、というのが実状です。

 

担保も、個人保証と同じく、

「金融庁からは担保に頼ってはいけない、と通達が出ていますよね。」

と交渉時に普通に伝えればよいのです。

それだけで、個人保証や担保に関して、

“この社長は無知ではない”ということが相手にはわかります。

何も知らない社長だ、と思われると、

銀行は個人保証、担保、保証協会の保証料まで、

フルコースで要求してきます。

それがすんなりと通ってしまうのです。

 

だからいつまでたっても、個人保証や担保がなくならないのです。

結局は、中小企業の経営者がもっと銀行交渉についての

知識を蓄えて、対抗策としての決算書を磨いてゆく、

ということに、もっと注力していただきたいのです。

新たな経営環境を乗り切るには、新たな投資が必要、

という中小企業は多いはずです。

その際に、

少しでも有利な条件で銀行からの資金調達をしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年11月30日 (木)

新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい④

人手不足や諸物価高騰など、

経営環境は大きく変わろうとしています。

変化に対応するには、新たな投資も必要になります。

その投資へ向けて、

改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。

 

④金利はタイボ+スプレッドで交渉する

 

私たちICOでは、

「借入金利はタイボ+スプレッドで交渉しなさい。」

と言い続けています。

タイボ(TIBOR)は、

Tokyo InterBank Offered Rate  の略で、

“東京銀行間取引”と呼ばれています。

東京の銀行間で日々行われている、

お金の貸し借りをする際の取引金利です。

日本経済新聞の金融欄に、毎日その金利が掲載されています。

 

そのタイボ(TIBOR)金利にスプレッド(上乗せ金利)を

合計した数字が、タイボ+スプレッドの金利となります。

タイボは基本、日々変動します。

なので、タイボ+スプレッドは変動金利です。

 

「金利がそろそろ上がりそうなので、もう固定のほうがよいのでは?

 銀行は固定を勧めてきますよ。」

と尋ねられることがあります。

上がり気味とは言うものの、かつての高金利に比べると、

日本はまだまだ低金利です。

 

それに、銀行は固定金利のほうが高く設定できるから、

そうささやいてくるのです。

銀行が固定というのなら、変動のほうが借りる側は有利なのです。

銀行が言う事の逆を行けばよいのです。

現に今年1月年始のタイボ(1ケ月)は、0.06364%でした。

11月28日のタイボ(1ケ月)は、0.04818%です。

1月の年始時点よりも、下がっているのです。

だからまだまだ、タイボ+スプレッドでよいのです。

 

「銀行に聞くと、

“うちの銀行ではタイボは扱っていないです”と返事がきました。」

とおっしゃる社長がいました。

それは銀行員のウソです。そうしたくないだけです。

結局、他の銀行でタイボ+スプレッドでやります、という銀行があり、

社長はそのことを先の銀行員に伝えると数日後に、

「私どもの銀行でもようやく取り扱えるようになったので、

 ぜひ、私どもで融資をさせてください。」

との返事が返ってきたのです。

タイボ+スプレッドでの扱いがない、という銀行はないのです。

 

金利交渉の折にはぜひ、

「タイボ+スプレッドでお願いします。」と言ってほしいのです。

それだけで、

“この社長はちょっと手ごわそうだな…。

 こちらの強気な提案は通りそうにないな。”

と扱いが変わってくるのです。

融資の際に、何の要望もなく交渉もしない社長には、

銀行担当は、

“この会社ならどんな提案でも通りそうだな。”

と判断します。そうなると、

銀行のいいようにされてしまうのです。

そんなことにならぬよう、

銀行交渉に関する知識を蓄えて、実践してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年11月29日 (水)

新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい➂

人手不足や諸物価高騰など、

経営環境は大きく変わろうとしています。

変化に対応するには、新たな投資も必要になります。

その投資へ向けて、

改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。

 

➂1行ではなく複数行と交渉する

 

銀行交渉においてまず大事なことは、

1行ではなく、複数の銀行と交渉する、ということです。

例えば、

「0.5%以下の金利でお願いします。」

と1行取引の銀行であるA銀行に交渉したところで、

「いやぁ、うちでは0.9%で精一杯ですね。」

と言われて、それで終わりです。

そこから進めようがありません。

 

