不正は、毎日どこかで起きています⑧
前回まで、2社の実例をご紹介しましたが、
もう1社、交際費がらみの例をご紹介します。
飯田エレクトロニクスは、その売上の50%が大手上場会社という
部品メーカーです。
この会社の決算書を監査していると、
ここでも、交際費が多額に計上されています。
交際費の元帳を見せてもらうと、
特定の人間に集中しているわけではありません。
しかし、調べてみると、
接待の席に必ず常務が同席しています。
あるいは、常務1人で接待しているときも、
申請する人間を変えて、経理に申請しているようでした。
『接待ゴルフも多いですが・・・』
管理部門を担当する専務に質問します。
『あぁ、それは、接待ではなく、
自分の気に入った子とラウンドしているんですよ。』
『なんで、専務がそんなこと、わかるのでしょうか?』
『私が、この目で見たんですよ。たまたまでしたけど。
で、調べてみたら交際費として申請していたんです』
これは、完全に公私混同です。
『それにしても、そこまで分かっていて、
なぜ、社長に話をしないのですか?』
『いや、この常務は、お分かりのように、
社長からの信頼が厚いんです。
常々社長は、“常務は細かいことを気にせんと、
うまくやってくれたらええ“と言ってますので・・・』
しかし、いくらそういっても、これはレポートしないわけにはいきません。
1年間の交際費、また内訳を集計して、
社長に報告しました。
すると、社長から
『なに、そんなことやっとるんか。そりゃあかんわ』
ということで、常務にはお灸が据えられました。
どの会社にも、会長、社長のお気に入りの部下はいます。
しかし、気に入られているということを盾に、
公私混同している人間もいるのもまた事実です。
任せっぱなしほど怖いことはありません。
(福岡雄吉郎)
【新刊本 発売しました!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』が発売されました。
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【新刊本 大好評です!】
井上和弘の最新刊『承継と相続 おカネの実務』が発売されました。
オーナー経営に精通した井上和弘が生み出した事業承継対策が満載です!
難しい専門用語は一切なし!多くの実例を示して、
あくまでも社長目線でわかりやすく解説しています。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
最近のコメント