それが、A銀行の他にB銀行、C銀行と競合相手があれば、

「じゃあB銀行とC銀行のほうがいい条件だし、

 そのふたつに絞らせてもらおうかな。」

といったことが言えるようになります。

そうなると、A銀行は

「ちょっと待ってください。

 B銀行、C銀行の条件を上回れるよう、再検討させていただきます。

 ちなみに…、それぞれの条件を教えていただけませんか?」

「いいけど、教えるからにはそれより良い条件にしてくださいよ。」

となります。これが交渉です。

 

通常の仕入れ交渉であれば、

このような形で強気に相見積もりをされているはずです。

なのに、銀行が交渉相手となると、

途端に下手に出てしまう中小企業がまだ多いのです。

今は空前のカネ余りです。銀行は貸し先がなく困っているのです。

かつてのような、

“貸してくれなかったらどうしよう…”

などという心配は、もはや不要なのです。

決算書を強くし、格付け(スコアリング)を高くしておけば、

有利な条件での融資をいつでも受けれるのです。

 

銀行も「お金」という商品の仕入れ先にすぎない、

という思いで、複数銀行との交渉にあたってほしいのです。

1行取引で融資条件が自社にとって有利になることは、

まずありませんので。(続く…)

 

(古山喜章)

2023年11月28日 (火)

新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい②

人手不足や諸物価高騰など、

経営環境は大きく変わろうとしています。

変化に対応するには、新たな投資も必要になります。

その投資へ向けて、

改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。

 

②交渉に強い決算書にしておく

 

格付け(スコアリング)の配点表で最も重視されるのは、

返済能力だと書きました。

さらにその計算式の中身を見てゆくと、

いずれにも“営業利益”という言葉が出てきます。

利益といっても5つの利益があります。

そのなかで銀行が最重視するのは、決算書の“営業利益”なのです。

 

ならば、決算書の損益計算書において。

営業利益が大きくなるよう、決算時に作りこむことが必要なのです。

営業利益を大きくするには、大きく二つの視点があります。

1)売上高を増やせないか

2)経費の中に、特別損失で計上できるものはないか

 

1)売上高を増やせないか

最もよくあるケースは、営業外収益の不動産賃貸収入です。

営業外収益は営業利益の下にあります。

その賃貸収入を、賃貸収入売上として、売上高に計上するのです。

売上高とは、本業の売上です。

本業とは、定款の目的に記載されている事業すべてです。

多くの中小企業の定款の目的には、“不動産賃貸業”が入ってます。

入っていなければ、定款の内容を追記すればいいだけのことです。

 

2)経費の中に、特別損失で計上できるものはないか

これは探せばいろいろあります。

・壁の塗装や設備の修繕など、数年に一度の修繕は特別修繕費とする。

・裁判に関わる弁護士費用は特別損失に計上する。

・ISOなどの認証取得・維持費用は特別損失に計上する。

・役員の退職金は特別損失に計上する。

・決算時などの特別賞与は特別損失に計上する。

・即時償却活用による上乗せ償却分は特別損失に計上する。

・大きなクレームによる、原価ロスは特別損失に計上する。

・使わなくなった機械のリ-ス料は特別損失に計上する。

などなど、要は毎年発生しない費用があれば、

特別損失に計上すればよいのです。

法的な決まりはありません。特別損失は経営判断によるものなのです。

 

ただ、このような決算処理を、

会計事務所まかせにすると、うまくいきません。

営業利益を重視する意味を理解していないのです。

銀行交渉などしたことがないのです。

だから、

経営者が知識を蓄えて会計事務所に依頼し、

その理由を説明し、それでも要望どおりになっていなければ、

再度の修正を依頼する、ということをお願いしたいのです。

過去の例からして、2~3年繰り返していると、

会計事務所もようやく要領を得てくるようです。

銀行交渉に強い決算書は、こうして作り上げるものなのです。

続く…。

 

(古山喜章)

2023年11月27日 (月)

新たな投資に備えて「銀行交渉」の力を磨きなさい①

人手不足や諸物価高騰など、

経営環境は大きく変わろうとしています。

変化に対応するには、新たな投資も必要になります。

その投資へ向けて、

改めて銀行交渉の力を磨いてほしいのです。

 

①銀行による格付(スコアリング)を理解しておく

 

銀行は融資先の企業を格付け(スコアリング)します。

そのすべては決算書から経営指標を算出し、

各経営指標を点数化し、概ね10ランクに格付けします。

そのランク付けはこちらです。

20231127

銀行はお金を貸してその利息で稼ぐことが本業です。

当然、貸したお金は返してもらうことが前提です。

そのため、決算書をもとに、

お金を貸しても問題ないかどうか、

格付け(スコアリング)しているのです。

 

中小企業であれば、

上表の格付3~格付7には入っておきたいのです。

格付ランクが下がるほど、融資で良い条件を引き出すことは、

難しくなります。

その格付は次の経営指標による点数で決まります。

20231127_20231127060401

各経営指標の配点が書かれています。

その中でも、4.返済能力の配点が55点と最も高いのです。

全体の点数の約43%です。

それだけ銀行は、返済能力を気にしている、ということなのです。

逆に多くの経営者が重視する収益性は、129点のうちの15点です。

たった1割強なのです。

 

結局、銀行から融資を受ける際に、

良い条件で借りれるかどうかは、格付け(スコアリング)次第です。

ならば、その格付が高くなるように、

決算書に工夫をこらして作りこめばよいのです。

続く…。

 

(古山喜章)

2023年7月14日 (金)

銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい④

今や銀行融資に担保も個人保証も要らない時代です。

なのに、中小企業の銀行借入において、

いまだに担保も個人保証も、みかけるのです。

銀行融資に関する思い込みを変えることができず、

不要なリスクを抱える経営者が、まだ多くおられるのです。

 

④担保に頼らず事業性を評価しなさい

 

金融庁の方針では、

“担保に依存することなく、会社の事業性と

 直近の財務状況を評価して、融資をしなさい。”

となっています。

特に、起業されて年数の浅い企業などは、

担保を求められても、そのような資産はありません。

そのため、日本では新規事業の企業が育たず、

企業数が他国に比べて少ない、

と、金融庁は判断しているのです。

 

また、歴史のある会社においても、

20年以上も前にリスケをした、銀行が債権放棄をした、

などという古い過去のことに捉われず、

ここ数年の財務状況や収益状況から事業性を

評価しなさい、となっています。

 

しかし、実際にはどうでしょうか。

事業性を評価する銀行員など、聞いたことがありません。

あいもかわらず、とりあえずは、

「融資に際して担保をお願いします。」

と求めてきます。

また、

それが当たり前だと思い込んでいる経営者が多いのです。

 

結局、個人保証にせよ、担保にせよ、

金融庁の方針がどうであれ、

銀行はいまだに要求すてくるのです。

言って通ればラッキー、な感覚なのです。

一方、

こちらに銀行融資を取り巻く現在の状況についての知識があれば、

そのようなことに流されることなく、

担保なし、個人保証なし、の融資を獲得できるのです。

だから、常にICOのブログや書籍に触れるなどして、

知識を蓄えて銀行交渉に臨んでほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年7月13日 (木)

銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい➂

今や銀行融資に担保も個人保証も要らない時代です。

なのに、中小企業の銀行借入において、

いまだに担保も個人保証も、みかけるのです。

銀行融資に関する思い込みを変えることができず、

不要なリスクを抱える経営者が、まだ多くおられるのです。

 

➂個人保証の基準を知っていますか

 

現状、金融庁の指導の下、

このような財務状況なら銀行が経営者に個人保証を求めても

しかたがない、という基準が2点あります。

 

ひとつは、

減価償却費を除いて、経常利益が2年連続で赤字になっている、

という損益状況です。

もうひとつが、2年連続で債務超過に陥っている、

というものです。

政府系銀行の融資基準には、明確に記載されています。

 

いかがでしょうか?

「うちはそんな財務状況ではないのに、個人保証をとられています。」

という中小企業がまだまだ多いのです。

このふたつの基準を上回っているのに、個人保証を提供しているとしたら、

それは、銀行のいいように丸め込まれている、

といってよいのです。

 

基準以上の財務状況なのに、

新規融資時に個人保証を求められたのなら、

「うちはこの財務状況でどうして個人保証がいるんですか?

 政府系の銀行は、個人保証が必要な基準を明確に記載していますが、

 御行の基準はどうなっているんですか?」

と聞いてみてほしいのです。

銀行員は、慌てるはずです。なぜなら、

そのような知識を持っている経営者が少ないからです。

 

そこでさらに、

「金融庁から出ている、

“経営者保証に関するガイドライン”に基づく融資をお願いします。」

とたたみかけます。

金融庁、という言葉が出ただけで、銀行員はドキッとします。

ドキッとさせればよいのです。

 

そうなると、銀行員も、

“これは安易に個人保証をとれないな。”となります。

こちらには銀行融資に関しての多少の知識がある、

というところを見せてほしいのです。

前回申し上げた、

既存の個人保証も外してほしいのですが、

そもそも、新規融資で個人保証を提供しないように、

してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年7月11日 (火)

銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい②

今や銀行融資に担保も個人保証も要らない時代です。

なのに、中小企業の銀行借入において、

いまだに担保も個人保証も、みかけるのです。

銀行融資に関する思い込みを変えることができず、

不要なリスクを抱える経営者が、まだ多くおられるのです。

 

②既存の個人保証も外してもらえます

 

すでに個人保証を提供している融資でも、

個人保証を外すことはできます。なのに、

できない、と思い込んでいる経営者がまだ、おられるのです。

金融庁から銀行への指導では、既存融資に関しても、

経営者から個人保証に関する申し入れがあれば、外しなさい、

となっているのです。

 

「経営者保証に関するガイドライン」が、

平成26年、金融庁によって制定されました。

今もそのガイドラインにそって、

金融庁から銀行への指導が続いている状況です。

 

なので、既存融資で個人保証を付けているものがあれば、

まずは、銀行の担当者に来てもらうのです。そして、

「経営者保証に関するガイドラインに従って、

個人保証を外してください。」

とお願いします。

 

当然、その場で返事をもらえることはありません。

「わかりました。持ち帰って検討し、改めてお返事いたします。」

となるはずです。

そいて、大事なのはその先です。

おそらく、多くの銀行は、そのまま検討せずに放置します。

うやむやに済まそうとするのです。

せっかくついている個人保証を、自分が担当のときに外すのは、

不名誉な事、と受け止めるからです。

それに、後ろ向きなことなので、支店長にも伝えず、

そのままやり過ごそうとする銀行員が多いのです。

 

申入れをして、2週間を経過しても何の返事もなければ、

検討などされていない証拠です。

もう一度、その銀行員を呼びます。

「この間の個人保証を外す件、どうなったの?

 おたくはガイドラインどおりには動いていないの?」

と、ちょっときつめに言います。

それでようやく、本格的に動き始めます。

これまで、このようなパターンが多かったのです。

 

既存融資の個人保証も、外せるのです。

外せばそれだけで、肩の荷が降りるはずです。

どうせなら、重たい荷物を降ろして、経営に邁進してほしいのです。

 

(古山喜章)

2023年7月10日 (月)

銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい①

今や銀行融資に担保も個人保証も要らない時代です。

なのに、中小企業の銀行借入において、

いまだに担保も個人保証も、みかけるのです。

銀行融資に関する思い込みを変えることができず、

不要なリスクを抱える経営者が、まだ多くおられるのです。

 

①銀行を取り巻く環境は180℃変わっています。

 

今も担保・個人保証を銀行に提供している社長に聞きました。

自己資本比率は30%を超え、財務体質は良い部類に入ります。

「どうして今どき担保や個人保証を提供するんですか?」

その社長は言いました。

「どうして、と言われましても、

 そういうものだと思っていましたので…。」

 

その社長は年齢が70代です。

経営者の立場になって、バブル経済期を経験されています。

しかし、その当時と今では、

銀行を取り巻く環境は180℃変わっているのです。

 

その頃、日本はおカネが不足していました。

旺盛な消費に応えるため、どの企業も投資を増やしました。

日本国民はまだまだ若かったのです。

新しい家電や家具を買うためなら、平気でローンを組んでいました。

私も子供のころ、新しいテレビやラジカセを買うために、

父が家電店で月賦の手続きをしていたのを、覚えています。

しかも、今よりはるかに値段が高かった。

個人も企業も借金をし、需要を満たしていったのです。

 

なので当然、お金が足りません。

ないものを売る商売ほど、強気になれます。

まさに、銀行が優位な時代だったのです。

「銀行が貸してくれるから、商売を続けれる。」

中小企業の経営者は、銀行に頭が上がらなくなりました。

銀行が担保や個人保証を要求しようが、

お金を借りれるなら平気でした。

そのため、投資事業がうまくいかない会社は、

担保物件を銀行にとられ、経営者個人も多額の借金を負わされました。

一家離散が増え、多重債務に苦しむ自殺者もどんどん増えました。

 

金融庁は、そのような状況を問題視し、銀行に対して、

個人保証をとってはいけない、

担保に頼る融資をしてはならない、

との方針を、今から10年前に出しました。

しかし罰則まではなく、その方針の導入は、いまだ道半ばです。

 

消費の同行も変わりました。

少子高齢化となり、旺盛だった需要はどんどん縮みました。

デフレに陥り、値段はどんどん下がりました。

投資意欲のある中小企業も減りました。

日本はいまや、空前のカネ余りになりました。

借りてもらうために、銀行が頭を下げる時代になりました。

 

こうなると、借りるほうが強いのです。なのに、

今でも銀行は、かつてと同様、担保も個人保証も要求してきます。

とれれば銀行のリスクを回避できます。

それに何より、担保・個人保証を獲得できれば、

銀行員の点数が上がるからです。

 

それに、銀行を取り巻く環境が変わったのに、

「融資には担保も個人保証もいるだろう。」

と、かつての思い込みから抜け出せない経営者が多いことを、

銀行もよくわかっているのです。

結局、

今どきの銀行融資に関する知識をセミナーや書籍で学び、

実行している経営者だけが、個人保証も担保をなく、

経営に有利な銀行融資を獲得できているのです。

改めて、個人保証と担保について、書いてゆきたいと思います。

 

(古山喜章)

2023年5月 2日 (火)

特別損失を活用しなさい

先日、3月末決算の会社の仮決算書を拝見しました。

その会社は卸売業です。

経費内訳をみると、電気代が前期に比べて約22百万円、

増えていました。

 

社長に聞きました。

「設備は特に増えていないので、この22百万円は、

 冷蔵倉庫とかの従来の電気代が値上がりで増えた金額ですよね?」

「そうです。特に設備は変っていません。」

「ならば、この22百万円は、価格高騰によるものとして、

 前年との差額をそのまま特別損失に計上してください。」

「そんなことできるんですか!」

「特別損失は、例年に比べて特別な費用だと、

 経営者が判断した費用です。特に法的な決まりはありませんよ。」

「そうなんですか。

 でも、勘定科目はどうすればいいでしょうか?」

「“その他特別損失”としてください。」

「わかりました!それだけで営業利益と経常利益が22百万円増えますね!

 ありがとうございます!」

 

この一年間、電気代はどことも、想定外の高騰です。

設備の稼働に変化がなくとも、1.5倍以上になっているはずです。

このような費用こそ、特別損失なのです。

「値上がり分はどうやって計算すればいいですか?」

と聞かれたこともあります。

「前期と比べて、稼働している設備に大きな変化がないのなら、

 単純に前期との差額を特別損失にしてください。」

と申し上げております。

 

「銀行に聞かれたら、どう説明すればいいのでしょうか?」

と質問される方もいました。

「会社の経営判断で電気代の値上がり分は特別損失にしました、

 と回答すれば十分ですよ。」

と申し上げております。

反対した税理士も、今のところは聞いておりません。

「税理士に言ったら、“なるほど。”と言われました。」

という答えばかりです。

 

先に紹介した会社は、卸売業です。

多くの在庫を抱えて、回収には時間がかかる商売です。

常に資金繰りが厳しく、

銀行からの資金調達が必要となる機会が多いです。

銀行は、営業利益、経常利益を重視します。

「先生、銀行が特別損失の中身を知ったら、

 この営業利益は違うんじゃないか、とか思わないでしょうか?」

と心配される経営者がおられます。

 

銀行では、会社の格付けをするのは、審査部です。

決算書は、審査部に回され、その部署の人が数値を入力してゆくのです。

特別損失の中身など、その入力する人には、関係ないのです。

担当者が特別損失の内容を聞き、容認できるのなら、それでOKです。

銀行担当者にしても、担当している融資先の格付けがよいほうが、

融資案件を通しやすいのです。

融資が多いほど、銀行員としての成績が上がるのです。

 

間もなく決算が確定する、という会社が多いと思われます。

特別損失に計上できる、例年には発生しない特別な経費や、

想定外に値上がりした費用はないか、など再度確認してください。

そうするだけで、

営業利益、経常利益の金額を増やす事ができるのですから。

 

(古山喜章)

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